上発地村から

標高934mぐらい日記

惨状を忘れない

2015年09月04日 | Weblog
やっと晴れた。

盆明けすぐに秋雨前線がかかって、ほとんど太陽を見ていなかった。太陽光に当たらないと鬱になるらしい。
でもってなんとなく気分がすぐれなかったが、今日は久しぶりに気分のいいキャベツの収穫作業になった。
ここんところの雨続きで野菜の市場価格も高騰している。今日は市場価格スライドの一般箱出荷だったので売り上げも伸びた。
最終的にはどれだけ防除できたか(良いタイミングで農薬散布できたか)っていうのが良品収獲の決め手になる。
農薬頼みの農業ってことになるけど、実際農薬の散布できなかったところは全く収獲できるような物になっていないのだ。

今年は水稲に「いもち病」がでてしまい、先日防除をした。
肥料強めだったのもあるが、ここんところの雨続きの天候も原因。去年は収獲量が多かったが、今年はまだ読めない状況だ。

何事もそうだが、病気や虫や草が発生してからでは遅い。とにかく大事がおきる前に徹底的に抑えておかないといけない。
「大丈夫だろう」っていう油断は絶対禁物、俺も何年も痛い目に遭っているのだが、ツメが甘い自分を戒めねばいかんな…
忘れるっていう事は、人間の心を守るためのシステムなのだが、農業をやっていくためには、忘れたり妥協してはいけない。
ただ費用対効果も考えると高価な農薬を必要以上には使用できない。タイミングとマッチングが腕のみせどころということだ。
防除できずに失敗した畑の惨状を忘れてはいけない。

我々の畑は耕作放棄地を再度畑にしたところが多い。草と闘ったり、前年度の生育データが無いためなかなか苦戦している畑も少なくない。
国や地方自治体が画策する農業政策で「遊休農地の解消」ってのがあるけど、一度荒らした畑を元に戻すのはそれこそ2、3年かかるし、新規農家がそこに手をだしたらえらい目に遭う事にもなりかねない。
たとえば遊休農地に蕎麦播いて収穫し、次の年にキャベツ畑したら、こぼれ種が発芽して、何年かはキャベツ畑に蕎麦の花が雑草状態で生えたりする事になる。
蕎麦はアレロパシー作用(ある植物が他の植物の生長を抑える物質を放出する作用)があり、他の雑草を抑えてたりするのだが、そういうのをトータルにコントロールできる技を身につける篤農家っていうのが最終目標なんだろうけど、俺は程遠いな…

以前中国の農業研修生を受け入れていたころ、研修生にこう言われた。

「オトウサンハタケ、ザッソウオオイ」 「ワタシノハタケ、ザッソウスクナイ」
「チュウゴク、ジョソウザイ イイノアル!」 「 イッカイマク、3ネン クサナイ!!」

そんな除草剤 日本では登録とれないっつーの……


     今日の一曲 Bonnie Pink 「Tonight the nigh」   
         https://www.youtube.com/watch?v=7ZAEyMFko7A