くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(52)

2019-05-22 20:39:42 | 「機械仕掛けの青い鳥」
 シェリルは黙って、サングラスの奥に隠れた目を細めながら、パトカーに乗りこむ警察官の姿をじっと見ていた。
「ありがとう……」と、ウミが不思議そうな顔をしながら、シェリルにお礼を言った。
「あら――」と、シェリルはサングラスをはずし、驚いたような笑顔を見せた。「初めまして、海密ちゃん」
「ねぇ、妹が青い鳥を見つけたんだ。追いかけたんだけど、ちょうどここに来た時、ビルの陰に隠れて、見失っちゃったんだよ」
 ソラは、青い鳥を追いかけていたサングラスの男達と、おそらくは過去の街に迷いこみ、命からがら逃げ出してきたことをシェリルに話した。シェリルは、奇妙な力で子供達を救ってくれたイヴァンが、青い鳥について、時間を越えて移動することができる力を持っている、と言っていたことを聞いても、「そう」と、なぜか涼しい顔で相づちを打っただけだった。
「ただそれからどうなっちゃったのか、地下の水路を走っていたはずなんだけど、明るいところに出たと思ったら、まるで見たこともない街の中だったんだ……」
「恐い思いをしたのね」と、シェリルはウミの髪をそっとかき上げながら、やさしく言った。「あなた達を巻きこむつもりなんか、ぜんぜんなかったのよ。そう、お姉さん達はね、青い鳥を追いかけているの」
 ソラは、シェリルの顔を見て、こくりとうなずいた。
「隠してたってしょうがないから教えてあげるけど、私は大国の諜報部員なの」
「チョウホウ、ブイン?」と、ウミが首をかしげた。
「スパイ――って、そっか、忍者みたいなやつだよ……」ソラが、ウミの耳元で囁くように言った。
「――サングラスの男達とは、まぁ、言ってみれば敵同士ね。妙なおばさんも青い鳥のことを狙っていたようだけど、彼女のことは、正直なにもわからないわ」
「シルビアは、魔女なんだ」ソラが言うと、シェリルはそんなバカな、と首を振った。
「青い鳥は、遙か昔の文献にも出てくる幻の鳥なの。ただこれまでは、神話か伝説のひとつだと思われていた。ところが最近になって、本物としか思えない目撃が相次いで報告されだしたの。それで、本格的な調査の命令が下ったのよ」
「伝説って、時間を越えるとかって……」
「フフン――。まだ研究者の間でも議論が分かれているところだけれど、今のところ、青い鳥が時代も場所も違うところで、同じように目撃された記録が残っているのは、青い鳥が我々にはまだ未知の能力によって、時間を越えられるためではないか、そう考えられているわ」
「ぼくも、初めは信じられなかったんだけど――」と、ソラはウミを見た。
「私達、ぜんぜん知らない場所に連れて行かれたの」ウミは、悲しそうに目を伏せて言った。
「もう、家に帰りたい……」ぐすり、とウミは鼻をすすった。「私が、あんな鳥、拾わなければよかったのに」
「――ねぇ。青い鳥を捕まえれば、元に戻れるんでしょ?」と、ソラがシェリルに言った。「知らない街に、このままずっといなきゃならないなんてこと、ないよね」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よもよも

2019-05-22 06:13:38 | Weblog
やれやれ。

朝から鼻かむのにいそがしくて、

ため息XXX

北海道も昨日は朝から雨で

予報じゃ100ミリ越えるんじゃね? 

みたいなこと言ってたから

ビビってたんだけど、

朝から暑いくらいの晴れで

それはそれでうれしいんだけど、

花粉まで元気に飛び回るんで、

具合悪ッ・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする