原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

春待枝

2012年02月24日 08時25分16秒 | 自然/動植物

 立春はとうに過ぎたというのに、北国の春はまだまだ。それでも寒さの峠は越えた。もう一時の厳しい寒さはない。そんな季節を少しでも感じようと今年初めて山へ。雪はまだまだ多いが春の兆しを感じる。樹木には小さいながらの新芽。春を遅しと待ちかまえているかのよう。今年は例年になく寒い日が続いた。昨年までの温暖化騒ぎはどうしたというのだ。しかし、地球の年齢で考えれば、現在は氷河期への入り口。温暖化と氷河期がぶつかりあった結果が今年の冬であったのかもしれない。どちらにしても、大自然は人間の能力とは全く違う次元で動いているということなのだ。

まだ樹木には緑の葉がないから、野鳥の姿がよく見えるはず。ちょっとは期待して山に入ったのだが、鳥たちはなかなか姿を見せなかった。考えてみれば当然だ。こちらかよく見えるというのは相手からもよく見える。山の中をもそもそ歩く人間などとっくに監視されている。やたらと姿を見せないのは当然か。それでも鳴き声は聞こえる。いることはいるのだ。

ちらりと姿を見せてくれたのはシジュウカラ。今年初めてのあいさつは瞬間的であったが、ありがたい。懸命にカメラを合わせたが、とり逃がした。しかし、初めての山歩きとしてはまずまず。そのうち向こうも慣れてくる。新しい季節が動き出せば、出会いも増えるはず。

熱海の梅は2週間遅れであるがもう咲いた。来月になれば桜前線も話題にのぼるだろう。北国の春はまだずっと先の話だが、山の住民たち同様、ひたすら春を待っている。これが北国に生きる者の毎年のように繰り返す心情なのだ。

東日本の復興の春もまだまだ、日本経済の春もまだまだ、政治の春もまだまだ先。カレンダーをめくっても、日本の春は、北国の春よりずっとはるか遠く感じる。哀しいことだが。


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2 コメント

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確かに足音・・ (numapy)
2012-02-24 14:18:26
ここんところ目に見えて日脚が伸びてきましたね。
冬芽も準備が始まっているようですね。
ミニ氷河期に突入したと言う話がもっぱらですが、温暖化との関係はどうなるのでしょう。
それにしても今日の雪はきつかった。明日も明後日も雪のようです。雪掻きエルボー、痛い!カラダ、持ちません。早く春来ないかなぁ
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重い雪ですね (原野人)
2012-02-24 14:26:25
冬の終わりの雪は重いです。くれぐれも休み休み動いてください。
今朝は珍しくベランダに雪がたまってました。それでも午後には半分くらい溶けてました。やはり春はもうすぐと言うことなのでしょう。朝晩も楽になりました。それでも雪はまだまだ降ると思います。なにしろ氷河期の入り口ですから。本格的な氷河期が来る前に、この世におさらばが理想です。後世の人の苦労は気にはなりますが。
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