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パンダ好きな私のある日の出来事

パンダが好きです。
そんな私の毎日の中で・・・
起こったこと。行ったところ。

糸桜@三越劇場(新派公演)

2016年01月27日 00時15分35秒 | 芝居
2016年の芝居初めは、新派でした。
歌舞伎は、歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場、浅草公会堂でかかってるけど、見に行ったのは国立劇場だけ・・・。
なんとなく心惹かれなくて・・・。

で、新派。
去年、古本屋で衝動買いした、河竹登志夫の「作家の家」を原案にした新作で、黙阿弥の娘・糸女と養子の繁俊、その妻の話。
新派の新作で、しかも、繁俊が月乃助ってことで、実はあまり期待してませんでした。
が・・・いやぁおもしろかった!!
何しろ、糸女をやった波乃がいい。
波乃はいつも新派の旧作で見てるけど、これまでの中でいちばんよかったんじゃないかなぁ。
波乃にあてて書かれてるようなところもあって、だぶる感じがするのと、そのせいかいきいきと演じてて自然で。

私は、新派の旧作が大好き。
脚本が古いってよく言われるけど、ロマンチックで、見ててわくわくする。
ほかの俳優にはできないというのもわかる。
新劇の俳優だと、演技がうるさくなるだろうし、歌舞伎俳優でも少し違うのかも。
新派俳優らしさというのが作品にはあってるというのもわかってるつもり。
でも、無理があるなぁというのをときどき感じたりもします。
それは、女性が主役をやってるということも影響してるかもしれない。
女形はどんなにおじいさんになっても、娘をやることができて、芸でみせてしまうけど、女優はその年齢年齢で、役がかわっていってしまうものだという気がします。
山田五十鈴、藤間紫、初代水谷八重子とか、女役者と言える人たちは別として。
新派は、若手の女優がいないから、無理があるなぁというのを感じることが多いんだと思います。

今回の新作は、そんな無理がない。
正直な舞台だと思いました。
新派らしさがないじゃんと言われればそのとおりで、文学座でもいいんじゃん?
そういう部分が新派が残っていく難しさなんでしょうね。

いずれにしても、今回は波乃がよかった。
月乃助は、歌舞伎のときの単調さがなくて、これまたいつもより生き生きとしてました。
この人にも当て書きされてる部分があったと思う。

歌舞伎の世界から、新派の名前をついで完全移籍というのにも驚いたなぁ。
今年は、去年よりも新派を見る機会が増えるかな。
古い作品もやるだろうし。

熱海五郎一座 プリティウーマンの勝手にボディガード@新橋演舞場

2015年06月07日 22時01分14秒 | 芝居
とっても気持ちのいい気候の日曜日でした。
金曜日は大雨(びちょびちょに濡れました・・・・傘さしてたのに、頭からずぶ濡れ)。
土曜日は、にわか雨。
で、日曜日は暑くもなく、寒くもなくで、いいお天気でした。

母と新橋演舞場に大地真央を見に行ってきました。

三宅裕司主催の「熱海五郎一座」(伊東四朗一座から派生)に大地真央が客演してます。
大地真央は、コメディエンヌなので、こういうコメディーのお芝居は合うはず。
3時間、ちょっとばかばかしいお話だけど、無条件に笑って楽しみました。
新橋演舞場よりももう少し小さな劇場のほうがいいのかもなぁ。

大地真央はダンスしたり、歌ったり、で、タキシードのようなスーツだったり、ドレスだったり、きれいでした。
大地真央のエニシングゴーズをまた見たいなぁ。

お芝居としては、数年前の剣さんの浅草公会堂のお芝居っぽい感じ。
実は、バックで出てる人たちがSETの人たちだったので、出てる人もかぶってたし。

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芝居後は、銀座をぶらぶら。
どうしてもめんどくさがりがちな母をつれてぶらぶら。
ぶらぶらするのも、もう無理なのかなぁ。
疲れちゃうみたいだし。気をつけないといけないなぁ。

6月は、お芝居見物やライブが続きます。
仕事も忙しいけど・・・・気分転換しつつ楽しみましょう。

歌舞伎座團菊祭昼の部と明治座昼の部「男の花道」(2015年5月)

