くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

地図にない場所(58)

2020-05-31 19:13:36 | 「地図にない場所」
 サトルの言うとおり、イバラの森の中には、自分から突っこんでしまったのか、セミの怪物のほかにも、いくつかの怪物が全身にイバラを絡みつかせ、苦悶の表情を浮かべて、屍と化していました。中にはからからにひからびて、骨がむき出しになっているものもありました。
「――なんだこりゃ。まるで地獄じゃねぇか」と、ガッチがつぶやくように言いました。「変だなぁ。おれが出てった時には、こんなもんなかったのになぁ……」
「えっ、なにか言ったガッチ……」と、屍となった怪物を、目を細めながら見ていたサトルが言いました。
 ガッチは、
「――ウウン」
 と言って、しらばっくれるように首を振りました。
 サトルとガッチは、怪物の飛び交うイバラの森を、ねむり王のお城に向かって出発しました。それは決して楽な行程ではなく、気が遠くなりそうなくらい入り組んだイバラの枝を、あるものは登り、あるものはくぐり、まるで延々と続くジャングルジムの中に紛れこんでしまったようでした。
 体中の筋肉がギシギシと音を立てそうなほど歩き続けて、ようやくお城の跳ね橋にたどり着いた時には、サトルも、そしてガッチまでもが、その場にへたりこんでしまいました。お互いのズボンには、ゲンコツ大の穴が開き、すりむいた膝小僧にも、血の混じった土が張りついていました。
 しかし、二人がやっとの思いでねむり王のお城にたどり着き、ほっと息をついたのもつかの間、目の前の跳ね橋が、二人を拒むように持ち上がり始めました。
 二人は、あまりの疲労にへたりこんだまま、高く上がっていく跳ね橋を、他人事のように見上げていました。

「負けないぞ!」

 と、サトルは鉄のように重くなった体を、元気を振り絞って立ち上がらせました。
 ロボットのようなぎこちない動きで、サトルは高く持ち上がっていく跳ね橋に飛びつきました。ガッチも、やや遅れて飛び移り、二人そろって這い上ると、急な傾斜になっていく跳ね橋を、ごろごろと転がりながらお城の中へ入っていきました。
「ふうー……」と、大の字になったガッチが、もうダメだ、と言うように息をつきました。
「やっと来たぞ……」と、サトルも足を投げ出しながら、がっくりと頭を垂れて言いました。

「後は、王様がどこにいるか、探し出すだけだ――」

 サトルは、荒い息をしながら、ゆっくりと顔を上げました。お城の中には、サトルが想像していたような巨人の門番や、たくさんの召使いはいませんでした。がらんとしたお城を見回しながら、サトルはまた、ねむり王の罠に引っかかってしまったのかな、と不安になりました。しかし、大きく頭を振って、そんな考えはふっとんでしまえ、ここがねむり王の本当のお城であれ、と祈りました。
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地図にない場所(57)

2020-05-30 19:18:57 | 「地図にない場所」
 サトルは、見たこともない怪物の姿にゴクリと唾を飲みこみました。すると、サトルに気がついたのか、鳥の怪物がちらっとサトルを見たような気がしました。サトルは、びっくりして、「あっ……」と、小さな声を出してしまいました。と、鳥の怪物は本当に二人に気がついて、先ほどまでとはぜんぜん違ったうれしそうな声を上げると、真っ逆さまに急降下してきました。

「ガッチ! 逃げろ――」

 サトルは、ガッチの肩を叩いて教えると、ガッチも「なんてこった……」と言って脇目もふらず、一目散に駆け出しました。けれど小さくなった体では、近そうに見える距離でも、決して思ったよりも近くはありませんでした。
 駆け出したと思う間もなく、鳥の怪物が鋭い爪で襲ってきました。サトルはすんでの所で、空中に舞い上げられる所でした。二人は、凸凹の地面を転がるように逃げましたが、なんとか食べてやろう、とこちらも死に物狂いで襲ってくる怪物は、なかなかあきらめようとしませんでした。
 サトルとガッチが追っ手から逃げ延びようとしていると、あわただしい物音に気づいて、群れていたほかの怪物達もが、二人を目がけて飛びかかってきました。

