くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(81)

2022-04-30 22:25:01 | 「狼おとこ」

「くそっ、この小娘、離せ――」
 ゲリルはなんとかアリエナを離そうとするが、アリエナはいくらぶたれても、歯を食いしばって離れようとしなかった。
「アリエナ」と、カッカが開け放たれた扉から走ってきた。
「この……」と、ゲリルは、拳銃を左手に持ち替えると、グレイを撃とうとした。が、素早く駆けつけたカッカに叩きのめされ、引き金を引く間もないまま、崩折れた。

「さあ、今のうちだ。逃げるんだ!」

 カッカはグレイを担ぐと、アリエナと共に廊下へ走って行った。廊下では、牢に捕らえられていた男達と、狼男がやって来たことを知った僧達が、もみくちゃになって暴れていた。
「アリエナ、グレイを頼む。どこか遠い所へ逃がしてやってくれ」と、カッカはグレイを下におろした。
 そこは、教会の厨房だった。ゲリル達の食事を作っていただろう料理番達が、床の上でぐったりと伸びていた。
 アリエナは、グレイの腕を肩に回して立ちあがった。
「よし、おそらくグレイもここから忍びこんだんだろう。さ、早く勝手口から外へ出るんだ」と、カッカは言った。
「カッカさん――」
「早くするんだ、ここはおれにまかせろ」
 アリエナはうなずくと、「がんばってください」そう言って、外へ出た。


 外は、もう真っ暗だった。正面の門の所から、騒々しい声が聞こえていた。
「グレイ、しっかりして。歩ける?」と、アリエナは脂汗をかいているグレイに聞いた。
 グレイは、かすかにうなずいた。
「それじゃ、行くわね」と、アリエナはグレイの体を支えながら、すぐさまひとけのない路地に逃げこんだ。

 

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よもよも

2022-04-30 06:11:40 | Weblog

やれほれ。

連休に入る前に買っておいた

蜘蛛男の過去作を一気見。。

テレビで見たような記憶はあるんだけど、

改めて見ると面白いよねぇ。。

新しい大きなシリーズの断片みたいな蜘蛛男より、

唯一のヒーロー感があって

孤独にがんばってる主人公の姿にじんとくるわ。。

で、その蜘蛛男のDVDがとうとう販売されたんだけど、

過去作を一気見して復習はバッチリだから、

まばたき禁止で見るぞ。。

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狼おとこ(80)

2022-04-29 19:37:49 | 「狼おとこ」

 ビシーン、という鋭い音が、アリエナのすぐ横の壁を打った。
「ほっほ。なにをびくびくしてるんですか、お嬢さん。でも、次からは本気ですよ――」
 太った僧はうなずき、また大きく横に振りかぶった。
 と、勢いよく扉が開き、牢番の僧が吹っ飛んできた。僧は、石の床に背中から落ちると、それっきり気を失って泡を吹きだした。

「何事だ」と、ゲリルは叫んだ。

 ゲリルが扉へ近づこうとすると、異様に光るつりあがった目が、ゲリルの横を素早く通りぬけた。グゲッ、という悲鳴が聞こえたのは、そのすぐ後だった。ゲリルが後ろを振り返ると、鞭を持っていた僧が、吹っ飛んできた僧と同じく、泡を吹いて倒れていた。
「貴様……」と、ゲリルはくやしそうに言った。
 光る目の正体は、狼男に変身したグレイだった。グレイは、アリエナの手首に巻かれたロープを引きちぎると、アリエナを背に、自分が盾になるように立ち塞がった。
「ゲリル、もうこれ以上ひどいことはさせないぞ――」
「はっは、これは笑わせやがる」と、ゲリルは宙を仰いで笑った。「狼男だというから、どんな強そうな奴が現れるかと思えば、牙もない半端な小僧か」
 ゲリルは、腹を押さえて笑った。
「自分からやって来るとは、おつむまでいかれているときた。おれはな、はなっからこの時を待っていたんだよ。おまえが姿を見せるのをな」
 グレイは、アリエナをそのままに、きらびやかな僧衣を纏うゲリルに向かって、ダッと目にもとまらぬ早さで突っこんでいった。二人がぶつかり合う刹那、鉄を引っ掻く音と、銃の轟音が室内にこだました。
 ゲリルは、グレイの勢いに押され、二、三歩離れたところに尻もちをついた。その僧衣は胸の辺りから裂け、下には鋼の鎖が見えていた。