2015年05月31日 21時10分01秒 | 芝居
もう6月になっちゃいました・・・・。
5月は2回歌舞伎を見に行ってきました。

1回は、歌舞伎座の昼の部。
菊之助の玉手御前で「合邦」。
菊之助・菊五郎で「天一坊」。

2回目は、明治座昼の部。
猿之助の公演で「男の花道」。

よかったのは、菊之助の玉手御前でした。
見たかったのは天一坊だったんだけど、思いのほか「玉手」がよかった。
歌さま、梅幸、芝翫の玉手を見てるんだけど、なんでかなぁ、これまで以上に義太夫の内容が入ってきたし、玉手の気持ちっていうのがわかったという気がしました。
俊徳への気持ちとか、両親への気持ちとか。
どっちかというと、色気よりも、両親の気持ちに重きをおいていたような気がします。
そこがしっくりきたのかもしれません。
一人娘を信じたい気持ちと、心配する気持ち、でも、許すことはできないという気持ち。
殺したくないけど、殺さなければいけないのか、というあきらめ。
そういう両親の思いと、そういう思いを両親にさせてしまった娘の気持ちというのが強く見えたような気がしました。
東蔵の母親もよかったと思います。

天一坊は、物語の作りからしょうがないのかもしれないけど、最初がおもしろくて、だんだんと先細りになるお話で、どうも盛り上がりに欠けるように思いました。
海老蔵が、思ったよりもあきらめが早くて、とっとと自害してしまうところもどうもわからないし。


明治座は、昼が猿之助一座。夜が愛之助。
昼を見ました。
最初に、市川右近の矢の根がつきます。
最近では、三津五郎で見たし、内容はどうってことはない荒事だけれども、その分難しい。
しかも、お正月づくしの内容を5月にやってしまう、季節違いというのが、ますます観客をおいてきぼりにしてきょとんをさせます。
お正月かせめて顔見世でしょう。
この演目が出せるのは・・・。
そういうのは守ってほしい。

3代目歌右衛門が大阪から江戸に下るときの逸話を元にした「男の花道」
元は、講談で、その後、長谷川一夫で映画になって、舞台になったものです。
たしか、大阪では、藤十郎がもう少し若い頃にやってた気がします。それを見たかったなぁ。
中車は、自分が歌舞伎で生きていくための役柄を見つけられたようです。
やはり無理に型ものをやるべきじゃないんでしょう。
ただ、まだまだ、変に歌舞伎的を気にしすぎて、おかしい動きやおかしな顔をします。
もう少し自然でいいんじゃないかなぁ?
歌舞伎とは言っても、人間のお話なわけだから。

猿之助としては、新しさを出すために音楽をつけているのかもしれないけど、いるかなぁ?あの音楽。
幕が下りるとき、決まるときに音楽がなるんだけど、もう少し純歌舞伎のもっていきかたでよかったように思います。

ただ、猿之助は、女形の線の細さをうまくだしていて、すごい人だなぁと思いました。
浴衣1枚のところなんか、後ろ姿がきれいだったもの。
うまく化けてる。

気になったのは、「歌右衛門」のアクセントかな?
演目の中でもゆれがあるようです。
大阪では「ウタ\エモン」、江戸では「ウタエモン ̄」だと思うし、おおまかにそうなってたんだけど、一部、大阪の仲間が平板になったり、江戸の人が中高になったり。
うちうちのアクセントは、中高なような気もするので、それも入ってきてばらばらになっちゃってるのかもしれません。
少し気になりました。

6月は、歌舞伎座を昼夜見ます。
新薄雪物語。
楽しみだなぁ。

宝塚花組公演「カリスタの海に抱かれて」「宝塚幻想曲(タカラヅカファンタジア)」

2015年05月23日 22時34分57秒 | 芝居
宝塚花組公演を見てきました。
明日海りおと花乃まりあのコンビで、大劇場公演では、コンビお披露目。
お芝居の脚本は大石静。大石静は宝塚の脚本2本目なのね。

久しぶり(とはいっても1月に見ましたけど)に見る宝塚は、なんだか「型」の芸能というのを強く感じさせました。
それは、出ている人たちが若いから、型がこなれていないからかもしれないなぁ。
この場合、歌舞伎で型がこなれていない感じと違って「よくない」とか「つたない」とかいうことではないんですけどね。
気の強い女主人公は、何かというと腕をウエストに置く、とか。
大人の女性は、やたらと抑揚のある声で、おどろおどろしく無意味にあやしい、とか。
男の主人公は、椅子に座ると不自然に足を全開、とか。
こまごましたところだけど、あぁ、こうして宝塚って伝承されてるのか、というふうに思っておもしろかった。