「くそったれ、食われてたまるかっ!」

 と、小石に蹴躓いたガッチの上に、手足のないミミズの竜が飛びかかってきました。ガッチは後ろ手に砂をつかむと、竜の目玉めがけてパッと浴びせかけました。竜は、砂をまともに両目に浴びて、クワォーと苦悶の咆哮を上げ、後ろにひっくり返りました。サトルは、ガッチが倒れたのを知らずに走っていましたが、竜の声に気づいてあわてて引き返して来ると、ガッチを助け起こして、一緒に走り出しました。
 その間にも、猛り狂った怪物達は、わんさか寄り集まってきており、二人にはもう一刻の余裕もありませんでした。
 いくつもの大きな顎に追い立てられるようにして、サトルとガッチは、やっとの事でイバラの森に逃げこむことができました。
 サトル達が体を低くしてイバラの根元近くに潜りこむと、空を飛んでいた一匹のセミに似た怪物が、猛スピードで襲いかかってきました。しかし、二人の逃げ足が予想以上に速かったのと、イバラの森が針のような茎を四方八方に張りめぐらせていたので、セミの怪物は、絶叫と共にイバラに張りつけになり、さながら自分から標本になったセミのようでした。

「ハァ、ハァ、ハァ……。やっと逃げられたぜ。あぶねぇ、あぶねぇ――」と、ガッチが汗をぬぐいながら言いました。

「あっ、ガッチ見てよ――」と、サトルは張りつけになったセミの向こうを指差しました。「ほら、あそこにも引っかかっている怪物がいるよ」
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地図にない場所(56)

2020-05-29 21:28:33 | 「地図にない場所」
 ガッチと同じ大きさになったサトルは、ねむり王のお城にたどり着けないことよりも、背が低くなって、変わってしまった状況に戸惑っていました。いくら歩いても先に進めないのは、ねむり王のお城が近づいてこないということで体験しましたが、草むらの中に住んでいる虫や動物達が、いつも見慣れている感じとはまるで違って見えました。いつも見ていた虫達や動物達が、驚くほど個性的で、ちょっとグロテスクな顔つきなど、自分がそうだと思っていたものが、もしかしたら間違っていたのでは、と目を疑うほどでした。
 二人は、日が暮れるまで延々と歩き続けて、やっと竹林のような草むらを抜け出すことができました。
 目の前には、ねむり王のお城の青い姿が、お日様の光にまぶしく浮かび上がっていました。しかし、やっとのことで草むらを抜けたにもかかわらず、またもや嫌な思いにされました。ねむり王のお城の前には、うっそうとした巨大なイバラの森が、お城の周りをぐるりと取り囲んでいるのでした。しかも、その周りには、ねむり王をつけ狙っているかのように、たくさんの怪物が群れていたのでした。
 草むらの陰から様子をうかがっているサトルは、その数の多さもさることながら、この世のすべての怪物が、ありったけここに集まったのではないかと思われるほどの光景に、目を奪われました。
 一見人間のようなのですが、上半身だけが魚の怪物、きれいな女の人のようですが、口には恐ろしい牙が生えていて、コウモリのような翼を持ったもの、長い耳をして亀の甲羅を持ったものや、火を吐くドラゴン、それにライオンに手をくっつけたような化け物など、ひとつひとつを見ていたならば、気づいた時には白髪の生えたおじいさんになっていそうでした。

