顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

今年は早い偕楽園のツツジ…サツキとの違いは?

2023年04月22日 | 水戸の観光

水戸市の偕楽園では、この時期には園内の380株のつつじが咲き誇りますが、今年は2週間ほど開花が早く、例年ゴールデンウイークが満開なのに、19日現在でほぼ八分咲きくらいになっていました。


メインは見晴らし広場の好文亭寄りに植えられた真っ赤なキリシマツツジの群生です。


樹齢300年以上の古木もあり、天保13年(1842)の開園時に薩摩藩からおくられたともいわれています。


しかし、この群生は寄る年波には勝てず、年々株が弱ってきています。19年前の2004年に撮った写真(上記)と見比べてみると良く分かります。


園内にはこの他にオオムラサキツツジ、ヒラトツツジ、ドウダンツツジなどのツツジがあり…、その中にはサツキも150株あるとされますが、その区別が良く分からないツツジとサツキの違いを調べてみました。


その違いをまとめると上図のようになります。しかし、咲く時期も今年はずい分変わってしまい、また花や葉の形、雄しべの数も例外があったりして、区別がとても難しいと感じました。
どちらもツツジ属ツツジ科、無理に区別は必要ないかなと、あきらめが早いのは幼いころからの仙人の習性です。


こちらは雄しべの数6本以上なので、「ツツジ」でしょうか。


こちらは雄しべが5本なので「サツキ」?ツツジより花期が1か月くらい遅いはずですが…



ところで好文亭奥御殿の「躑躅の間」の襖絵には、真っ赤な多分?キリシマツツジと白いツツジが描かれています。10畳のこの部屋は、来園された藩主夫人のお付の御女中の部屋として使われました。

ツツジやサツキは、日本古来の植物で万葉集にも8首詠まれており、そのうちの「岩ツツジ」と詠まれているのは、サツキのことだといわれています。



さて、花の時期は賑やかだった梅林の梅は、いま小さな梅の実が付いていますが人影は疎らです。


樹の下には、セイヨウタンンポポの群落です。偕楽園を創設した斉昭公は、外国勢力に備える国防の重要性を主張しましたが、すっかり外来種に占拠されています。


新緑に覆われて園内では、いつもと違った魅力の一端を見ることができます。


外来種のマツバウンラン(松葉海蘭)は、繁殖力が強く厄介な雑草ですが、咲く姿は可憐です。もう園内にも侵略の手を伸ばし始めていました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