くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(39)

2019-05-09 20:53:07 | 「機械仕掛けの青い鳥」
「あんた達は、ぼくらの敵なのか?」と、一人の男の子が前に出てきた。はっきりとした口調は、大人にも負けないくらいの迫力だったが、年齢は、ソラとそれほど変わらないように見えた。
 子供達が、ざわざわとささやきあった。「マットだ――」
「文句は言わせない」と、ニコライがマットに近づいて言った。「なぜなら、オレ達は未来に起こる出来事を知っているからだ」
「どんな未来が待っていたっていい」と、壁のようにそびえたつニコライに臆することなく、マットが言った。「ぼく達は戦う。父さんや母さん達の仇を取るんだ」
「だめだな」と、ニコライが、子供達の顔を一人一人見るように言った。「それじゃあ、歴史はなにも変わらない」
「――いいや」と、子供達の中でも、ひときわ背の低い男の子のフェレクが、マットの隣に並んで言った。「歴史は、ぼく達が変えるんだ」
 マットと顔を見合わせ、互いの決意を確認するように大きくうなずいたフェレクは、意見を求めるように振り返った。子供達は、声を上げることなく一歩前に出ると、それぞれが力強くうなずいた。
「ふん」ニコライがつまらなさそうに言うと、イヴァンが間に割って入ってきた。
「子供相手に、それ以上は大人げないぞ」
 ため息をついたニコライは、「行くぞ」と、背を向けて歩き始めた。
 自分達の声を聞かせた子供達だったが、顔を見合わせて躊躇したのもつかの間、重い足取りで、あきらめたようにニコライの後についていった
 ソラとウミは、二十人ほどいた子供達の中ほどに並んで、下水道の中を進んで行った。
 まるで、出口のない迷路をさまよっているようだった。幾重にも交差した通路が、たびたび現れた。人が入っていけないほど狭い水路に行き着く事もあれば、滝のように高低差のある箇所に出くわし、引き返す事もあった。その度にどっちに向かえばいいのか、最後尾を行くイヴァンと先頭を行くニコライとが、子供達の足を止めて集まり、進むべき道を選んだ。
 閉塞された薄暗い水路の中、歩みを続ける誰もが、時間の感覚を徐々に失っていった。そのせいか、子供達の足が、先頭を行くニコライについて行けなくなり、みるみる遅れ始めた。
「ニコライ、この辺で休憩にしよう」たまらず、イヴァンが前に駆けてきて言った。
「大丈夫なのか?」ニコライの顔には、明らかに焦りの色が浮かんでいた。
「仕方がない――」イヴァンは、左腕を持ち上げて時計の時刻を確かめた。
 子供達に休憩を告げ、ニコライも時刻を確かめるために腕時計を見ると、「おい」と、文字盤に目を落としたまま、イヴァンに声をかけた。
 顔を見合わせた二人の時計は、なぜかほとんど進んでいなかった。
 どうして時計が遅々として進んでいないのか、二人がひそひそと話し始めると、なにを思ったのか、マットが子供達の先頭に立って、歩き始めた。
「――みんな、どうしたの」
 ソラの声に顔を上げたニコライとイヴァンが、子供達をあわてて引き留めた。
「誰が勝手に行動していいと言った」
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よもよも

2019-05-09 06:15:44 | Weblog
やれやれ。

年号変わっても、

改まるのは気分だけで、

こう言っちゃ悪いけど、

世の中は相変わらずだよね・・・。

なにかが変わるって期待はしつつも、

目に見えて実感するのは悲しいことばかりでしょ。

朝テレビつけたら子供が犠牲になった事故のニュース・・・。

こんなの見てこれから1日元気で! なんて気にとてもじゃないけどなれんわXX

車に乗る身にとっちゃ、自分はそんな事故は起こさないぞ。。

なんて安全運転の決意を新たにするって気にはなるけど

沈んだ気持ちはなかなか立て直せないわ・・・。

ああ、ラーメン食いたい。

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