キキ便り

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アメリカの小学校便りーユニークな行事

2006-10-08 08:33:12 | アメリカ小学校事情
日ごと秋らしくなってきた爽やかな10月の始めに、小学校4年生の息子のクラスでキャンプをすることになった。午後から校庭に幾つかテントを設営して、寝袋を持ち込んで読書をしたり、雑談したりと楽しい時間を過ごした様子。夕方からは、親も招いてポットラックの夕食会。子どもたちは慣れない手つきでホットドックを金串に刺したものを、キャンプファイヤーの火でローストする。案の定、息子のホットドックは丸こげ。それでも自分で焼いたのがおいしかったのか、こげをとりながら、バンにはさんで嬉しそうに食べてしまう。
 その後は、この春行われた州統一の標準試験の結果の校長先生による説明会。これは小学校の3学年以上と中学生の子どもたちを対象とした毎年行われる共通試験。じつは、この日の前日、結果が渡された。息子はテストの結果があまり思わしくなかったのを知り、涙をほろほろ流してしまう。決して悪い結果ではないが、帰りのバスの中でクラスの友達に成績表を見られ、僕の方がスコアが高いぞ、とちょっといじめられたらしい。毎日努力して宿題もちゃんとやっているのに、という悔しさもあると思う。普段の小テストでは結構満点をもらってくるのに、こういう標準試験というスタイルになると、ひっかけ問題もあって、息子にはプレッシャーになるんだと考える。息子のように、高機能自閉症児(アスペルガーではない)の場合は、もっとストレートに分かるような問題を作って欲しい、などと親として思う。こんなに小さい年齢からテストの点数の心配をしているなんて、かわいそうになる。
 校長先生の説明会の後は、カリキュラムの夕べといって、子どもたちのクラスにいって、学習の成果を見せてもらう。小学校2年生の娘ははしゃいで、自分のクラスへ私たちを案内する。先生から渡されたリストに従って、ノートに書いた詩を朗読したり、作文を読んでくれたり、算数の問題の解き方を説明した掲示板を見せてくれたり、今クラスで取り上げている児童文学の作家について説明してくれる。そして最後には美術、音楽、体育、図書館、コンピューターのクラスへのツアー。イタリアのレッジョ・エミリヤとまではいかないが、子どもたちはそれぞれ誇りを持って、自分たちの学習の過程を親に披露するひとときとなっている。
 この日の締めくくりは、本小学校チアリーダーによるパフォーマンス。いつも思うが、アメリカの小学校で見せてくれる演劇やパフォーマンスは、お世辞でも上手とはいえない。日本の感覚からいって、練習したのかな?と思わせられるが、それでも観客がにぎやかな喝采を送ることで、一つのエンターテイメントとして成り立っている。こういった日があることで、普段は学校から遠のいている親たちも、学校と連帯感を感じることになるのかもしれない。
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2 コメント

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Unknown (mayu)
2006-10-08 17:16:09
小さい頃からテストの成績を気にして過ごすのは本当に大変ですね。今私の周りにいる中学受験のお母さんたちを見ていると、10歳にして塾で弁当の夕食、夜12時まで勉強の毎日を過ごさせなければいけない日本の教育制度に疑問を感じます。せめて中3くらいまではもっといろんなことにチャレンジしたり野山を駆け巡ったりして人間形成をして欲しいものですね。カリキュラムの夕べ、懐かしいです。親が子供の学校の様子を見れる良い機会ですよね。元気に学校に行っている様子が目に浮かびます。
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Unknown (キキのしっぽ)
2006-10-10 06:19:22
コメントありがとう!日本の子どもたちの方がもっと大変ですよね。そう思うと、1年に一度の共通試験くらい、たいしたことないですよね。
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