プロフィール
バックナンバー1
バックナンバー2
マイクロソフト15万円台PC new
AIPC普及戦略 連載 5
目玉機能の一つ、リコール
Copilot+ PCの目玉機能の一つが「リ
コール」だ。過去に作業したものや
閲覧したコンテンツを素早く見つけ
出す機能で、PCの画面を数秒ごと、
または画面内容が変更されたタイミ
ングでスクリーンショットとして保
存する。すべての画像は暗号化され、
必要な時にローカルのAIが内容を解
析する。

(次回に続く)
マイクロソフト15万円台PC new
AIPC普及戦略 連載 4
価格がAI普及に与えるインパクト
しかし、日常的な業務で体感できる
差はほとんどない。むしろ、この「
割り切り」によって実現した15万円
という価格が、AI PCの普及に与える
インパクトは計り知れない。会場奥
にはAcer、富士通(FMV)など各メ
ーカーのCopilot+ PC対応機種も展示
された。各メーカーから71機種が出
揃い、業界全体がAI PC普及に本腰を
入れ始めた様子をうかがわせた。

から71機種に増加した(筆者撮影)
日本マイクロソフトの平井健裕氏に
よると、当初はQualcomm(Snapd
ragon)プラットフォーム限定だった
機能も、現在は各プラットフォーム
で「横並び」になってきているとい
う。どのCopilot+ PCを購入しても同
じ機能が使えるよう、Intel/AMDプロ
セッサ搭載機でも同等の機能提供を
進めている。
(次回に続く)
マイクロソフト15万円台PC new
AIPC普及戦略 連載 3
Windows 10のサポート終了問題
この価格設定の狙いは、Windows 10
のサポート終了問題と合わせて考え
ると見えてくる。Microsoftが発表し
たWindows 10延長セキュリティ更新
プログラム(ESU)は、個人向けで年
額30ドル(約4500円)。3年間利用す
れば1万円を超える。一時しのぎの延
命措置に毎年費用をかけるか、15万
円でAI機能を搭載した新PCに買い替
えるか──企業も個人も、真剣に検
討すべき選択肢が提示された。この
価格を実現するために、いくつかの
割り切りもある。プロセッサは前世
代機種が10コアまたは12コアだった
のに対して、今回は8コアのSnapdra
gon X Plusを選んだ。ストレージもS
SDではなくスマホに搭載例が多いUF
S規格だ。
(次回に続く)
マイクロソフト15万円台PC new
AIPC普及戦略 連載 2
タブレット型ノート型14万・16万台
タブレットPCの新型「Surface Pro」
は12インチ・686gの軽量ボディ、
ノートパソコンタイプの新型「Sur
face Laptop」は13インチで最大23
時間駆動という特徴を持つ。どちら
も8コアのSnapdragon X Plusプロセ
ッサとAI処理用の45TOPS NPUを搭
載する。価格はそれぞれ14万9380
円、16万4780円からだ。

筆者撮影)
第11世代Surface Pro(13インチ)が
20万円台後半からだったことを考え
ると、実質10万円近い値下げを実現
している。
(次回に続く)
マイクロソフト15万円台PC new
AIPC普及戦略 新連載 Ⅰ

