原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

怒涛の重連!冬の湿原号

2012年02月28日 07時59分16秒 | 地域/北海道

 IT、デジタルの現代社会において、どこから見てもアナログ、アナクロ、昭和の遺物と言える古色蒼然たる蒸気機関車。だが、21世紀となった今もその人気は少しの衰えを見せない。理由はどこにあるのか。圧倒的な存在感と、原野を懸命に走るSLの姿に、お父さんたちは昔日の自分の姿を重ねているのかもと、勝手に考えていたが、カメラを構える人の群れの中には、若者や女性の鉄ちゃん(鉄子と言うらしい)たちの姿もあった。彼らもまた、「三丁目の夕陽」的ノスタルジーを求めているだろうか。今年も、SL冬の湿原号が重連で雪原を駆け抜けた。

227日は今年最後の重連が走る日であった。とは言っても、湿原号が重連で走るのは冬のこので、たったの二度しかない。そのうち一回は逆向き。昨日(27日)がいかに貴重な日であったか分かるであろう。撮影場所は決めてあった。今年で三年目だが、初めての場所。たぶん誰も知らない場所と思っていたが、やはり同じ狙いの人が五人ほど。マニアはさすがに情報通だ。

朝からの雪にちょっぴり期待もした(実は雪の中のSLがお気に入り)。だが雪は降り止み日差しが出ていた。新しい雪に覆われた原野に現れた真っ黒な巨体。白煙、黒煙をあげて走るその姿は、やはり見る者を惹きつける。この存在感はやはり見事だ。環境汚染、非効率、鈍重など、いろいろな意味で古き時代の名残を感じさせながら、愚鈍に走り続ける蒸気機関車。どんなに時代が変わろうとも、ここに我々の原点があるような気がする。だから変わらず人気が衰えないのか。

ちょっと正面すぎたために重連の良さがあまり出なかった。場所を変えようかと思う間もなく、SLは通り過ぎていた。来年はもう少し立ち位置を工夫しなければと、反省も。来年もまた、やらなければ。今度は、どこで撮ることにしようか。今から考え始めている。

*SL冬の湿原号:釧網線、釧路・標茶間は311日までの毎日と31718日まで運行。釧路・川湯間は319日、20日のみ運行。1月末からスタートした冬の湿原号の運行も後わずかで終了する。ただし、重連の運行はもうない。


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3 コメント

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SLの勇姿 (poketto)
2012-02-28 08:26:05
純白の雪原を真っ黒な煙をもくもくと吐きながら
進むSLに心を奪われてから 11年もの間(期間がありますが)釧路湿原へ通いました
昔は全然 鉄ちゃんでなかった私は 未だに湿原号しか
撮りに行っていません
3月18日が今年2回目の撮影になります
とても楽しみです
今年も逃した・・ (numapy)
2012-02-28 09:56:37
あれは、確か5年前でしたね。撮影に行ったのは…。
今年もバタバタしてるうちに終わってしまいました。いやはや…。
残念です。機関士の小林さんもいまや退職。後進の指導に当たってるそうです。
来年こそは行くぞ!何だか、寂しい宣言だなぁ。
冬の風物詩になりました (原野人)
2012-02-28 10:34:42
>ポケットさん
3月18日は例の場所で撮影ですね。店に飾ってください。雪が降ると一層いいと思うのですが、自然現象だけは予定に入れられません。成功をお祈りします。

>numapyさん
今年もまだチャンスはありますよ。重連はないですが。茅沼で撮影したのは4年前です。今年はタンチョウがあまり茅沼にきていません。どこかへ出かけてしまったようです。彼らは気まぐれですから。

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