「よし、サトル。あいつらに見つからないように、這っていこう……」

 ガッチの言うとおり、サトルは地面を這う虫になったようなつもりで、なるべく顔を上げないように、静かにイバラの森に向かっていきました。
 わずかな距離でしたが、たくさんの鳥の化け物が、頭の上を奇声をあげながら通り過ぎて行きました。四つ足の怪物が、目の前を通って行きました。その度に、サトルは生きた心地もせず、目をつぶって、ブルブルと震えながらひたすら我慢していました。しかし、それもイバラの森のそばまで来ると、そろそろ大丈夫かな、と思えるほど余裕が出てきました。サトルは、自分を素通りしていく怪物達を観察してやろうと、頭を低く身を伏せながらも、薄目を開けて様子をうかがいました。人とは似ても似つかない怪物だらけでしたが、サトルの好奇心が、そうさせたのでした。
 バサッバサッ……と、サトルの上に一匹の鳥の怪物が飛んできました。
 二人はなるべく見つからないように、地面に張りつくようにして、まるで死んだように動きませんでした。しかしサトルは、ちらっと顔を上げて頭上を仰ぎました。光線の加減で真っ黒い悪魔のように見える鳥は、ニワトリのような頭を二つ持ち、腹が減っているのか、お互いの頭を時たま突き合いながら、キンキンと響く奇声を上げて、二人の頭上でぐるぐる旋回していました。
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よもよも

2020-05-29 06:06:11 | Weblog
いやはや。

どうしても無性に喉から手が出るほど

スパゲッティが食いたくて、

レトルトのソースとパスタ買ってきて食べたんだけど

ひと晩過ぎた所でなんか腹が緩い??

捨てたソースの裏読んだら、

牛脂が入ってた。

どうも牛肉食べると腹緩くなるんで、

それが原因なんだと思うんだけど

ちゃんと調べてから買い物しなきゃダメだなって、

改めて思った。

でもうまかったなぁ、ミートソース。。
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地図にない場所(55)

2020-05-28 19:14:53 | 「地図にない場所」
 サトルもこくんとうなずくと、二人は一緒になって小屋の外に出ました。と、窓からのぞいていたのとは、まったく違う光景が目の前に広がっていました。窓から見えていたお城は、確かにはっきりそれとわかるほど、くっきりと青く浮かび上がっていましたが、外に出てくると、サトルをすっぽりと隠してしまうほど背の高い雑草が、そこいら一面に茂っているのでした。もちろん、ねむり王の青い城は、痛くなるほど目をこらしても、そよそよと揺れる草むらの隙間から、わずかに見え隠れするだけでした。
「これもきっと、ねむり王がやったのに違いないよ――」と、サトルは草をかき分けかき分け言いました。
「こりゃひでぇな。まるで密林だ……。注意しねぇと、自分がどこにいるか、さっぱりわかりゃしねぇぜ……」と、ガッチはサトルの頭のてっぺんに立って、辺りを見回しながら言いました。
 二人は、ズンズン、ズンズンと進んで行きました。けれども、ねむり王のいるお城はいっこうに近づかず、まるで、サトル達が近づいて行くにつれ、お城もそれに合わせるようにして、遠ざかっていくようでした。
「おかしいなぁ……」と、サトルが息を切らせながら言いました。
「――おかしいぞ、こりゃ絶対におかしい」と、ガッチがサトルから飛び降りて言いました。「サトル、なんか小さくなった気がしないか?」
「えっ?」と、サトルはガッチを振り返りました。すると、今まで自分の腰よりも低かったはずのガッチが、いつの間にか腰よりも背が高くなっていました。おかしく思って、周りの雑草を見回しましたが、雑草までもが、背を伸ばしたように見えました。
「どうしたんだろう……」と、サトルが心配そうに声を出しました。
「なんか変だと思ったけど、歩いて行くにつれてサトルの背が縮んでったみたいだ。でも、どうもおかしいのは、おれの大きさは変わってないって事だ――。ちっ、よくわかんねぇなぁ……」
 サトルとガッチは、ちょっとの間考えていましたが、立ち止まっていてもしょうがないので、ねむり王のお城に向かって、すぐにまた歩き始めました。今度は、ガッチはサトルの肩には乗らず、サトルの後ろについて、歩いて行きました。
「――おい、どうしたんだサトル」と、ガッチが遅れだしたサトルに言いました。
「なんかわかんないけど、いつものとおり歩いてるつもりなのに、だんだん遅れちゃうんだ」と、サトルが苦しそうに言いました。
「おや。そういや、また小さくなったみたいだぞ――」
「あっ!」と、サトルは悲鳴のような声を上げました。ガッチの言うとおり、確かに前よりも背が低くなっているのでした。腰のちょっと上ほどだったガッチの背は、今では胸の下ごろにまで高くなっています。ただでさえ背の高かった雑草は、もうそれは、木のように高く見えました。
 サトルとガッチが、さらに歩き続けると、サトルの背は、ほとんどガッチと差がないほど低くなり、周りの草も、もうもうと茂った竹林のようになりました。ねむり王のお城は、背丈の高くなった雑草によじ登らなければ、その姿を確認できませんでした。お城は、しかし先ほどと比べても、あいかわらず同じ大きさのままに見えました。
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よもよも