「あーっ!」

 と、アリエナは思わず声を出した。
 グレイが壁に激突し、もんどり打って倒れたからだった。その壁には血が飛び散り、肩を押さえたグレイの手の下から、血が流れ落ちていた。
「クックック、どうだ、銀の弾の威力は――」
 ゲリルは、ゆっくりと立ちあがった。その手には、拳銃が握られていた。
「狼男め、おとなしくあの世に行きやがれ」
 腰に拳銃を構えたゲリルは、肩口を押さえて懸命に後じさるグレイに近づいて行った。
 狂人のようなゲリルの笑い声が、不気味に響いていた。

「やめて!」

 アリエナは叫ぶと、ゲリルに駆け寄って腕にしがみついた。

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よもよも

2022-04-29 06:30:28 | Weblog

やれほれ。

出張明けすぐ祝日ってば、

いいもんか悪いもんか・・・。

それは置いといて、

久々地下鉄に揺られて薄ら寒くなった。。

ホームに降りた途端に行く先の地下鉄が出発して、

次の列車が来るまでぽつんと一人。

後ろの壁際にベンチがあって、

父親と子供が座ったのが、話し声からわかった。

父親は会話の端はしに英語のフレーズを織り交ぜて、

子供はキャッキャッと笑ってる。

兄弟なのか、姉弟なのか、子供は二人だと思ってたんだけど

待ってた列車が来て親子が後ろに並んだんだけど、

父親と手をつないでる子供が一人だけ。。

あれ? もう一人ってばどこ行った??

列車の中に入っても、父親が手をつないでるのは一人だけ・・・。

背中越しに聞こえてたもう一人の子供の笑い声って、

誰の声だったんだろう。。

女の子の声に聞こえてたんだけど??

冷や汗が止まらんなかった・・・。

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狼おとこ(79)

2022-04-28 19:58:16 | 「狼おとこ」

 屋敷が火で崩れ落ちていく中、おれは必死だった。みんなの命を助けようってな。けど、おやじさんはおれにおかみさんをまかせると、逃げ出してきたばかりの屋敷に、奥さんを探しにまた引き返していったんだ。燃えさかる火の中へな……」
 カッカは優しい笑みを浮かべた。
「おれは、本当は職人でも見習いでもねぇのさ。そんなおれを、今まで信頼してくれていたおかみさんには、頭があがらねぇ。これまでも分からず屋相手にさんざん戦ってきたが――」と、カッカは顔の傷跡を指でなぞった。「これからが、おれの本当の戦いさ」
「わたし、そんなことできません」と、アリエナは手で顔を覆った。
「ばか野郎……」と、カッカは小さな声で言った。「誰かが真犯人として捕まるか、それこそ本物の狼男が名乗り出なけりゃ、ばかげた裁判は終わりゃしねぇんだぞ」
「わたしが真犯人になります」と、アリエナは顔をあげて言った。
 カッカは、ため息をつくと言った。
「アリエナ、狼男は、女の子じゃないんだよ――」
 アリエナは再び手で顔を覆うと、小さく肩をふるわせながら、すすり泣いた。
 そこへ、

「おい、そこの小娘、ゲリル様がお呼びだ」

 牢番が、錠を開けながら声をかけた。アリエナは、ひっくとしゃくりあげていたのをやめ、険しい目つきをして顔をあげた。
 二人の僧が、中へ入ってきた。そして、アリエナを立たせると、牢を出た。カッカは、困ったような表情を浮かべて、その目をそらせた。


