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Yoz Art Space

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一日一書 275 海士の家は(芭蕉)

2013-12-12 20:15:46 | 一日一書

 

芭蕉

 

海士(あま)の家(や)は小海老にまじるいとどかな

 

35×17cm

 

 

【口語訳】

これが古来歌などに詠まれる海士の苫屋での仮寝かと思っていると

そこらのザルに入れてある小海老の中に、かすかに動くいとどが交じっているよ。

 

 

「いとど」は「カマドウマ」のこと。

この句の背景には、和歌の世界があるのですが

まあ、それはそれとして、海士小屋で旅寝していると

小海老に混ざって「いとど」がいたよ、というところに

何とも言えないリアルな旅情を感じたというところでしょう。

和歌の優美な世界には「いとど」などは登場しません。

俳諧の面白さですね。

 

 

 


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一日一書 274 門前の(凡兆)

2013-12-11 22:10:07 | 一日一書

 

野沢凡兆

 

門前の小家も遊ぶ冬至かな

 

35×17cm

 

 

【口語訳】 

冬至の日を祝ってお寺も休み。お坊さんたちも休んでいる。

その寺の門前の小さな店もお休みで、家の者たちものんびり遊んでいる。

 

 

江戸時代には、冬至の日はどの家も働かずに休んだそうです。

僧侶も一日の暇が与えられたとか。

この日から、日照時間が伸びるので、

生命の復活する節目として祝う習慣があったといいます。

 

 

しばらく、コラ書が続いて疲れましたので

力を抜いて、俳句など。

 

 

 

 


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一日一書 273 春と修羅 6

2013-12-10 20:52:49 | 一日一書

 

宮沢賢治「春と修羅」より

 

おれはひとりの修羅なのだ

 

 

きめてます。

賢治は、何といってもカッコイイ。

 

「春と修羅」のこの後は

いずれまた、ということで

連載はここまで。

 

 


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一日一書 272 春と修羅 5

2013-12-09 15:04:21 | 一日一書

 

宮沢賢治「春と修羅」より

 

四月の気層のひかりの底を

唾しはぎしりゆききする

 

 

四月にしては、写真が秋ですが

賢治の心の中の四月は、こんな風景かもしれない、

なんてコジツケて。

 

それにしても、賢治は何をこんなに怒っているのでしょうか。

 

根源的な怒り。

修羅の怒り。

なのか……。

 

 


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一日一書 271 春と修羅 4

2013-12-09 15:01:09 | 一日一書

 

宮沢賢治「春と修羅」より

 

いかりの苦さまた青さ

 

 

この詩のいちばんいいところ。

いいようのない腹立ちを覚えるとき

いつもこの詩句が口をついて出るのです。

 

 

 


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