Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@C.C.Lemonホール

2007-09-19 23:36:33 | LIVE
9月19日。まさにちょうどバインがデビューして10周年にあたるこの日のアニバーサリーライブは、なんとバイン初のホールでのワンマン。いったいどんなライブになるのか、どんなスペシャルが潜んでいるのか。期待を膨らませながら会場に向かっていると、なんと天気予報に反して突然のにわか雨が。うわ、バインライブで雨ってかなり珍しいなあ。そんなことを思いながら、コンビニでビニ傘を買って会場へ急ぐ。

相方のTさんと合流し入場すると、まずロビーにて初対面のMさんとご挨拶させていただく。Mさん、開演前の慌しい中お時間を割いていただいてすみませんでした。でもお会いできてとてもうれしかったです。

そして我々は2階へと移動。今回の席は2階8列の、左サイドの一角のなかでもいちばん壁際の席。そこからステージを見下ろすと、いまだかつてバインライブでは見たことのない視界が広がっていました。というわけでここから先は、そんな特殊な座席で見聞きした音や場面の感想になりますので、まともな位置から見た方とはずいぶん見解が違ってくると思いますが、その点をご了承くださいませ。

真新しい椅子の座り心地に満足しているうちに、いよいよ開演。出囃子SEは、新しいやつに替わってました。なんだかちょっとかわいくて変なやつ。相変わらず変な出囃子ばっかりですねえ。

下手から現れたメンバーは、田中&金戸→白シャツ、西川&高野→チェックシャツ、亀井→ダークグレーっぽいシャツ姿。西川さんのシャツはおニューとお見受けしましたが、それ以外はみんな相変わらずですね。さあ兄さんたち、見た目は普通だけどライブのほうはどうするつもりなんでしょうか。

そしてしばらく後、ついに鳴り出したギターが奏でる意外なイントロにいきなり驚かされる。うわあああ、いけすかない!たぶんバインファンでこの曲が好きじゃない人なんていないだろうこの初期の名曲の1つを、オープニングにもってくるとは。去年の夏フェスでも1曲目にやっていたので、まさか今回もこの形で幕を開けるとは予想もしてませんでした。いやしかし、オープニングを飾るにはこの曲こそがたぶん最強なのかもしれない。そんなことを考えつつ、ステージに釘づけとなる。

1曲めが終わると、早くも口を開く田中。「どうもありがとおーCCレモン!!」いやいくらなんでも、1曲やっただけでありがとうって早すぎませんか。つーか絶対CCレモンって言いたいだけだろうそれは(笑)

そこから間髪入れず、2曲目のイントロ。耳に飛び込んできたそのメロにさっき以上にびっくりですよ。カーブて!うわあ私ライブでこの曲聴いたことあったっけ!?退屈の花の頃よりずっと力強いボーカルでホールに声を響かせる田中、そしてやたらカッコいいギターのフレーズ、これだけでもう、記念ライブの雰囲気じゅうぶんです。うわあ。

さらに白日→鳥。初期の曲をなんとも素晴らしくつないだこの冒頭4曲は、間違いなく良かった。この曲ぜんぶ、デビュー2、3年目くらいの時点で既にライブでやっていたというのが信じられませんよ。

4曲終わったところで、改めて田中MC。そしてMCの最後に「じゃあ懐かシングル。」とつぶやいてから、君待ち。さらに、そら。怒涛の初期曲連発で、イントロが鳴るたび客席からはちょっとした歓声があがっていたのですが。

実はこのあたりから、いまいちライブに入り込めない自分がいました。というのも、序盤のアップテンポの曲ではごまかされていた音の悪さが、ミディアムな曲調になると完璧に露呈。いちばん端っこなんだから仕方ないとはいえ、ほぼ右耳のほうからしか音が聴こえてこないというのは、かなりツラいものがある。そのくせ、演奏のちょっとしたミスとかはやけに耳についてしまったり。そらでの西川さんコーラスが、ひさびさにやっちゃってたように聴こえたのは気のせいじゃありませんよねきっと。

この音のツラさは、内容でカバーしてもらうしかない。そう思いながら辛抱していたら、次にステージ上で展開されたのは、「覚醒収録の5曲をCDどおりの曲順で披露」というまさかの試み。バインにしては珍しくサービス精神のある演出だと思うし、冒頭の覚醒こそ、大好きなイントロと突如ステージ背景に現れたスクリーンに映し出された雰囲気ある映像に「おおお!」とテンションが上がったんですが。しかし結局、そのあとはまたミディアム曲の連続となったわけで。聴きづらい音と、どの曲も普通に好きな曲ばっかりなのにそれを楽しめないという事実、そしてあまりに偏った内容のセットリストに対する不可解さ。気づけばそんなマイナス要素に見事に足を取られている自分がいました。まずい。

そこから先は悪戦苦闘、一喜一憂。RUBBERGIRLのあまりのサプライズ具合に大喜びしたかと思えば、音の激悪なパブロフに涙目になったり。新曲「超える」に名曲の匂いを感じてうれしくなったかと思えば、スロウ→SOUL FOUNDATIONの大好きナンバーの流れにまったくノりきれなかったり。SOUL FOUNDATIONでコーラスのファルセットを頑張る亀ちゃんを見ても素直におもしろがれないなんて、普段の自分じゃ絶対ありえないのに(←失礼だ)。

