先日、ビットコイン絡みでバグの記事を書きましたが、又しても同じように事件が起き、私の業界の常識では考えられない事だったので書いてみました。
今回の引用リンク先はサイエンスニュースラインの2013年10月6日の記事です。
タイトルは「ピアレビューなんて怖くない、嘘の論文を学術専門誌に投稿するとどうなるのか?」
そう、取り上げる事件とは、言わずと知れた今回の理研の論文問題についてです。
私の会社が属する華師大IT産業グループも取得レベルであるCMMIレベル3の検証プロセスエリアに於いても、ピアレビュー(peer、つまり同業同僚同識者による検証)を必須としています。
ソフトウェアの品質精度を保障する為に、我々ソフトウェア開発会社は、製造物に対して、必ずピアレビューを実施し、その欠陥予防を行っています。
これは、バグの記事でも書きましたが、人間の生物的欠陥である「自我を持つ事に起因する、主観による意識の囚われ」を補完する為の必須作業であり、同等以上の知識・技能レベルを持つ他者の検証を経ない製造物の製品化を防止しています。
この為、一種の著作物でもあるソフトウェア(この為に著作権法によって保護されています。)の剽窃や盗作が個人では出来ない組織管理環境であることの証明でもあり、製造管理レベルの裏づけともなっているのです。
では、何故、日本の権威ある研究機関でピアレビューのすり抜けが起きたのか?
問題は理研の組織管理ですが、仮にピアレビューが既定通り実施されていたとすると、組織としても責任を免れるものではないでしょう。
まぁこんな事、多かれ少なかれ公共予算での技術開発に関わる可能性のある(=理研のお世話になったり、学閥に属する)日本のソフトウェア会社の人間では絶対に書けませんが。
今回の一件、生命科学の分野ですが、日本の技術の根幹姿勢が問われている問題でもあります。