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手続の妥当性については,どのようなことを検討する必要がありますか?

2011-05-15 | 日記
Q15  ④手続の妥当性については,どのようなことを検討する必要がありますか?

 ④手続の妥当性についてですが,裁判所は,使用者は労働者に対して整理解雇の必要性と時期・規模・方法について説明を行った上で,誠意を持って協議すべき信義則上の義務を負うと考える傾向にあります。
 要するに,使用者が労働者の理解を得るための努力をどれだけしたのかが問題となるわけですが,説明に十分な時間をかけず,資料の提示を行わず,抽象的な説明に終始したような場合には,この要素を満たさないと判断されることになります。
 会社の財務状況が極めて悪く,整理解雇自体は不可避であったとしても,労働者に対して人員削減が必要な理由の説明をすることはできるはずです。
 労働者にとって,失業するということは,労働者本人及びその家族にとって極めて重大な問題ですから,労働者の納得を得られる見込みであるかどうかにかかわらず,よく説明を行うべきと考えます。

弁護士 藤田 進太郎

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