2020-05-28 06:07:34 | Weblog
いやはや。

ひさびさリモートなしの

在宅勤務1日やったけど、

もういいわ。

いつ連絡があるかもしれないってわずかな緊張感

ずっと維持したまま時間まで解放されないって

ちょっときついわ。

なので、終業時間になっていくらもしないうちにさっさと

行きつけの銭湯行って、

熱くて動けないくらいのお湯に浸かってリフレッシュ。。

やっと生きた心地がしたわ・・・。
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地図にない場所(54)

2020-05-27 19:15:05 | 「地図にない場所」
「……ねぇ、ガッチ」と、サトルがぽつりと言いました。「ねむり王って、一体どこに住んでるの?」
「は? どこに住んでるかって――」と、ガッチはサトルがなにかとんでもないことでも考えていそうなので、言わないでおこうと思いましたが、どうせなにもできやしないと思って、言いました。「ねむり王はな、ほら、あそこに見える城に住んでるんだ……。けっこうきれいな城だろ」
 ガッチは窓に駆け寄って、指を差しながら言いました。サトルもゆっくりと顔を上げ、うっすらと見える小さな青色のお城を見ました。
 サトルがお城を見ている横で、ガッチがにやりと笑いました。

「ヒッヒッヒッ……王様め。手足の生えた小屋に追われて、ほうほうの体で城に逃げこみやがった……」

 と、サトルが、にやりとしているガッチに気がつくと、
「……あっ、ねむり王な。さっきこの小屋に追われて、あの城に逃げこみやがったんだ。一人で外に出てるなら捕まえることもできただろうが、城の中に入っちまったんじゃ、追いかけていってもなぁ……」
 ガッチはウーンと首を傾げて、困ったような顔をしていましたが、チラッチラッと顔を上げると、サトルの様子をうかがっていました。
「よし! それじゃ行こう」と、サトルが立ち上がって、強い口調で言いました。
「そうだな、それじゃ行こう」と、ガッチはにっこりとうれしそうに言いましたが、自分の考えていることと、サトルの考えていることが違っているのに気がついて、聞きました。

「おい……。もしかして、あの城に行こうってんじゃないだろうな」

 ガッチは、肩越しにお城の方を指差しました。
「もちろんさ。いくら王様だって、悪いことをしたなら、きっちり責任とってもらわないと。みんなが困ってるんだから――」
「だから、どうなるってんだ。相手は王様だぞ。おれ達にゃ、しょせん手の届かない存在なんだよ。なのに、城に行ってどうするんだ」と、ガッチがサトルの話をさえぎって言いました。
「じゃあ聞くけど、どうやって帰るつもりなのさ。またあの川を渡るの? それに険しい岩山を何度も下りたり登ったり。――また怪物に襲われて、消えてしまったドアは結局もとどおりにはならないで、さまよい続けるの?」
 サトルが言うと、ガッチは急に険しい顔つきになりました。そばにいると、高ぶった心臓の鼓動まで聞こえてきそうでしたが、サトルの考えがもっともだと思ったのか、ガッチはうんうんとうなずきました。

「……行くしかねぇか――」と、ガッチが言いました。
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よもよも

2020-05-27 06:11:29 | Weblog
いやはや。

宣言解除になって1日経ったけど、

いい話聞こえなくない??

