くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(47)

2019-05-17 20:16:15 | 「機械仕掛けの青い鳥」
 どっしん――。と、土埃を高く舞い上げ、上空からやって来たニコライが、早く下に行けと、ソラに目配せをした。ソラは、おびえたようにうなずくと、ウミを呼び、地面に口を開けた四角い穴の縁に手をかけた。
「大丈夫か、これは想定外だぞ」と、穴の下に降りていったソラ達を見ながら、ニコライが言った。「歴史を変えるつもりか?」
 イヴァンは、ソラ達の姿が見えなくなると、横にあった蓋を持ちあげ、バタンと重い音を立てて穴を閉じた。
「なにも変わりゃしないさ。どうせ連合軍が勝利の旗を立てることになってるんだ」
「フフフ―― 。おまえにしちゃあ、ちょっとは笑える冗談じゃないか」
 地面に現れていた四角い蓋が、風に砂が舞うように跡形もなく消え去った。
「変なタイミングでほめるなよ。なんとなく照れくさいじゃないか」

 銃声が、一斉に鳴り響いた。

 イヴァンとニコライが背をかがめてしゃがむと、地面からせり上がったゴツゴツとした岩が、壁のように二人の回りを取り囲み、パツンパツンと、撃たれた銃弾をことごとく跳ね返してしまった。
 多くの兵士達はあっ気にとられ、続けて銃を撃つのをためらった。と、壁のように立ち上がった岩が震え始め、バツン、という音と共に四方へはじけ飛んだ。
 ぐるりを取り囲んで銃を構えていた兵士達は、首をすくめるように低く身をかがめ、飛んできた岩の破片をよけると、逃げるように後ろに下がって、瓦礫の陰に身を潜めた。
 岩の壁が飛び散ると、サングラスをかけたニコライが姿を現した。口を真一文字に結んだニコライは、こぶしを握った両手を広げ、体をひねるように腕を天地に伸ばしていた。
「撃て!」大佐が拳銃を構えて言うと、兵士達もあわてて銃を構え、狙いをつけた。
 しかし、引き金が引かれるよりも早く、しゃがんだまま、両手を地面に当てていたイヴァンがなにかを唱えると、兵士達が隠れている瓦礫の山が、ズン――と、雪崩を起こすように地中に沈み落ちていった。
 聞き取れない叫び声を口々に上げながら、瓦礫の山ごと、兵士達が暗い地中に飲みこまれていった。ヨゾフ大佐も、例外ではなかった。叫び声を上げながら、イヴァンとニコライに向け、必死に拳銃を発砲したが、ヘビのように地を這う亀裂に足場を失い、暗い地中に落ちてしまった。
 しかし、とっさに手を伸ばしたヨゾフ大佐は、間一髪で縁につかまり、奈落の底に落ちるのをかろうじてまぬがれた。
 銃弾をいくつも体に受け、穴だらけになった背広を着たニコライが、巨人のように大きな影を伸ばしながら、のっそりと大佐のそばにやって来た。
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よもよも

2019-05-17 06:13:58 | Weblog
やれやれ。

ニュースサイトで見たけど、

今日からアイドルのコンサートあるんだよね。。

またぞろ札幌は人でごった返して、

地下歩行空間あたりは

ちょっと混んでる東京駅みたいな雰囲気になるっしょ。。

あんだけ人が集まるってば、

力あんだよなぁ。

うらやまし。

正直、一秒でもいいからあんだけの人にもててみたいわ。

ミクロン秒でも無理だべか??
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