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一日一書 135 味淡声希 1

2013-07-04 22:04:31 | 一日一書

 

味淡声希

 

「菜根譚」より

 

 

「菜根譚」は、中国の明末の思想家、洪応明の書いた本。

儒学を基本としながら、老荘思想や禅の思想を取り入れた処世哲学書とされています。

 

 

本文は以下の通りです。

 

風恬浪静中、見人生之真境、味淡声希処、識心体之本然。

 

風恬(やすら)かに浪静かなる中に、人生の真境を見、

味淡く声希(しず)かなる処(ところ)に、心体(しんたい)の本然を識る。

 

風波も安らかにおさまったような、

俗世間を離れたところにこそ

人生の真の姿を見ることができ、

淡泊な味を味わい、静かな声を聞くような

五官の欲望を脱去した境界のところにこそ、

心の本来の真実のありさまを知ることができる。

 

 

「希」は、希望の「希」でもありますが「まれ」とも読みます。

「声希」というのは、「静かな声」です。

 

もうすぐ選挙。

「声希」とはかけ離れた、大声ばかりが響き渡ります。

声高に語られることに真実はない。

嫌というほどこのことを思い知らされる季節です。

 

 

写真は、永平寺。 

ここでは静かに語られる人生の真実があるはずです。

 

 

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