上海で日本語を話している中国の若者達

中国人に囲まれて日本語で通していく日常の出来事を書き綴っています。

EVが中国で期待されるもう一つの訳

2009年03月26日 | 趣味
EVの市場として最大化した中国ですが、EVの供給源としても最大になる理由が存在しています。
それは車載用の強力な電磁石を製造する為に必要な希少金属であるDy:ディスプロシウムが、ほぼ中国の領土内でしか産出しない!という理由です。
(Tb:テルビウムも同様で、全世界消費の90%を賄う優良なイオン吸着型鉱床が中国の領土内にあります。)
DyやTbは永久磁石(NdFeB磁石)の保持力を高め、磁石に耐熱性を持たせる重要な元素ですので、低コスト高出力のEVには不可欠です。
これからのEV時代、中国の資源が鍵になるのは間違いないでしょう。
(一つ問題があるとすれば、これらの鉱脈は、ある地方自治区に集中しているという事でしょうか。)
しかし、これらの鉱床からの希少金属資源が中国国内で使用されてしまうと、国際価格の高騰や流通量の減少を招くのは明白です。
そこで、技術大国ですが資源小国(膨大な海底鉱床は除く)の私達の日本は次の対策を打っています。
それが「元素戦略プロジェクト」と「希少金属代替材料開発プロジェクト」です。
文部科学省研究振興局基礎基盤研究課、ナノテクノロジー・材料開発推進室、経済産業省産業技術環境局研究開発課、製造産業局非鉄金属課による公募が昨年3月から始りました。
これは、現在の希少金属の使用量を30%以下に削減する新たな技術を開発し、資源問題に対処しようという政策です。
このプロジェクトが成功すると、EVには更に次の地平が開けてきます。