さて、お話は、宝塚王道。
しかも!!ずっこけるほどの展開でハッピーエンド。
絶対、どんでん返しがあると思ったのに、何もなくて、それはそれで想像できない展開だったので、びっくりでしたよ。

一兵卒みたいに出てくるナポレオンが、なにかひとくせありそうな顔するから、絶対こいつなんかやる!!と思ったら、何もしなかったし・・・・
女を取り合って裏切った、裏切らないとか言ってるから、絶対主人公殺される!!と思ったら、意外と物わかりがよかったし・・・・

ん~、そこがまた王道で「型」っぽいのかも。
大石静が思う宝塚。
そう、私が好きな宝塚なんじゃないのかなぁ。
と思わせる作品でした。

そして、今回、私は出会ってしまったんです。
かっこいい人見つけちゃった。
「柚香光(ゆずかれい)」。まだ若いのに3番手の男役です。
すごくかっこいい。すごくタイプです。
今度、オスカルもやるんですって。
すでに人気らしくて、チケットなんか買えないから、好きになったところで追っかけもできないけども・・・・
ちょっと注目しちゃうわ~。

ところで「カリスタ」とはどこのことなんでしょうか?
地中海の島で、フランス統治に置かれた島で、独立運動が行われている。
調べても出てこなかったんですが。
コルシカ島のこと?というコメントも見つけたけど、劇中でナポレオンの生まれを「コルシカ島」って言ってて「カリスタ」とは別物のようだったから、違うと思うんだなぁ。
架空のお話なんだろうか。

ショーは、衣装がタイプではなかったけど、ここでも柚香光堪能でした。

トップさんの明日海りおは、とってもきれい。かわいい。
若い組で、ひたすらキラキラと美しかったです。

歌舞伎座3月公演「菅原伝授手習鑑」昼の部

2015年03月15日 22時14分22秒 | 芝居
だんだんとあったかくなってきてます。
梅が咲いて、ゆっくりながらも、春が近づいてるようです。
もう2週間後には桜が咲くのかぁ。
お花見・・・どこか行きたいなぁ。

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歌舞伎座の昼の部を見てきました。
今月は「菅原伝授手習鑑」の通しです。昼の部は、加茂堤、筆法伝授、道明寺。
いやぁ、いいお芝居でした。

夜の部と比べると、こうも違うかというぐらい。
理由は結構簡単で、昼の部のほうがどの俳優もしっかり「ニン」だから。
夜の部の配役は、名前から考えて・・・とか、はたまた、将来的には・・・ね、という配役ですが、昼の部は、今やらせたらこれでしょう!!という配役なんです。
やっぱり、染五郎は、源蔵のニン。
壱太郎は、まだ赤姫がいい。
梅枝は、古風だから、戸波がいい。
今回はやってないけど、梅王は、愛之助じゃなくて、松緑だよね。

まず、加茂堤。
久しぶりにじっくり見ました。が、古風でいいね。あの場面、とてもかわいらしい。
平和な春という感じで、ここから悲劇が始まる、その発端としてよくできてる。
菊之助の桜丸の輝きと、梅枝の八重の古風でのどかな感じがとってもあってます。
梅枝は有望だなぁ。
賀の祝の八重はまだまだ難しい気がしたけど、加茂堤の八重はよかった。

筆法伝授。
魁春、仁左衛門、染五郎、梅枝。どれもいい。
この場面で、染五郎が源蔵がニンであることがはっきりわかります。
梅枝の石持ちの扮装を見てると、3代目時蔵の古風さってこんな感じなのか、と思わせます。これからが楽しみ。

道明寺。
秀太郎が覚寿。
秀太郎は、どうしても世話にくだけすぎてしまうのと、じゃらじゃらしてる感じがすると思ってたんだけど、今回、覚寿を見てたら、時代もしっかりできるんだということがわかりました。
丸本らしさというか、本行に戻ってるというか、しっかりとしてました。

どの場面も長くて、見るのはたいへん。でも見てよかった。
今回、見てよかったぁって思ったのは、加茂堤の雰囲気のよさを知ることができたのと、秀太郎を見直すことができたところかな。

