「おおとうのみやあさひのよろい」と読みます。
明治時代以来121年ぶりの上演の文楽だそうです。
12月の国立劇場・文楽公演を見てきました。
ちょっと疲れ気味ってのもあって、見たかった「大塔宮」だけ。
ホントは「大塔宮」のあとに「恋娘昔八丈」(城木屋お駒)がつきますけどね。
鎌倉宮で神としてもまつられている「護良親王」(大塔宮)とその敵である六波羅方の武士「斉藤太郎左衛門」一族の悲劇を描いた5段物だそうです。
その中で、斉藤太郎左衛門が後醍醐天皇とその第9皇子を助けるために、自分の娘や娘婿の名誉のために孫を殺す場面を中心にした2つの場面が上演されました。
大塔宮について描いた芝居ってのは、記憶にないなぁ。
「実盛物語」みたいに、敵役のおじいさんが、ぶっかえりでいい人になるっていう感じのようで、でも、命を落とすのは孫。
「寺子屋」や「熊谷陣屋」のように自分の子どもを身代わりにするようでいて、殺されるのは別の子。
「菅原伝授」や「忠臣蔵」みたいに敵役の横恋慕があるけど、たいしたことなくて。
なんだかいろいろ趣向が似たものがないまぜになって、でも、全く別のものにしあがっていました。
おもしろいけど、間の筋をもう少し描いたほうが、それぞれの登場人物への思い入れも出てきて、芝居としてより深くなるような気がしました。
今回の2つの場面だけでは、斉藤にも、右馬頭にも、だれにも思い入れができない。
「身替音頭」の場面で、盆踊りを踊っている孫を一刀のもとに殺すんだけれども、子どもたちが輪になって踊る場面が珍しいし、美しい。
2人の親たちは、1人の親は、自分の子どもが殺されないように祈りつつ、主人の身代わりで殺せと心で叫んでいる。
もう1人は皇子の親として、殺されないようにと息をのんでいる。
そして、隠れてもう1人、孫を殺そうと踊る子どもを見るおじいさん。
このときの義太夫が三味線からはずれて「打て」と別の調子で語るところがおもしろいなぁって思いました。
この場面には4人の登場人物がいるんだけど、それぞれの人の親としての複雑な心持ちを描いていて、1人にスポットライトがあたるんじゃないのね。
1つの場面で4つのドラマがあるところが、ほかの芝居になくて、現代的な感じがしました。
これは歌舞伎にはなってないのかなぁ?
配役としては、寺子屋と似た感じで、仁左衛門または吉右衛門が右馬頭。妻の花園が魁春とか。斉藤は、老けすぎだけど吉右衛門か左団次?いや、吉右衛門がいいだろうなぁ。
三位の局は玉三郎でもいいかもね。
あぁ、ちょっと薄雪物語っぽいのかもしれない。
珍しいいいもの見ました。
これで、2013年のお芝居納めでした。
今年は歌舞伎座再開場で、いろいろ見たなぁ。
亡くなったり、悲しいことの多かった歌舞伎界だけど、来年は明るいことがいっぱいで、いいお芝居もいっぱい見られますように。
**************

明日が満月だそうです。

大きなお月さま。
皇居の上にあがって、きれいでした。
明治時代以来121年ぶりの上演の文楽だそうです。
12月の国立劇場・文楽公演を見てきました。
ちょっと疲れ気味ってのもあって、見たかった「大塔宮」だけ。
ホントは「大塔宮」のあとに「恋娘昔八丈」(城木屋お駒)がつきますけどね。
鎌倉宮で神としてもまつられている「護良親王」(大塔宮)とその敵である六波羅方の武士「斉藤太郎左衛門」一族の悲劇を描いた5段物だそうです。
その中で、斉藤太郎左衛門が後醍醐天皇とその第9皇子を助けるために、自分の娘や娘婿の名誉のために孫を殺す場面を中心にした2つの場面が上演されました。
大塔宮について描いた芝居ってのは、記憶にないなぁ。
「実盛物語」みたいに、敵役のおじいさんが、ぶっかえりでいい人になるっていう感じのようで、でも、命を落とすのは孫。
「寺子屋」や「熊谷陣屋」のように自分の子どもを身代わりにするようでいて、殺されるのは別の子。
「菅原伝授」や「忠臣蔵」みたいに敵役の横恋慕があるけど、たいしたことなくて。
なんだかいろいろ趣向が似たものがないまぜになって、でも、全く別のものにしあがっていました。
おもしろいけど、間の筋をもう少し描いたほうが、それぞれの登場人物への思い入れも出てきて、芝居としてより深くなるような気がしました。
今回の2つの場面だけでは、斉藤にも、右馬頭にも、だれにも思い入れができない。
「身替音頭」の場面で、盆踊りを踊っている孫を一刀のもとに殺すんだけれども、子どもたちが輪になって踊る場面が珍しいし、美しい。
2人の親たちは、1人の親は、自分の子どもが殺されないように祈りつつ、主人の身代わりで殺せと心で叫んでいる。
もう1人は皇子の親として、殺されないようにと息をのんでいる。
そして、隠れてもう1人、孫を殺そうと踊る子どもを見るおじいさん。
このときの義太夫が三味線からはずれて「打て」と別の調子で語るところがおもしろいなぁって思いました。
この場面には4人の登場人物がいるんだけど、それぞれの人の親としての複雑な心持ちを描いていて、1人にスポットライトがあたるんじゃないのね。
1つの場面で4つのドラマがあるところが、ほかの芝居になくて、現代的な感じがしました。
これは歌舞伎にはなってないのかなぁ?
配役としては、寺子屋と似た感じで、仁左衛門または吉右衛門が右馬頭。妻の花園が魁春とか。斉藤は、老けすぎだけど吉右衛門か左団次?いや、吉右衛門がいいだろうなぁ。
三位の局は玉三郎でもいいかもね。
あぁ、ちょっと薄雪物語っぽいのかもしれない。
珍しいいいもの見ました。
これで、2013年のお芝居納めでした。
今年は歌舞伎座再開場で、いろいろ見たなぁ。
亡くなったり、悲しいことの多かった歌舞伎界だけど、来年は明るいことがいっぱいで、いいお芝居もいっぱい見られますように。
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明日が満月だそうです。

大きなお月さま。
皇居の上にあがって、きれいでした。