ふたたびを生きるごとくに白式部芽吹けばのちの死を思わざり
黄の花のしなだれながらつく枝の奥に未熟のプチトマト生る
南天の花散り切りているところいかにも梅雨という雨がふる
眠ろうとして眠れない寝室にあした着てゆくシャツ垂れている
二度漬けは禁止の世界 二度塗りが必須の世界 にんげん界に
ひとり言、あるいは問いかけなんだろか 言葉の澱を沼に沈める
みどり濃き夏の湖畔の別荘地 仕事でなければうれしきものを
わからないことには素直にわからないと言いて帰り来 くねくねの道
五十分待って出てきたほうとうにカボチャとホタテがよく煮えている
おそるべき垂直落下コースター右手に見えて夏盛りなり
_/_/_/ 未来11月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/
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