逆にクラスターとかって、

室内の感染増えてる気がするわ。

今朝は雨降りでひんやりしてるからいいけど、

ここんとこ北海道も暑くなって、

マスク付けてたら蒸れて具合悪くなるわ・・・。

なんか危なっかしいよなぁ。。

なにをやるにも手探りな感じが疲れるわXXX
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地図にない場所(53)

2020-05-26 19:33:34 | 「地図にない場所」

「いてててて……」

 サトルは、小屋が草原に衝突した際、あまりの強い衝撃に、思わずつかんでいた梁を放してしまいました。ゴロリと転がった小屋が、やっとの事で動きを止めると、転がった弾みで、どこかにぶつけた頭をさすりながら、ちょっと前まで小屋の壁だった床から、すっくと起き上がりました。
「――よいしょっ」と言って、ガッチはつかんでいた窓を離すと、サトルのそばにストン、と飛び降りました。
「サトル、大丈夫だったか?」と、ガッチが心配そうに言いました。
「大丈夫どころじゃないよ! アテテテテ……頭打っちゃったじゃないか。自分だけなんともないなんて、ずるいよ――」
「いやぁ、悪い悪い」と、ガッチが頭を掻きながら言いました。「別にしたくてやったわけじゃないんだぜ……ところでだ、サトル。おまえ、あいつ知ってるのか?」
「あいつって……あのヒゲの生えた変なヤツのこと?」と、サトルが眉をひそめて言いました。「ああ、知ってるよ。だって、ぼくはあいつにここへ落とされたんだもの。知らないわけないじゃないか……」
「――そうか」と、ガッチがくるっと背中を向けながら言いました。「それで、どうするんだ。あいつ、もう逃げちまったぜ……。やっぱり、また追うのか?」
「変なこと言うな……。当たり前じゃないか――」と、サトルがはっとして聞きました。「ガッチ、もしかして、あいつのこと知ってるの?」
 サトルは、ガッチに問いただそうと、立ち上がりました。
「ちょ、ちょ、ちょっ……、知ってるって言えば、知ってるけどな。まぁ、その、ちょっとだけなんだ」と、ガッチが顔の前で手を振りながら言いました。「――しゃあねぇな。あいつの名前はな、ねむり王ってんだ」

「ねむり王?」

「お前と初めて会った時に一度言っただろ。ドリーブランドには王様がいるって。そのねむり王――ヒゲの生えたヤツが、実は王様なんだ」
「じゃ、なかなか外に出てこないで、城の中に引っこんでるって、王様? あいつが? 信じられないよ――」と、サトルは言いながら、座りこんでしまいました。
「――わかったか。おれ達にゃ、とっても手が届かねぇんだ。わかったら、あきらめな」
 ガッチの話に、サトルはがっくりと肩を落としてしまいました。相手が王様では、とてもサトルの手に負えない代物でした。強力な軍隊はあるでしょうし、たくさんのお金も持っているでしょう。何人もの召使いがいて、王様のひと言で、食べ物から着る物まで、なに不自由なく気ままにできるのですから。そんな所へサトルが文句を言いに行っても、当の王様になど会うこともできず、お城の中に入ることもできなくて、虎のような怖い門番に追い返されてしまうのは、火を見るよりも明らかでした。サトルは、がっくりとうつむいたまま、しばらくなにも言おうとしませんでした。
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よもよも

2020-05-26 06:11:09 | Weblog
いやはや。

とうとう緊急事態宣言が全面解除されて、

薄野にもさっそくお客さんが戻ってきたらしい。

知事は慎重にも慎重にとかって呼びかけてたけど、

これもさっそく置いてけぼりにされてるね・・・。

考えりゃ、アルコールが入ると正確に判断ができないから、

車の運転はしちゃいけないのに、

ソーシャルなんチャラとかを守ってとかなんて、

判断できるわけなくない??

まぁ、何事もやってみなきゃわからんからね。

またぞろ第3波が来たとかって、大騒ぎにだけはなってほしくないわ。。

はぁ。

体育館も早く開放して欲しいXXX
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