「おやおや、かわいいお嬢ちゃんじゃありませんか」と、ゲリルは目を丸くして言った。

 審問官の元へ連れてこられたアリエナは、壁を向いて手をつけさせられ、その手首を壁についた鉄輪に結びつけられていた。
「痛い思いをしたくなければ、素直に話すことです。わたしからは、それしか言ってあげられません。なにせ鞭を打つ者が、血なまぐさいことが大好きなんでね。気にくわなければ、遠慮ということをしようとしないんだ」

「わたしは、狼男なんか知りません!」

 と、アリエナは壁をにらみ据えながら、きっぱりと言った。
 ゲリルは、鞭を持つ太った僧と顔を見合わせた。
「ほっほ、気の強い娘だこと。いつまでそんな口がきけるか、楽しみにすることとしましょう」
 ゲリルは後ろへさがると、僧に向かってうなずいた。
 太った僧は一度舌なめずりをすると、大きく横に振りかぶり、鞭を振るった。

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よもよも

2022-04-28 06:00:22 | Weblog

やれほれ。

昨日は朝から札幌で会議XXX

ちょっと早い時間から

公共交通の駅に向かったはずなのに、

富良野辺りじゃあり得ないほどの人の波・・・。

学生からサラリーマンからおじちゃんやらおばちゃんも、

みんな早くからどこに行くのさ??

Eさんのアリよさらばって歌の歌詞が脳の中でリフレイン。。

おまけに風が強くって通りかかった学校のグラウンドの土が

舞い上がって砂漠の砂嵐状態。加えて花粉症でしょ。

んなもんだから目はしょぼしょぼしてくるし、

肝心の会議はあれやこれや作業指示ばかりで目眩しそうだし、

これがオンラインの会議だったらマイク機能ミュートにして

ぶつくさ言いながら少しは言い返してやった気分になれるんだけど

久々の対面の会議はそんなことできないしさ

言われたい放題言われまくるだけだもんね・・・。

はぁ。

朝から愚痴が止まんないXXX

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狼おとこ(78)

2022-04-27 19:20:15 | 「狼おとこ」

 ――――――    
 全身の皮膚が引きつるような感じを覚えたカッカは、目を覚ました。体が、倍以上膨らんだのではと思うほど、重たかった。背中をはじめとして、痛まないところはどこにもなかった。体中が、傷だらけだった。
「くそう、派手にやりやがって――」と、カッカは渇ききった喉を唾で潤しながら、つぶやいた。

「カッカさん――」

 ふっと、カッカはうつぶせのまま、声のほうを見やった。そこには、アリエナが心配そうな顔をして座っていた。
「アリエナ……」と、カッカは重い体を起こした。
「あっ、無理しないで――」と、アリエナは手を貸そうとした。
「いや、まだ力は残ってるさ」と、カッカは自力で起き上がると、ゲホッと苦しげな咳をひとつした。と、「どうしてここにいるんだ――」カッカは、ゆっくりと床に座り直しながら訊いた。
 アリエナは返事に困り、顔を背けた。
「誰が裏切りやがったんだ」カッカは「くそっ――」と、吐き捨てるように言うと、ぐっと拳に力をこめた。
「どうりでおれが牢に戻されるわけだぜ。で、おかみさんはどうしてるんだ?」
「オモラさんなら、無事です」と、アリエナは、はっきりと言った。
「そりゃあよかった。だがアリエナ。あんたが捕まっちまったんじゃ、どうにもならねぇんだよ」
「ごめんなさい――」と、アリエナは目に涙を浮かべた。
「いや、あんたを責めてるんじゃないさ。ただ、狼男事件に関わってるアリエナが、なにかひとつでも口にすれば、そいつがすぐ証拠になっちまうってことさ。町のやつらも後悔してるはずだ。もっとしっかり調べて、真実を見極めるべきだったってな。多少とも疑わしいといって、犯人に仕立てあげるなんてことさえしなけりゃ、こんな苦しい思いなんて、しなくて済んだのにってな」
 アリエナは、うなずきながら聞いていた。
「いいか、おい」と、カッカはアリエナの顔を覗きこみながら言った。「狼男が誰か聞かれたら、迷わずおれだと言うんだ。おかみさんとこのカッカが狼男ですってな。そうすりゃ、ゲリル達は町からいなくなる。真犯人が早く出てこなけりゃ、あいつらはいつまでだって、ここで粘りやがるだろうから――」
「えっ」と、アリエナは耳を疑った。
「いいんだよ。そうするしか、みんなを助けられねぇんだ」と、カッカは大きく息をついた。「おれはな、昔からおかみさんとこで働いてたのさ。見習いでな。でも、おかみさんが狼男の事件に巻きこまれて、気味悪がった連中が火を点けやがったんだ。おれを使ってくれたおやじさんも、奥さんも、その火事でやられちまった。

