火曜日
前日の夜にビリーから頼まれて、急遽水曜日のプレゼン用に担当外プロジェクトの1:100模型をつくることになる。担当しているプロジェクトのほうは現場への指示が一段落したところだったので、朝から作業を始める。幸いにもミーティングルームが終日空いていたので、ホールデンとふたりで模型材料を広げて一日中模型をつくった。
以前インターン生がつくった模型を補修し、ホールデンのスケッチをもとにパブリックスペースのディテールを加えていく。ホールデンはときどき僕のつくる模型の回りを歩き回りながら、つくった部分を壊したり、自分でもスチボを切って接着剤で貼付けたりしている。模型をつくるのは健康のためにも必要だよ、と言うホールデンと、さながら一緒にジョギングしているような気分。様子を見に来たビリーが「やっぱりね。コミの助けが必要だと思ったんだよね!」と言って出て行ったあとに、「そういえばイギリスを去るんだって?」とホールデンに話を振られる。帰国前にロンドンで計画しているレクチャー企画のこと、ミュンヘンにしばらく滞在すること、日本に帰ったらすること、いろいろと話させてもらうことができた。
夜、コントラクターとの飲み会が予定されていたのだが、そちらはキャンセルして同僚とディレクターに出席してもらい、僕は夜までホールデンとふたりで模型をつくり続けた。「つくってはじめてわかる発見がたくさんあったよね!一日でこんなに進むなんて!」とホールデンが言ってくれて終了、帰宅。
水曜日
朝早めに出社し、いくつか模型の気になっていた部分を修正する。9時半、ビリーが到着。「セットアップまで手伝ってくれ!会場で模型の補修も必要だし!」ということになり、現場の方も落ち着いているので大丈夫だろうと思い、僕もミーティング会場までタクシーで同乗することになる。
タクシーの中でクリスマス会の話などをひととおり話したあと、「この間のメールの件だけど…」と僕が退社する件の話になり、Practical Completionとそれに付随するSnagging List(やり残しリスト)の取りまとめまでをもって退社するのがよいだろう、とビリーも言ってくれた。日本への帰国航空券は早めに確定しなければならないが、間にドイツ滞在を挟むことによって離英のタイミングをフレキシブルにできるのは良いアイデアだと。「何年いた?4年くらいだっけ?」「7年弱です。振り返ってみれば長かったですけど、時間は早く過ぎました」「…」「最初にもらったタスクはコンペのための敷地模型づくりで、毎晩のように敷地に通って既存建物の写真を撮ったのを覚えてます」
行き先を指定するとタクシー運転手は一瞬「え?」という顔をしたあとに、正面玄関に停車してくれた。受付に到着するとビリーは、深刻な顔をして「今朝ショッキングなことがあったんだよ」と奥さんから送られてきた教会で聖歌を歌う娘さんの写真を見せたあとに、「本当は今頃娘の晴れ姿を見ているはずだったのに、ミーティングのせいでこれさ」とタクシーの座席から撮った渋滞の車列の写真を見せて先に到着していたメンバーを笑わせている。
まだセットアップの時間に余裕があるということで、ビリーは受付に言付けして僕を大会議室に入れてくれた。そこにはこのエリア一帯の1:100の巨大な敷地模型が部屋いっぱいに置かれ、すでに開発が決まっている敷地には既存ではなくその提案の模型が置かれていた。僕が7年前に敷地模型をつくって立面図を描きコンペに勝ったビル、そして昨日ホールデンと模型をつくったビルが、並んで建っていた。それは、このエリアの開発を締めくくる最後のピース、絶好のロケーション。このエリアの将来のための重要な意思決定が行われるこの部屋で、僕らのつくった建築はすでに敷地のコンテクストとなってその他の意思決定に影響を与えている…。会議室を出ると、ビリーは模型の補修道具を受け取ってあっさりと僕を帰してくれた。狐につままれたような、少し興奮した気持ちのまま会社へ戻る。
午後は、現場のプロジェクトに戻り、いくつかの緊急ではない未決事項の処理。夜、クリスマスの挨拶に元同僚シャーマンが訪ねてくる。彼の勤務先に近い僕の現場をときどき見てくれているらしく、「順調だね!もうすぐだね!」と激励してくれた。同じく会社に残っていた古くからの同僚ジェームスと三人でしばし談笑。狐に襲われてしまったペットのウサギを守るためにジェームスが設計しているというシェルターを見せてもらったりして、少し懐かしい感じ。ほどほどで帰宅し、夜は部屋でのんびりする。
