本が好き 悪口言うのもちょっと好き

読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

安心のファシズム -支配されたがる人々- 斎藤貴男

2005-08-14 | 評論

 この本も帯が魅力的でした。

なぜ私たちは自由から逃走するのか

 まさしくキャッチコピー。ハートをぐっと掴まれました。カバーの折り返しには、。

携帯電話、住基ネット、ネット家電、自動改札機など、便利なテクノロジーにちらつく権力の影。人間の尊厳を冒され、道具にされる運命を強いられるにもかかわらず、それでも人々はそこに「安心」を求める。自由から逃走し、支配されたがるその心性はどこからくるのか。著者の長年の取材、調査、研究を集大成する渾身の書き下ろし。

 とあります。 若者たちの携帯への依存を不思議と言うか少し怖いとさえ思っていたので、そのヒントがかかれているかと、迷わず購入しました。

 騙された・・・・。長年の取材、調査、研究の集大成かぁ。。。。インターネットや新聞、雑誌の記事からの引用が殆どのように思えるのですが、どのくらいかかって取材、研究されたのかなぁ。 あとは、この人の”怒り”があるのみ。

 テクノロジーに人間が支配されるというのは、既に何十年も前にチャップリンが映画にしているので、今更新鮮さはない警告ですが、「自動改札」にわれわれがどんな風に支配されているのかはちょっと面白い視点だと興味深々でしたが、「妊娠している人が、自動改札が怖いとJRに言ったが、ゆっくり通ってくれと言われただけ」、「自動改札で通れる切符を持っているのに有人改札を通ろうとしたら、怒られた」、「車椅子では不便だ」とか、そういうことが書かれているだけなんですよ。それはそれで腹が立つのは判るけど、わざわざ本にするようなことかなあ。なんていうと、きっとこういう人は、「何も考えなくなっている証拠。それこそ権力に知らず知らずに支配されて安心している日本人の典型」とか言われちゃうんだろうなぁ。

 怒ってもいいんですけど、もう少ししっかり研究して、説得力のある文章を書かないと、せっかくの主張も同胞にしか受け入れられないと思いました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