ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

壮行の海鮮パスタ

2014-01-24 00:38:27 | ロンドン・hcla
プロポRの作業が一段楽したので、午前中はホールデンのレクチャーの準備を手伝う。大学での授業、招かれてのレクチャー、ホールデンがこれまでしてきたすべてのレクチャーがデジタル化されたものをホールデンはいつも持ち歩いている。その貴重なハードディスクドライブの中からデータをより分ける。ホールデンが暇さえあればアップデートしているマスタースライドは400ページ近くあるKeynoteで、今回はそこからホールデンと55枚に絞り込んだ。スライドのフッターには、直近の10回分ほどのレクチャーがタイトル・開催地・日付入りで列挙されている。ホールデンが少し申し訳なさそうに、でもニコニコしながら僕の机に来て新しいレクチャー依頼が入ったことを告げると、僕のレクチャー準備は、そのフッターの編集から始まる。タイトルと開催地名は現地語で書くので、フッターには様々なつづりが並ぶ。ホールデンは新しいひとたちに向けて話すことをいつも楽しみにしているので、レクチャー準備はいつも楽しい。

昼飯は新谷さん田中さんに誘われて近所のイタリアンDelfinoへ。僕の離英が近いということで、壮行会的なものに。離英(渡独)が延びたのでまだこれからも会う機会はあるのだろうけど、当初の予定通りやろうということで、餞別として店でいちばんおいしい海鮮パスタをご馳走していただく。群馬の話などひととおりしたあと、ロンドンでやり残したことを3つ挙げてくださいと問われる。考えたこともなかったのだが、意外とすんなり3つは思い浮かんだ。

1つ目は、プロジェクトの始まりから竣工まで見届ける、という経験がひとつしか得られなかったこと。プロジェクトが始まってから4年経っているので、最初から最後まで見れたこと自体が稀有な体験だったし、このプロジェクトを通じて経験できたことはどれも自分にとって新しいことばかりだったが、その経験を踏まえての「次」を経験することができなかった。現場までを担当した人間が経験を還元せずにそのまま去ってしまうのはHCLAの同僚にとってもいいことではないと思うので、プロジェクトの終わりに予定されている会社内レビューを、自分の経験をまとめるためにも有意義に使いたい。
2つ目は、ホールデンを日本に招くことができなかったこと。TUMのホールデンが東工大と共同ワークショップを開いてmicro compact homeを開発していたのは10年以上前。僕がロンドンにいる7年弱の間にもmicro compact homeを建てたいという話が日本からあったりもしたし、機会があれば日本でお世話になった先生とホールデンとで共同ワークショップやセミナーを企画できないかと画策はしていたのだが。
3つ目は、ロンドンで会社を設立すること。ビザが労働ビザから永住権ビザに切り替わったとき、僕はロンドンで起業もできる自由を持つことになった。以来、将来ロンドンでも仕事ができるように、基礎を打ってから帰ろうと考えてきたのだが。

SHARISHARISHARIで出会った仲間たちとの経験は、1つ目のやり残したことをある面では補ってくれた。キネティカアートフェアに連続して参加できたことや、メンバーを変えながら継続して活動してこれたことで。2つ目のやり残したことは、3月半ばに企画中のセミナーDが実現すれば半分くらい達成されるかもしれない。3つ目のやり残したことは、達成に向けて準備中。やり残さずに帰りたい。

午後は現場のプロジェクトに戻り、Metalworkerからあがってきた情報をもとに最後の外装エレメントの詳細を詰める。晩飯休憩を挟んで、夜半前まで作業。

終業後はコンペTの作業。今日敷地調査へ行ってきた父たちからさっそく調査レポートが共有されてきた。
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