この近辺で見る今年の紅葉は、殊の外きれいに仕上がっている気がします。
偕楽園公園のもみじ谷の入り口では真っ赤な色が迎えてくれます。
もみじ谷最奥の林では、まだ緑色が混じっている木もあり、童謡「秋の夕日に照る山紅葉、濃いも薄いも~♬」のメロディーが自然と口に出てきます。
水戸の桜の名所、桜山のサクラもほとんど散ってしまいましたが、残った真紅の葉を見付けました。
傍らの萩の枝もひかえめに黄葉しています。偕楽園ではこの枝を根元から切って、園内の柴垣(萩垣)の材料にします。
少年地代は口にしたガマズミの赤い実、酸っぱさだけで美味しかった記憶はあまり残っていません。
ツタウルシ(蔦漆)はウルシの何倍もの毒性を持つことがあまり知られていません。幹にからまって樹木を彩る様は、妖艶で美しいのですが…。
ケヤキ(欅)は新緑も黄葉もきれいですが、実家の大木を処分するのに多額の費用がかかった思い出があります。
近頃流行りの公園樹、モミジバフウ(もみじ葉楓)…絵の具箱をひっくり返したようないろんな色が混じっています。
カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)の分厚い葉も太陽に透かせて見ると赤い色素がよく見えます。
実の一つだに無きぞ悲しき…のヤマブキ(山吹)、黄色い花はやはり紅葉でなく黄葉するのでしょうか。
ゴンズイは赤い実のなる落葉樹、魚のゴンズイと同じ名前で、どちらも役に立たないというのが名前の由来という哀れな仲間です。確かに紅葉鑑賞には向いていません。
いわゆる雑木の種類はよくわかりませんが、多分これはミズナラ(水楢)?陽の光を浴びて黄金色に輝いています。
林の中でそこだけ赤い色が陽の光に透かされて手招きしていました。近づいて見ると、ヤマブドウ(ベニヅル)の葉です。
葉を落とす大風も吹かず好天が続きましたが間もなく師走、豪華絢爛なファッションショーも幕を閉じ公園は冬木立の中で眠りにつきます。
夕紅葉わが曳く杖の石に鳴り 大橋櫻坡子
落ち葉ふむこころに草鞋はきながら 松本雨生
しずけさは冬木の瘤に結集す 山田桂三
落ち葉ふむこころに草鞋はきながら 松本雨生
しずけさは冬木の瘤に結集す 山田桂三