ゆえん

 

【アル依】治療開始から家庭崩壊まで

2019-09-26 13:05:57 | ひとりごと
みなさん、こんにちは。
アルコール依存症家族のゆえんです。

四十代半ばでアルコール依存症と診断されて、
会社を休職して入院した親父の話です。

※アルコール依存症のことを一部「アル中」と表現しています。

前:【アル依】アル中の親父が死んだ話



また長くなっちゃったので、
目次入れました。

━━━━━━━━━━━━
アル中更生施設
平和な日々
鬼ころし
野放し
捕獲作戦
━━━━━━━━━━━━

エグい話なんで、
気になった方のみお進みくださいー


ではどうぞ。

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アル中更生施設
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アルコール依存症の診断を受けてすぐ、
親父は都内にあるアル中更生施設に入りました。

オカンに連れられて見舞いに行ったのですが、
アル中集めた場所だけあって、
強烈な負のオーラが漂ってました。

薄汚れた小汚ないオッサン。
目から活力が失われて、
すべてが灰色にしか見えない世界。

そんな中、うちの親父だけは、
色彩豊かな世界にポツンといるかのようでした。

オカンが用意した青いキレイなパジャマを来て、
肌艶も良く、髪も整えられて、
目も活力に満ちてギラギラしてた。

ワシゃそこら辺のアル中とはちゃうぞ!
と格の違いを見せつけるかのように。

昔から勤勉でクソ真面目だった親父は、
施設の本を片っ端からむさぼり読んで、

アルコール依存症の基礎知識から、
様々な症例まで急に詳しくなって、
ホクホク顔で私に説明してきた。

ここ何年も無気力な廃人だった親父に、
アルコール依存症の克服という、
新しい目標ができたようでした。

他のアル中患者とは明らかに違う。
親父がこのモードになったら強い!

これでまた、親父もマトモになってくれて、
平和な日々が帰って来るんだ!
と確信したのでした。その時は。

実際この平和は、4年ほど継続します。


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平和な日々
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その後親父は、
酒が嫌いになる薬を飲んだり、
断酒会に通ったりしながら、
社会復帰を果たました。

一方私は、ブラック企業で色々あって、
入社一年でぶっ倒れ入院。

一人暮らししてた家を引き上げて、
家族4人で暮らすことになりました。

今思えば、
これが家族で暮らした最後の期間です。

親父も私も、この頃は仕事に恵まれ、
(私は楽な部署に異動した)
弟も就職が決まったりして、

子供部屋オジサンを2人も抱えながら、
オカンも楽しそうに家事をしてました。

そんな平和な日々も、
私が気まぐれに一人暮らしを再開したことによって、
あっさり幕を閉じます。

と言っても、家はどちらも都内なもんで、
オカンと親父は、よく私の家に遊びにきて、
私も寂しくなったら実家に帰ってたりしてました。

今思えば、本当に、
このまま平和な日々が続いてくれたら、
どんなによかったか。

アルコール依存症と戦ってるご家族には、
少しの期間でも訪れた平和な日々を、
大切に過ごして欲しいものです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鬼ころし
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最初の入院から4年ほどたった頃。

また実家に、
鬼ころしの紙パックが転がるようになってました。



昔は静かに飲んでるだけだった親父も、
後ろめたさからか飲んで悪態をつくようになり、

キレながら注意する家族、
隠れて飲むようになる親父、
というアル中転落人生まっしぐらの
様相を呈してきました。

転げ落ちるのは早いもんで、
親父はみるみるうちに廃人になっていきました。

最初は家での嘔吐失禁脱糞。
徐々に意味不明な浪費も始まります。

謎の絵画や水晶から始まり、
熱帯魚を買ってきてそのまま死なせたり。

買ったのか拾ったのか使ったのか知らんけど、
赤ちゃんの使用済みオムツまで発掘されたそうな。

オカンはこの生活を2年ほど我慢しました。
同居してた弟も大変だったと思う。

アル中家族の鉄則として、
患者が酔った時の尻拭いをしてはいけない。
本人に現実を解らせるためです。

部屋の片付けや、会社へのフォローもダメ。
オカンもアル中の家族会に行ってたので、
親父の部屋を放置していました。

当然の部屋はごみの山。
おぞましい異臭と共に大量の虫が湧いた。


そして親父は家に帰ってこなくなりました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~
野放し
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バブル期に金を溜め込んでた親父は、
都内のホテルを点々としながら、
まだ会社に通っていました。