前日の夜にビリーから頼まれて、急遽水曜日のプレゼン用に担当外プロジェクトの1:100模型をつくることになる。担当しているプロジェクトのほうは現場への指示が一段落したところだったので、朝から作業を始める。幸いにもミーティングルームが終日空いていたので、ホールデンとふたりで模型材料を広げて一日中模型をつくった。
以前インターン生がつくった模型を補修し、ホールデンのスケッチをもとにパブリックスペースのディテールを加えていく。ホールデンはときどき僕のつくる模型の回りを歩き回りながら、つくった部分を壊したり、自分でもスチボを切って接着剤で貼付けたりしている。模型をつくるのは健康のためにも必要だよ、と言うホールデンと、さながら一緒にジョギングしているような気分。様子を見に来たビリーが「やっぱりね。コミの助けが必要だと思ったんだよね!」と言って出て行ったあとに、「そういえばイギリスを去るんだって?」とホールデンに話を振られる。帰国前にロンドンで計画しているレクチャー企画のこと、ミュンヘンにしばらく滞在すること、日本に帰ったらすること、いろいろと話させてもらうことができた。
夜、コントラクターとの飲み会が予定されていたのだが、そちらはキャンセルして同僚とディレクターに出席してもらい、僕は夜までホールデンとふたりで模型をつくり続けた。「つくってはじめてわかる発見がたくさんあったよね!一日でこんなに進むなんて!」とホールデンが言ってくれて終了、帰宅。
水曜日
朝早めに出社し、いくつか模型の気になっていた部分を修正する。9時半、ビリーが到着。「セットアップまで手伝ってくれ!会場で模型の補修も必要だし!」ということになり、現場の方も落ち着いているので大丈夫だろうと思い、僕もミーティング会場までタクシーで同乗することになる。
タクシーの中でクリスマス会の話などをひととおり話したあと、「この間のメールの件だけど…」と僕が退社する件の話になり、Practical Completionとそれに付随するSnagging List(やり残しリスト)の取りまとめまでをもって退社するのがよいだろう、とビリーも言ってくれた。日本への帰国航空券は早めに確定しなければならないが、間にドイツ滞在を挟むことによって離英のタイミングをフレキシブルにできるのは良いアイデアだと。「何年いた?4年くらいだっけ?」「7年弱です。振り返ってみれば長かったですけど、時間は早く過ぎました」「…」「最初にもらったタスクはコンペのための敷地模型づくりで、毎晩のように敷地に通って既存建物の写真を撮ったのを覚えてます」
行き先を指定するとタクシー運転手は一瞬「え?」という顔をしたあとに、正面玄関に停車してくれた。受付に到着するとビリーは、深刻な顔をして「今朝ショッキングなことがあったんだよ」と奥さんから送られてきた教会で聖歌を歌う娘さんの写真を見せたあとに、「本当は今頃娘の晴れ姿を見ているはずだったのに、ミーティングのせいでこれさ」とタクシーの座席から撮った渋滞の車列の写真を見せて先に到着していたメンバーを笑わせている。
まだセットアップの時間に余裕があるということで、ビリーは受付に言付けして僕を大会議室に入れてくれた。そこにはこのエリア一帯の1:100の巨大な敷地模型が部屋いっぱいに置かれ、すでに開発が決まっている敷地には既存ではなくその提案の模型が置かれていた。僕が7年前に敷地模型をつくって立面図を描きコンペに勝ったビル、そして昨日ホールデンと模型をつくったビルが、並んで建っていた。それは、このエリアの開発を締めくくる最後のピース、絶好のロケーション。このエリアの将来のための重要な意思決定が行われるこの部屋で、僕らのつくった建築はすでに敷地のコンテクストとなってその他の意思決定に影響を与えている…。会議室を出ると、ビリーは模型の補修道具を受け取ってあっさりと僕を帰してくれた。狐につままれたような、少し興奮した気持ちのまま会社へ戻る。
午後は、現場のプロジェクトに戻り、いくつかの緊急ではない未決事項の処理。夜、クリスマスの挨拶に元同僚シャーマンが訪ねてくる。彼の勤務先に近い僕の現場をときどき見てくれているらしく、「順調だね!もうすぐだね!」と激励してくれた。同じく会社に残っていた古くからの同僚ジェームスと三人でしばし談笑。狐に襲われてしまったペットのウサギを守るためにジェームスが設計しているというシェルターを見せてもらったりして、少し懐かしい感じ。ほどほどで帰宅し、夜は部屋でのんびりする。
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