次回の歌舞伎はまだ決めてないの。
4月の六歌仙観に行こうかなぁ。迷ってます。

そして、明日から、遅めすぎる夏休みです。
一週間、会社に行かないの。たぶん。

歌舞伎座3月公演「菅原伝授手習鑑」夜の部

2015年03月11日 23時59分03秒 | 芝居
久しぶりに歌舞伎座に行ってきました。
なんとなく見たい芝居がないままで、1月、2月の歌舞伎座はとばしてました。
国立劇場には行ったけど、歌舞伎自体1月以来です。
今月は、「菅原伝授手習鑑」の通し。
昭和63年、まだ歌舞伎を見始めのときに、歌舞伎座100周年で、大菅原とも言うべき「菅原伝授手習鑑」の通しを見ました。
道明寺の菅丞相が13代目仁左衛門。賀の祝は、先代権十郎が白太夫で、八重が扇雀。今の藤十郎。桜丸は、菊五郎だったかな。
よく覚えてます。
父が八重がいいってほめてたから。語り草みたいにいい八重だったんだなぁ。
この時の印象があまりにも強烈で、そのあとも若手で見たり、おそらく3回ぐらい通しでは見てるはずなんだけど・・・・
印象が薄いような。

今回は、昼の部がベテラン中心。
夜の部は若手での座組です。

昼も見る予定ですが、まずは夜の部から。
車引からです。
桜丸が菊之助、梅王・愛之助。松王・染五郎。時平が弥十郎。

賀の祝。
春・新悟、千代・孝太郎、八重・梅枝。
桜丸・菊之助、梅王・愛之助、松王・染五郎。
白太夫・左団次。

寺子屋。
源蔵・松緑、戸浪・壱太郎、菅秀才・左近、松王・染五郎、千代・孝太郎。

寺子屋の源蔵が世話にくだけすぎる気がしました。
そのせいで、少し軽い感じがしました。
松王も、型を意識するせいか、悲しみが伝わらない。
中では、孝太郎の千代が、年長だけに、いいと思いました。
よだれくりにしても、なんにしても、軽い寺子屋という印象でした。

歌舞伎って難しいんだ。
1日にしてはならないんだよね。

そう考えると、やはり、勘三郎と三津五郎というこれからの人たち、若手と上の人たちを結ぶ世代が、ごっそりいないということの意味というのが恐ろしく大きく感じられます。


白夜の誓い・Phoenix宝塚(宙組公演)

2015年01月12日 21時57分04秒 | 芝居
何年ぶりだろう?
宝塚を見てきました。
宙組の「白夜の誓い」と「Phoenix宝塚」。
トップ・鳳稀かなめのさよなら公演です。

鳳稀かなめは、新人のころに見たことがあるけど、役をしっかりやるようになってからは見てません。
いやぁ、新人のころに「宝塚おとめ」(生徒名鑑)を見てきれいだなぁって思った記憶があります。
冷たい感じのきれいさで、grayのテルに似てるなぁって思ったら、あだ名が「テル」だったっていうんで、すんごい覚えてるんだけど。
トップになってから、しっかり見たいなぁって思ってたら・・・誘ってくださる方がいて、なんとさよなら公演を見ることができました。

白夜の誓い。
スウェーデン王「グスタフ3世」(ベルばらのフェルゼンのときの王様)の一生をミュージカル化したものです。
結構、期待してたんだけど。物語として。
でも、終わり方が中途半端だったり、政治的な主張が今の時代のことを暗に言ってるようで、そこにちょっとひいてしまったり。
ノーブルな感じはとっても素敵で、衣装もきれい。コスチュームと美しさを楽しむということではとっても楽しかったぁ。

スウェーデンは、グスタフが死んでどうなっちゃうの?とか、すこ~しヒントが欲しかったなあ。
語らせるとか。朝夏まなとが最後カーテンの前に出るからそこで語らせるだけでも違うかも。

すごく前、星組の「紫禁城の落日」のときにもちらっと思ったことがあるんだけど、宝塚と政治的な主張の食べ合わせって、ちょっと悪いのかも。

専科の汝鳥れいが、家老みたいな役で出てたんだけど、安定の演技でした。
見終わって汝鳥れい、うまい!!とまず思ってしまいました。
若手の人たちのうなるような発声は、どうにか・・・。でも、だんだん、成長して聴きやすくなるんだろうけども。

