くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(53)

2019-05-23 20:16:21 | 「機械仕掛けの青い鳥」
 シェリルは、ウミの前にしゃがむと、顎の下に手をやってゆっくりと顔を上げさせ、涙のにじんだ左右の目を、親指でそっと交互にぬぐった。
「お兄ちゃんの言うとおりよ。青い鳥を捕まえれば、きっと元に戻れるわ」
「じゃあ、一緒に捜してくれる」ウミは、涙の光った赤い目で、シェリルの顔を見た。
「ええ――」と、シェリルは立ち上がってうなずいた。
 ウミとソラは、互いの顔を見ながら目を輝かせた。

「でも、ちょっと待ってほしいの」

「――えっ?」と、二人は声をそろえて言った。
「お願いがあるの」シェリルは、心配そうな顔をしている二人に言った。「これを見て……」
 シェリルが二人に見せたのは、新聞紙だった。書かれているのは、すべて外国語だった。けれども数字だけは、二人にもかろうじて読み取ることができた。
「1968……これは、4月4日のこと?」
 紙面を指さして聞く二人を見て、シェリルは滑稽そうに笑った。「そう。それは今日の日付よ」
「やっぱり、ぼく達は過去に瞬間移動してたんだ」ソラは、一人うなずきながら言った。
「聞いて」と、シェリルは両腕を広げて二人の肩に手を乗せると、円陣を組むように集め、三人の額がくっつきそうなほど、顔を近づけて言った。
「いいこと。これからこの街で、凶悪な事件が起きるの――」
 ソラとウミは、ぐびりと喉を鳴らして固唾をのんだ。
「あなたたちも見たでしょ。この時代のこの街は、同じ人間であっても、肌の色が違うというだけで区別され、あたりまえのように格差をつけられていたの。けど、これまで耐え忍んできた人達が、少しずつ立ち上がり、大きな変革のうねりが、あちらこちらの町で起こっているわ」
 ソラ達は、耳を澄ましながら、じっとシェリルを見ていた。
「勇気を持って立ち上がった人達のリーダーが、今朝、この町にやってきた」と、シェリルは腕時計に目を落とした。「まだ今頃は、ベッドに足を投げ出して、いびきをかいているころね」
「どうして、そんなことまでわかるの?」ウミが、不思議そうに聞いた。
「歴史は、時として残酷なものなの」と、シェリルが言った。「もう取り返しがつかないとわかっているのに、どんな出来事があったのか、その結果どんなことが起こったのか、たとえそれが目を背けたくなるような事実でも、いつか、誰かが書き換えてくれる日を待っているかのように、順を追って記録されているんだから」
「――そう」と、シェリルは自分自身に語りかけるように言った。「私達は、歴史を書き換えることができる過去にやってきたの」
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よもよも

2019-05-23 06:18:22 | Weblog
やれやれ。

鼻かんでばっかで脳みそまで揺れそうXXX

それにしても朝から暑いわ。

考えれば半年も前は寒さで震えてたってのにさ、

この差ってひどいよな。。

まあ、1年ってばその繰り返しなんだろうから、

今に始まったことでもなし。

またぞろ半年もすりゃあ…あの寒さがまた来るって考えると、

マジ本気に沖縄方面に移住したくなる。。

…でもほんとにそれっていいかも。。

悪くても函館方面か、奥尻島もよかったなぁ。

ああ、居心地のいい場所に行きたいゼい。


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