が、、
重度のアルコール依存症患者の放浪は、
長続きしません。

今度は窃盗までするようになり、
大量のエモノをタクシーに積んでる所で、
御用となり、オカンが身元を引き受けに。

そんなことが何度か続き、
オカンは、ブチギレを通り越して、
悟りを開きました。

親父のことは、もう何があってもシカト。
警察だろうが会社だろうが関係なし。
身元を引き受けに行くのもやめました。

親父の部屋に残されたごみを、
全て段ボールに積めて、
親父の生家に送り付けたそうな(強い)。

この意思は最後まで貫徹され、
オカンは親父の葬式にも顔を出さなかった。

さすがに喪主バックレには正直引いたけど、
この頃のことを考えると、
まぁ致し方ないかなぁと思います。


その後一回だけひょっこり帰って来た親父に、
いよいよ弟がブチギレて、
包丁もって殺すのどーのって、
ワイドショーのネタ寸前まで行きまして、


それを最後に、
親父はもうオカンと弟に会うことはありませんでした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~
捕獲作戦
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

こんな状態でもまだ会社に通っていた親父。
最初の入院から8年程経過して、
親父も五十半ばの年になってました。

オカンが身元の引き受けを拒否するようになってから、
警察の世話になるたびに、
会社に連絡が行くようになりました。

会社もさすがに擁護できなくなり、
本人を捕獲して退職手続きをすることに。

当然オカンは会社からの連絡を無視してるので、
作戦には、親父の母親(ばーちゃん)と、
親父の妹の二人が駆り出されたのでした。

ばーちゃんは、90越えても今なお元気な超人で、
親父が最も苦手とする天敵でした。

作戦はこうだ。

朝5時半に会社に張り込む
朝6時にタイムカードを切りに来る親父を確保
家族同伴のもと退職手続きをする

この3行で済む簡単な作戦は問題なく進み、
会社から退職の条件が提示されます。

こんな廃人を10年近く飼ってくれて、
給料と家賃まで出してもらって、

さらに、クビではなく早期退職にしてもらえて、
退職金も満額近くまで貰えたそうな。

なんてホワイトなんだ!
と私は思いましたが、

オカンと弟は、
親父を廃人にしたのは会社なんだから、
金で済むなら安い話だ、と言ってました。

親父の退職によって、
家賃補助が無くなり、オカンと弟は、
都内の別のマンションに引っ越しました。

家電も家具も、何もかも全部捨てて、
新しい家で新しい生活が始まりました。

ここで、オカンと弟は、
アルコール依存症家族としての役目を終えます。


そして親父は、家族も仕事も失いました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


退職後、親父は2度目の入院生活に入ります。

その後連絡のつく家族は私だけになるのですが、
ここから親父は、さらに10年以上生きます。

長くなりすぎたので、
さらに分割しますね。。




アルコール依存症のご家族に平和を(祈)



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (コルシカ)
2019-09-27 00:04:16
続きを、、、
お願い致します。
返信する
Unknown (yuan-ergong)
2019-09-27 00:25:21
コルシカさま
おお、、乱文失礼しました。。確認せずに投稿しちゃって、、誤字脱字気付いた所は修正しました。。
続きも書きます!
返信する
Unknown (コルシカ)
2019-09-27 01:57:34
ゆえんさんがお父様と一緒に居た時の光景をまぶたに思い出し、つい強く感情が文字に込められて、誤字脱字の表現が出たと、私は感じました。

とても人間らしくていいじゃないですか。
私は好きですよ。

私用ですが、
明日、出勤すれば久しぶりに土日が休みです。
土曜は幼稚園に通う、子供の運動会です。
明日も頑張ろう。

(( _ _ ))..zzzZZ
おやすみなさい。
返信する
Unknown (yuan-ergong)
2019-09-28 07:54:07
コルシカさま
運動会、うちの近所からも運動会の練習をする子供の声が聞こえてきます。
程よい天気ですね!良い週末を~
返信する
大変でしたね (ひでちゃん)
2020-03-01 05:48:42
僕のは、まだ人に害を及ぼしてないのでよかったです。
返信する
Unknown (yuan-ergong)
2020-03-01 17:18:33
ひでちゃんさま
コメントありがとうございます。私も毎日飲んでましたが今はやめました。
ブログ拝見しました。お大事にどうぞです。
返信する

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