鳳稀かなめは、同じ「かなめ」つながりで涼風真世の雰囲気のあるトップです。
ちょっと声を変えるところもそっくりでした。
そして、少し舌ったらずなところがあって、女性的なやさしい男性が似合うのね。
プログラムに光源氏に扮した写真があって「なぜ?」と思ったけど、芝居を見終わって・・・あああああ、光源氏合ってるかもと。

ショーは無条件で楽しい。
どんな内容でも宝塚のショーは楽しい。

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2015年初芝居が宝塚っていうのも珍しい1年になりそうな。
次は、歌舞伎。国立劇場に行きます。

伊賀越道中双六@国立劇場2014年12月

2014年12月21日 20時03分50秒 | 芝居
今年の芝居納めで、国立劇場に歌舞伎を見に行ってきました。
伊賀越道中双六の半通し。
通しは文楽で去年の9月に、そして歌舞伎で「沼津」を去年の11月にそれぞれ国立劇場でやっています。
今回は歌舞伎では44年ぶりという「岡崎」を中心とした上演。
沼津とまんじゅう娘はつきません。
発端がついているので、せっかくなら政右衛門とお谷のくだりを中心に、「まんじゅう娘」もやってくれるとよりわかりやすかったような気がします。

関所と岡崎は、文楽で見ています。
「岡崎」は、陰惨というか、暗いというか。
乳飲み子を父親が殺してしまうわけだから。
今回は、吉右衛門の政右衛門と芝雀のお谷で、とてもいいお芝居でした。
「陰惨」だと、歌舞伎では南北的な血みどろな感じが思い浮かんでしまうけど、そこは丸本の近松半二の作品だけあって、しっかりした親子の情愛を描いた場面になっています。
そこに、しっかりとした腕の俳優が演じているので、悲しさとか愛情とか人間らしい心も観客に伝わってきます。

吉右衛門は、膝が痛いようなそぶりがあって、心配になりましたが、動きよりも外で寒さに凍えるお谷への気持ちと、初めて見る息子への愛情とを、胆を見せすぎない程度に、それでもわかりやすく丁寧に演じていました。
芝雀もしっかり受けているので、政右衛門とお谷がとっても深い愛情で結ばれている夫婦であることが伝わりやすいと思いました。
文楽で見ると、政右衛門はなんだか勝手に敵討ちの助太刀して、奥さんや子どもを犠牲にする、魅力のない男に感じたんだけど、今回は、愛情面がしっかり描かれているので、政右衛門のよさ、かっこよさがわかりやすいかったかな。

菊之助が志津馬。
米吉がお袖。
幸兵衛に歌六。
女房に東蔵。
それに又五郎と、堅い人でかためていることもあって、全部の場面が見応えあり。
やや地味ではあるけれど、満席でした。
プログラムも充実で読みごたえありでした。

1月も国立劇場を見ます。
歌舞伎座は・・・どうしようかな?迷い中。

雷神不動北山桜@2014年12月歌舞伎座夜の部

2014年12月14日 23時52分04秒 | 芝居
12月の歌舞伎座夜の部を見てきました。
今年最後の・・・ではなく、来週、国立劇場を見て、今年の歌舞伎を納めます。

さて、歌舞伎座は海老蔵を中心として座組。
海老蔵と、右近たちの猿之助劇団の一部の人たちと玉三郎。
夜の部は、毛抜、鳴神、不動の3つの十八番が入っている出し物で、通し狂言です。
昭和62年、国立劇場で復活上演されたのを私見ています。
中学生の頃の私には、毛抜はわけがわからなかったし、鳴神の玉三郎はなまめかしすぎたし、不動の意味もわからなかった。
ただ、紙芝居のように変化があって、古風でおおらかでこういうのが歌舞伎なんだなぁって思った記憶があります。