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よもよも

2022-04-27 05:41:50 | Weblog

やれほれ。

買い物に行ってなんだか見たことのない

大きな耳かきのモコモコ??

こりゃさぞかし心地が良さそうだと思って

立ち止まって見たら、

猫じゃらし??

思わず衝動買いするところだったけど、

あわてたわ・・・。

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狼おとこ(77)

2022-04-26 19:50:09 | 「狼おとこ」


「グレイ?」

 ――グレイの姿はなかった。ただ、アリスが床に座って、さもいいことをしたと言いたげに、満足そうにこちらを見上げているだけだった。

「神様が本当にいるんなら、あの子を守っておくれ――」

 と、オモラはその場にへたりこみながら、言った。


 牢の中は、傷ついた男達の呻き声でいっぱいだった。鞭打たれ、背中の肉が裂けた男達は、仰向けに休むこともできず、冷たい石の床の上にうつ伏せになって、痛さをこらえていた。アリエナが連れてこられてから、もう何人もが、血で染まった前掛けを着けた僧に呼び出され、ロウソクで照らされた廊下を、重たい足取りで、審問官の元へ歩いて行った。
 小さな絶叫は、壁に背を預け、小さくなっているアリエナの耳にまで聞こえてきた。かすかな、消えかかったこだまのような声は、胸が締めつけられるほど恐ろしかった。
 アリエナは、歯を食いしばって耳を塞いだ。しかし、聞こえていないはずの声は、頭の中で繰り返し繰り返し、苦悶の叫びを上げるのだった。もう、気が変になってしまいそうだった。がくがくと震える顎は、かくかくと面白いように鳴り、ひんやりとした空気とは別の寒気が、足元から伝わってきた。

「そら、戻れ――」

 二人の僧に両腕を取られ、引きずられてきた男が、乱暴に牢へ放りこまれた。帰ってきた者の中でも、特にひどく傷つき、疲れ果てているその男の横顔を見て、アリエナははっと息を飲んだ。
「カッカさん……」
 カッカは、うつ伏せになった体を、なんとか起こそうともがいていた。アリエナはさっと近づき、手を貸してやった。
「アリエナ――なんでここにいるんだ。おれはなにもしゃべっちゃいねぇんだぞ」
 意識が朦朧としているカッカは、目の前にいるアリエナが、熱によって見える幻覚だと思っているようだった。
「無理しないで、横になっていてください」
「いいや、いいんだ」と、カッカはアリエナの手を払いのけようとした。「山男はな、これしきのことじゃまいらねぇのさ」
 しかしカッカは、力が尽きたように倒れ伏した。アリエナの声が、次第に小さく遠のいていくように聞こえていた。ばったりとうつ伏せになったまま、カッカは静かな寝息を立て始めた。

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よもよも

2022-04-26 06:01:21 | Weblog

やれほれ。

春になってそろそろ緑が増え始めるのはいいんだけどさ

暖かくなるにつれて

鼻がずるずるXXX

毎日マスクして歩いてるからひどくならないけど

毎年来る花粉は確かに今年も飛びまくってるんだわ・・・。

はぁ。

花粉が収まるまで、

宇宙服着て生活したい・・・。

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