キキ便り

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いじめ自殺について

2006-11-16 04:55:03 | アメリカ便り
近日の日本でのいじめ自殺事件を読むにつれ、二人の子どもを持つ親としては、非常に心の痛む思いがする。マスメディアに脚色されながら報道されている部分もあると思うが、抜け道を失って瞬間的に死を選んでしまう人たち、寂しくやるせない気持ちでいっぱいになる。

 うちの軽度の自閉症の息子も、パニックになったり、腹が立ってたまらない時、死んでやるという暴言をこれまで何度も吐いてきた。走っている車や家の窓から飛び降りる真似をし、夫と私にとっては、はらはらさせられどうしだった。もし誤って、体の方が自制より先に反応したら、取り返しのないことになってしまう。いろいろな専門家に相談してカウンセリングを受けたりしたこともあった。

 また、完ぺき症であるがゆえに、落ち込みもひどく、ちょっとしたつまづきが、人生の最後であるように感じる時もあるらしい。そういう時に、死にたいとなきじゃくる息子の姿を見て、もう少しライトに物事を考えられたら、どんなに楽になるんじゃないかと痛感する。性格や気質、そして障害はそんなに簡単に改善できるものではないので、周りの人たちのサポートが非常に大切になってくる。

 こういう一連の事件が、周りの人たちに思いやりと理解を持った接し方ができるような教育につながればいいと願うばかりである。また、強くなれ、と言われても人間は強くなれるものではなく、まず自分の弱さを認めるところからスタートするのではないかと思う。そうすると、自分は強い人間だからと自負している人こそ、周りの人を知らず知らずのうちに傷つけているのかもしれない。私も答えの出ない問題であるが、子どもと一緒に考えていきたい。

 
コメント (1)
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