毛抜は、亡くなった辰之助が復帰した演目でした。
その直後、結局亡くなったこともあって、強烈な記憶です。

今回の通しは、現代人にはわからない部分をちょっと変えたりして、よりわかりやすい作りだったように思います。
見た目で言うと、毛抜の磁石。
方位磁石だったり、U字磁石だったりするけど、今回は、鉄の棒のようなもので、より磁石っぽい。
方位磁石っていうのも古風で悪くないけど、あれじゃぁ、なんで毛がたってるのかわからないし。
鳴神で、滝から飛び立つ龍が大きくて、いっぱいにしてた。
あれも、鯉みたいなのがヒュッてのぼってくだけでわかりにくいからね。
鳴神までの流れでは、雲の絶間姫が文屋豊秀の恋人で、豊秀とそいとげるために鳴神をおとしに行くというのを、あくまでも勅命によるものということにしていました。
こうすると、豊秀が悪い感じにならないし、毛抜で豊秀の婚約者として出てくる錦の前の存在が邪魔にならない。
もともと、このお芝居は、大人の事情で約束を反故にされるってことが多いような気がします。
そもそも鳴神が朝廷を恨んだのも、天皇から頼まれて陽成天皇を男として生まれさせる祈りをして成功したのに、ご褒美をやらなかったからだし。
悪い人が実はそんなに悪くないっていう複雑さがあるような気がするのよね。
なのに、不動は、悪くない人を裁いてる感じがする。
そこを少しでもわかりやすくしてるんじゃないかなぁ、と思いました。

いろいろ演出に走ってるところもなくはない(特に不動)けど、全体的にはおもしろく見られました。
復活上演の演目として、しっかりとした脚本があるからなんじゃないかと思います。
1から作るというものではないのが、おもしろさの安定につながっていたんじゃないでしょうか。

海老蔵の毛抜を見ていて、おおらかさがまだまだという感じがします。
なかでは鳴神がいちばんのニンだと思いますが、これも、大きさがちょっとたりない。
ただ、最近の毛抜の中では、団十郎につぐし、これからが楽しみ。
毛抜ってばかばかしくて本当に難しいと思うから。

玉三郎の絶え間姫は安定のもの。
あでやかさと美しさ、運びの自然さはいいんですが、海老蔵とのコンビだとちょっと年上っぽすぎるのかなぁ。

幕開きは、忠臣蔵と同じように古式にのっとって、口上人形からの人形振り。
最後の立ち回りは、蘭平物狂い。
と、ちょっとしたところに、ほかの演目を取り入れていて、そういうのに気づくのもおもしろかったと思います。

海老蔵と玉三郎以外では・・・
獅童は、どうして歌舞伎的な処理ができないのかなぁ。
最近は、結構歌舞伎にも出られてるのに、ちょっとした動きが現代風になってしまって、歌舞伎をしようとしていない感じがします。

アダム・クーパーの「雨に唄えば」@シアターオーブ

2014年11月16日 00時07分25秒 | 芝居
いいお天気の土曜日。
渋谷にミュージカルを見に行ってきました。
「マシュー・ボーンの白鳥の湖」とか、映画「リトル・ダンサー」でも有名な、バレエダンサー「アダム・クーパー」主演の「雨に唄えば」。
ロイヤルバレエの元プリンシパルなのに、ミュージカル?!
バレエに限らず、舞台や映画に出てるのを知らなかったけど、この「雨に唄えば」はイギリスで上演されてたものなのね。

映画の「雨に唄えば」を元にしたミュージカルで、曲や物語は古き良きミュージカルらしいミュージカル。
無条件に楽しかった!!
前奏が始まって、自然と笑顔になるような感じ。
そして、帰り道に曲を口ずさみながら笑顔で帰る感じ。
あぁぁ、中学のとき、初めて宝塚見たときに感じだぁ。
こういう感覚が好きで、舞台を見てるんだよね、私。

アダム・クーパーのダンスを見てると、楽しそうで、軽やかで、プログラムにも書いてあったけど、語るダンス。
そして、1つ1つの姿が美しい。
雨の場面の水しぶきの飛び方すらも美しい。
バレエダンサーって、小道具の扱い方がきれいだと思うことがおおいんだけど、今回も、傘やらトランクから帽子やらの小道具の扱いがおしゃれできれいでした。
ああいうふうに踊れたら楽しいだろうなぁ。
私、マシューボーンの白鳥の湖を見てるんだけど、あれはアダム・クーパーだったんだっけか?

「雨に唄えば」は名作の映画と言われてるけど、実は私見たことない。
今度、見てみよう。

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ここのところ、忙しくて疲れ気味だったけど、こういう楽しい舞台を見ると、またがんばろうって思えます。
いや、あたし疲れてたんだな・・・と実感したってこともありますけどね。



劇場から見えた富士山。
ミュージカル専門劇場のシアター・オーブ。
もっともっと引っ越し公演のミュージカルを見たいなぁ。