ロンドンが舞台の『スライディング・ドア』という映画をふたりで観た。地下鉄に駆け込んだ主人公の、間に合った場合と乗り遅れた場合、それぞれのその後の人生を対照させながら綴るラブストーリー。「閉まりかけたドア」が分けた運命の行方を描きながらも、紆余曲折を経て最終的に主人公は同じ未来にたどり着く・・・。
夕方、駒沢大学駅で待ち合わせ、かわしまくんのsykの現場をけいかくんと一緒に見せてもらう。去年の3月31日。留学からの帰国便で乗り合わせたけいかくんと一緒に大学に立ち寄り、たまたま大学へ来ていたかわしまくんと居合わせたことがきっかけで、けいかくんがオランダに研修にいくまでの2ヶ月間、三人でコンペをすることになった。それからちょうど一年がたった今日、偶然にも僕ら三人はまたひとつの場所にいたのだった。明日からは、また三人がばらばらになる。いくつもの「閉まりかけたドア=人生の分岐点」に出会った気がする、不思議な一年だった。
昨日はふたり、横浜でREのパフォーマンス『ソフトアーキテクチュア@1929』を観た。照明が落とされ薄暗いBankArt1929のがらんどうの中を、一人の女性ダンサーが身体をくねらせ踊る。コンピュータ制御された照明の明滅と、窓の外から台車の人力で引き動かされる照明装置と、行き交う自動車のヘッドライト、大きな窓が切り取るみなとみらいの夜景。グレン・グールドのピアノと、同時録音された彼のうなり声のような鼻歌と、うっすらと聞こえる周囲の環境音、ダンサーの吐息。ソファに腰掛けた、会場にいる十数人の僕ら観客も舞台の中に取り込まれていく。窓の外から、通りかかった人が背伸びして覗きこむ。周囲の都市景が溶け込んだ、はかなく・こわれやすいソフトアーキテクチュアは、都市の中へとしみ出していく。

しばらく会えなくなるから、ミロスラフ・サセックの『This is London』をプレゼントすることにした。チェコ人のイラストレーターが細かな発見に満ちた視点でロンドンの全てを解説する絵本。少しでもロンドンを近くに感じてくれるように。
閉まりかけたドアの向こうになにがあっても、揺るがない未来はあると僕も思うから、ひとつひとつの決断や偶然に、必要以上に後悔も期待もしないつもりである。
ブログのタイトルについて、渡英するのにそのままでいいのかと問われることがある。僕はミュンヘンという言葉がその本来の目的を失って「尾てい骨」のようになればいいと思っている。なぜミュンヘンなの?と問われるくらい遠くへ行きたい。いつか、そのきっかけがミュンヘン留学だったと振り返るためのタイトルだから。
渡英前夜。千葉の弟の部屋に泊まる。夜中に弟がかき鳴らすギターの音を聞きながら、けしてそんなつもりの曲ではないはずだろうに、妙に気分が高ぶっている。
夕方、駒沢大学駅で待ち合わせ、かわしまくんのsykの現場をけいかくんと一緒に見せてもらう。去年の3月31日。留学からの帰国便で乗り合わせたけいかくんと一緒に大学に立ち寄り、たまたま大学へ来ていたかわしまくんと居合わせたことがきっかけで、けいかくんがオランダに研修にいくまでの2ヶ月間、三人でコンペをすることになった。それからちょうど一年がたった今日、偶然にも僕ら三人はまたひとつの場所にいたのだった。明日からは、また三人がばらばらになる。いくつもの「閉まりかけたドア=人生の分岐点」に出会った気がする、不思議な一年だった。
昨日はふたり、横浜でREのパフォーマンス『ソフトアーキテクチュア@1929』を観た。照明が落とされ薄暗いBankArt1929のがらんどうの中を、一人の女性ダンサーが身体をくねらせ踊る。コンピュータ制御された照明の明滅と、窓の外から台車の人力で引き動かされる照明装置と、行き交う自動車のヘッドライト、大きな窓が切り取るみなとみらいの夜景。グレン・グールドのピアノと、同時録音された彼のうなり声のような鼻歌と、うっすらと聞こえる周囲の環境音、ダンサーの吐息。ソファに腰掛けた、会場にいる十数人の僕ら観客も舞台の中に取り込まれていく。窓の外から、通りかかった人が背伸びして覗きこむ。周囲の都市景が溶け込んだ、はかなく・こわれやすいソフトアーキテクチュアは、都市の中へとしみ出していく。

しばらく会えなくなるから、ミロスラフ・サセックの『This is London』をプレゼントすることにした。チェコ人のイラストレーターが細かな発見に満ちた視点でロンドンの全てを解説する絵本。少しでもロンドンを近くに感じてくれるように。
閉まりかけたドアの向こうになにがあっても、揺るがない未来はあると僕も思うから、ひとつひとつの決断や偶然に、必要以上に後悔も期待もしないつもりである。
ブログのタイトルについて、渡英するのにそのままでいいのかと問われることがある。僕はミュンヘンという言葉がその本来の目的を失って「尾てい骨」のようになればいいと思っている。なぜミュンヘンなの?と問われるくらい遠くへ行きたい。いつか、そのきっかけがミュンヘン留学だったと振り返るためのタイトルだから。
渡英前夜。千葉の弟の部屋に泊まる。夜中に弟がかき鳴らすギターの音を聞きながら、けしてそんなつもりの曲ではないはずだろうに、妙に気分が高ぶっている。