伝承の野馬除土手に春の花 やんま

江戸時代の初期に、葛飾郡に庄内牧とも呼ばれていた野馬の放牧場がつくられ、住宅地に侵入を防ぐ野馬除土手が作られた。今も部分的に住宅地の傍らに残されている。

ジャスミンの終いの居場所を飾りをり やんま

日常の静けさにあり小判草 やんま

春眠や夢の余韻の残りたる やんま

老一日雀隠れを目で遊ぶ やんま

さくら桜心の隙間はまだ満ちぬ やんま

無情迅々鳥啼き狂ひ花万朶 やんま

平和とは子の遊ぶこと花の午後 やんま

おんぼろの傘に頼りて花の雨 やんま

ぼんやりと生きて悔いなし花万朶 やんま

時は今このまほろばの桜かな やんま

母と見た遠き桜や終の里 やんま

しゃぼん玉多情多感は母譲り やんま

花の日々心妖しく狂ほしく やんま