終盤、R&Rニアラズが突然始まったときは思わず「遅いよーー!」と叫びたくなりました。ここまで新曲とパブロフ以外は、すべてLifetime以前の初期曲ばかり。そこから唐突に、最後の盛り上げどころでバリバリ21世紀な曲をやられても、今さら戸惑うばかりですよ。ラスト前でやってくれたBLUE BACKでは、バインらしさをしっかり受け止めることができたのだけど、それだけじゃもう手遅れ。熱演する5人をやけに遠くに感じながら、最後にFLY。そして本編終了ーーー。

いつものバインライブなら、流れになすがまま身を任せたその先には、必ず圧倒や快感が待っているのに。田中のボーカルも西川さんのギターも、ほとんどまともに耳や胸に刻み付けることができないまま本編が終わってしまったことに、納得のいかない思いが頭の中をめぐる中アンコール。

もはや祈るような気持ちで耳を傾けたアンコール1曲目は、風待ち。ああああ、私がバインを好きになったきっかけの曲だああ(涙)ふいに当時のことを思い出して、ちょっと感慨にふける自分。ああ、このひとたちと出会ってはや6年、でもまだ6年・・・みんな知らぬ間に時を過ごしてるのかなあ、なんて思わず口ずさんでみたり。

次いでTIME IS ON YOUR BACK。そしてその後田中が口を開き、確か「こんなセットリストありえへんやろ!?」的なことを言っていたような。あとは何だっけ、いつものちょっとした毒舌と、そうだ、とにかく「ありがとおー」ってライブ中何度も繰り返し言ってくれてたっけ。大袈裟な感動やドラマチックさとは程遠い口調だったけど、それが逆に田中っぽい気がして、なんだかうれしかったです。

が、しかし。このライブでいちばんのサプライズは、その直後に待っていました。

MCにひと区切りをつけたあと、田中がぼそりと「西原誠に捧ぐ。」とひとこと。思いがけないタイミングで発せられたリーダーの名前に驚いているうちに、聴こえてきたイントロに思わず叫びそうになる。これって・・・窓。

まだ私はライブで聴いたことの無かったこの曲。そして同時に、もうこればっかりは今後ライブじゃ聴けないのかもしれないとも思っていた1曲。そんな意味ある1曲をこんな場面で、こんな風にさりげなく、リーダーに捧げるとは。私のように、リーダー在籍時のバインを間近で見聞きする機会のほとんどなかった人間でさえ、これにはどうしようもなくやられてしまいました。隣のTさんと2人して、ステージを見つめながらただただ涙。いや、私らだけじゃない。あの時会場の中のどれだけのファンが泣いていたことか。田中のボーカルも、西川さんのギターも、亀ちゃん・金やん・高野さんが珍しく3人でやっていたコーラスも、なんだか格別思いがこめられていたように聴こえて、それで余計にたまらなくなってしまいましたよ。

でもって、この後の展開も本当にバインらしかった。会場中がリーダーへのこみあげる思いに包まれたところで、あのまぶしいばかりのギターのイントロが鳴り始める。ふれていたい!お客を思いっきり切なくさせたあとに、このバカっぽくハッピーな曲もってくるとは!しかも「超えてゆけ そして終わらねえ!」と最後に叫んで締めるこの曲は、10周年ライブのアンコールのラストにぴったりすぎるじゃありませんか。ああ、兄さんたちのこういうところ、本当に大好きだ。

そんな感じで。終わってみれば2時間半弱。正直言ってこんなに途中でしんどくなったバインライブは初めてです。音の悪さは座席の位置の問題だから愚痴っても仕方が無いけど、果たしてあれはホールで聴くにふさわしいセットリストだったのか。正直その点には大きな疑問が残るライブでした。いやもしかすると、デビュー当時からのファンの方にとってはこれ以上ないくらいの、記念日にふさわしいセットリストだったのかもしれませんが。

でも私が期待していたのは「10年を振り返るライブ」であって「10周年を記念して初期曲をやりたおすライブ」ではなかった。それが結果的に、最後までセットリストに違和感を感じまくることになったのは残念です。もちろん彼らなりの意図があってのことでしょうが、それでもやっぱり私は、ドリフト160とか、STUDYとか、ダイヤグラムとか、Lifeworkとか、坂の途中とか、太陽とか、HOPEとか、JIVEとか、アダバナとか、望みの彼方とか、そういうもっともっとバラエティに富みバインらしさにあふれた曲たちを、この機会に聴かせてほしかったのですよおおおお(←心の叫び)

しかし私にはまだリベンジ戦がある。来たる9/29の大阪城野音では、今回とまったく異なるシチュエーションで臨むことになりますから、そこで改めてこの記念すべきライブを満喫できればいいなあと思ってます。やっぱりバインライブは上から観るもんじゃありませんね。さあ次は平地にゴーだ!待ってて兄さんたち!


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