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労働審判を起こされた場合に会社が押さえるべき3つのポイント

2019-01-17 | 日記

 

労働審判を起こされた場合に会社が押さえるべき3つのポイントを、会社側専門弁護士が解説します。

 

1.第1回期日までが勝負
 労働審判手続は,答弁書の提出期限までにどれだけ有効な証拠を集め,充実した答弁書を作成し,第1回期日に備えるかで,9割方勝負が決まります。
 答弁書の提出期限の変更は原則認められませんので,会社は,裁判所から労働審判申立書が届いたら,全力で答弁書を作成していく必要があります。また,労働審判を特定の弁護士に依頼したい場合は,すぐに弁護士に連絡し,第1回期日のスケジュールを確保してもらうことをお勧めします。
 労働審判は3回以内の期日で結論が出るとされていますが,実際の運用では,第1回期日で審理を終え調停に入ることが多く,第2回期日が開催される場合であっても,調停をまとめるだけに開かれるということも珍しくありません。
 第1回期日終了後に追加主張しようとしても,ほとんどの場合は認められませんので,労働審判申立書が届いたら,第1回期日に向けて,全力で準備していかなければなりません。

 

2.答弁書を充実させて期日の負担を減らす
 労働審判は第1回期日まででほぼ勝負が決まるため,充実した答弁書を提出することは極めて重要です。
 第1回期日で質問されそうなことは,できるだけ答弁書に書き込んでおきましょう。質問されそうなことを書きこんでおけば,期日当日の負担を減らすことができます。会社関係者は労働審判の期日に不慣れなことが多いため,期日では,緊張して事実を正確に伝えられないこともめずらしくありません。
 言いたいことが言えないまま終わってしまうことがないようにするためにも,事前に答弁書に言いたいことをしっかり盛り込んでおき,労働審判の期日に話さなければならないことをできるだけ減らしておくことが,最も効果的です。
 ただし,不必要にページ数の多い答弁書にならないよう注意しましょう。

 

3.直接体験した人が期日に出頭する
 労働審判期日では,労働審判委員会(裁判官1名,労働審判委員2名)から事実関係について質問されますので,問題となる事実関係について直接体験した人に出頭していただく必要があります。直接体験した人ではなく,報告を受けただけの人や,弁護士だけが出頭する場合,証言の証拠価値が下がり,事実認定の上で会社の不利益となってしまうことがあります。
 また,調停に応じるかどうかその場で判断できる立場の人も同行することが望ましいです。一旦会社に持ち帰らないと決められないというのでは,まとまる調停もまとまらず,長期間に渡り訴訟で戦う事態を余儀なくされる可能性が高くなります。調停に応じるかどうか判断できる人が出頭できないのであれば,せめて期日中は電話に出られるようにしていただき,調停に応じるかどうか電話で指示ができるようにしていただくことをお勧めします。

 

 

 

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会社経営者のための労働審判対応

 


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残業代を請求されたら、会社はどう対応すればいいのか【3つのポイント】

2019-01-17 | 日記

1.未払残業代見込額の算定
 残業代を請求された場合に必ずしなければならないのは,未払残業代見込額の算定です。なぜなら,未払残業代見込額が分からなければ,残業代を支払う必要があるのか,残業代を支払う必要があるとして何円支払う義務があるのか,どれだけ強気の交渉をすることができるのかといった判断ができないからです。

 明らかに未払残業代がない事案では,時間や労力を惜しんで,安易に和解金を支払うべきではありません。なぜなら,何の根拠がなくても,残業代を請求しさえすればお金が取れる会社であることを認めることになり,モラルハザードが生じかねないからです。
 未払残業代が発生している場合には,いつ,いくら支払うのかについての検討が必要です。間近い時期に和解,調停が成立する見込みがあるのであれば,会社の言い分をしっかり主張立証した上で,和解,調停が成立してから,合意した金額を支払えば足りるでしょう。他方,当面は和解,調停が成立する見込みがない場合は,会社が算定した未払残業代額見込額を早期に支払うことにより,遅延損害金の発生や付加金の支払を予防することを検討することになります。

2.他の社員への波及防止
 残業代を請求された場合に一番怖いのは,大勢の社員から追加の残業代を請求されることです。残業代請求してきた社員は,他の社員に残業代請求するよう促すとともに,自分の成果を誇示することがとても多いのです。残業代なんて興味がないような態度を取っていた社員であっても,例えば300万円も残業代を会社から取った社員がいるのだと分かった途端,手のひらを返したように,自分も残業代を請求してみようかと考えるようになることは決して珍しいことではありません。5人の社員に合計1500万円の残業代を支払わなければならなくなったとしたら会社にとって相当な痛手となることは間違いありませんし,零細企業であれば会社が潰れてしまうかもしれません。

 他の社員への波及を防止するためには,1人から残業代を請求されたら直ちに,賃金制度・労務管理の在り方を見直す必要があります。残業代を請求され,多額の和解金を支払っておきながら,既存の賃金制度・労務管理をほとんど改めないでいたところ,今度は4人,5人といった大勢の社員から残業代を請求されて窮地に追いやられるケースが本当に多いのです。

3.経営者側労働問題専門弁護士への相談
 残業代を請求された場合に早期に経営者側労働問題専門弁護士に相談することは極めて重要です。

 残業代を請求されるような事案では,前提となる事実の認定や法的解釈が難しいものが多く,訴訟対応を含む残業代請求対応の経験が豊富な弁護士でないと,未払残業代見込額を算定するのが困難です。未払残業代見込額を算定することができないと,とりあえず会社に有利なことを主張してみて,相手の出方や裁判官の様子を見てから最終対応を決めるといった行き当たりばったりの対応になってしまい,強気に主張していいところか,早めに引いた方がいいところか,的確な判断をすることができません。その結果,判決で勝負することがギャンブルのようになってしまうため踏み込んだ勝負ができず,会社に不当に不利な内容で和解・調停をまとめざるを得なくなりかねません。
 他の社員への波及防止は,その金額の大きさからして,会社経営に与える影響の程度としては,個別の労働審判・労働訴訟・団体交渉よりもむしろ重要とさえ言えるものです。個別案件の対応以上に,経験豊富な弁護士に依頼する必要性が高いと言えるでしょう。

 

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会社経営者のための残業代請求対応


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