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一日一書 387 走る少年

2014-08-23 15:23:41 | 一日一書

 

山本洋三「走る少年」より

 

半紙

 

 

高校生の頃に書いた詩。

 

全文は以下のとおり。

 

 

   走る少年

 

少年は

森の中を走る

朝露にぬれた下草を

そのやわらかい足でふんで走る

するどい朝の光線と

キンキンひびくミソサザイの歌を

背に受けて

全身の力を手と足にこめて走る

七色にかがやくしずくが

少年の額からとびちっていく

少年はなおも走る

静かな森に

少年の足音だけがこだまする

少年は走らずにはいられない

走って、走って、走りつづけて

深い、深い森の、いちばん奥に

すいこまれること

だだそれだけを夢見て

少年は

走る

 

 

この詩を、当時購読していた「蛍雪時代」の詩の欄に投稿したところ

入選して、紙面に掲載されました。

ぼくの詩が、商業誌に掲載されたのは、これが最初で最後でした。

 

この詩は、臆面もなく詩の授業で「参考作品」として生徒に読ませたり

エッセイのネタにもしたような気もしますが、

今、あらためて読むと、もちろん、それほどいい出来ではありません。

 

最後の方が、くどくて、センチメンタルになりかかっている。

ただ、朝のさわやかな気分は、

わりとよく表現できているようにも思えます。

「ミソサザイの歌」などは

丹沢でよく耳にしていたので、実感です。

 

自分で書いた詩ですから、改変は自由。

今回は、こんなふうに一部を改変してみました。

 


 

■本日の蔵出しエッセイ 色鉛筆は夢見る(1/88)

「夢見る」ことについて

 


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