15万円でAI PCが買える時代が来た。
6月3日、都内で開催された日本マイ
クロソフトのCopilot+ PC体験イベン
ト。6月10日に発売予定の新型Surfa
ceの実機に触れてみて、単なる低価
格化以上の戦略が見えてきた。
石井徹 モバイルライター
(今回新連載です)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 最終回 14
首都圏市場の覇権争い
一方、コンビニ各社の生鮮対応は遅
れている。セブンイレブンのSIP店舗
はまだ実験段階であり、ローソンの
スーパー跡地出店も始まったばかり
だ。全国に物流網を持つコンビニ大
手なら、このニーズに対応した生鮮
コンビニの展開は可能なはずだ。
しかし、ディスカウントストアやト
ライアルに先を越された形となって
いる。飽和したと言われる国内コン
ビニ市場を活性化するには、生鮮コ
ンビニによるスーパーの内食需要取
り込みがカギとなるが、まだ実現し
ていない。まいばすとトライアルG
Oの競争が本格化すれば、コンビニ
各社も動きを加速するだろう。首都
圏市場の覇権争いの主役が、まいば
すとトライアルという新参者同士に
なったことは、変化の速い流通業界
の特徴をよく表している。
(今回最終回です)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 13
トライアルの西友買収 挑戦状
ここで注目すべきは、西友を買収し
たトライアルHDが発表した、西友既
存店を活用したサテライト店舗網構
想だ。IT・物流投資に注力してきたト
ライアルは、店舗デジタル化で業界
をリードしている。同社は「トライ
アルGO」という省人化小型店舗であ
りながら、スーパーの品揃えを実現
するフォーマットを開発した。西友
既存店で小分け・パック詰めした生
鮮・総菜を周辺の小型店「GO」に配
送し、生鮮コンビニ機能を持つ店舗
網を構築するという構想だ。これは
まいばすへの挑戦状であり、トライ
アルの西友買収が綿密に計画された
首都圏攻略戦略に基づくことを示し
ている。
(次回最終回です)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 12
消費者の意識大きく変化
これまで「日本の消費者は鮮度にこ
だわるため、店舗で小分けパック詰
めが必要」という定説があった。加
工センターで集中処理し、店舗では
陳列のみという方式は日本では通用
しないとされてきた。しかし、日本
にスーパーが登場して60年以上が経
過し、冷蔵・輸送技術の進歩ととも
に消費者の意識も大きく変化した。
「今切りました」「今詰めました」と
いう鮮度アピールより、「近くて便
利で生鮮品も買える」ことを重視す
る消費者が増えているのだろう。
以上を踏まえると、スーパー並みの
生鮮品をスーパー価格で提供するコ
ンビニがあれば、このニーズに応え
られるはずだ。しかし、現時点でそ
うした業態は存在しない。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 11
ワンストップ型の小型店が実現可能
こうして地方では、スーパー撤退後
の空白を異業種が埋める動きが広が
っている。大都市と地方では事情は
異なるが、どちらも小型スーパーや
同様の機能を持つ小型店が求められ
る時代になっている。もちろん、大
型で品揃えの充実したスーパーが業
界の主流であることに変わりはない。
しかし、まいばすが生鮮も含めたワ
ンストップ型の小型店が実現可能で
あることを証明した意義は大きい。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 10
フード&ドラッグ損益分木店低い
生鮮を扱うフード&ドラッグの損益
分岐点売上は、クスリのアオキで約
3.8億円、ゲンキーで約 3.2億円と試
算される(販管費を固定費、粗利率
を変動費率とした簡易試算)。これ
は損益分岐点売上が5~6億円以上と
言われる食品スーパーよりもかなり
低い。商圏が縮小してスーパーが撤
退しても、需要がゼロになるわけで
はない。5億円未満の需要は残存す
る。そのため、生鮮フード&ドラッ
グなら十分採算が取れる。また、コ
ンビニでもローソンは、スーパー撤
退跡地に出店して、地場スーパーと
連携して生鮮供給を受けることで、
地域の高齢者などのニーズに応える
取り組みを進めている。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 9
コンビニ・ドラッグストアの役割
人口減少による市場縮小に加え、幹線
道路沿いに広い駐車場を備えた大型ス
ーパーが、中心市街地や住宅地の中小
スーパーを閉店に追い込んでいる。そ
のため、地場の老舗スーパーが徐々に
姿を消している。店が閉店しても、ク
ルマを持つ現役世代は別の店に行ける
ため大きな問題はない。しかし、免許
を返納した高齢者世帯は行ける店がな
くなる。人口密度の低い地方では、大
都市型のまいばすでは採算が取れない。
そこでは、コンビニやフード&ドラッ
グがスーパーの代替機能を果たす可能
性がある。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 8
遠くに行けない首都圏住民にとって
待望の店
もう1つの要因は、大手食品スーパー
による寡占化の進行だ。首都圏中心部
で大手食品スーパーの出店は着実に進
んでおり、イオングループ、ライフ、
サミット、オーケーといった大型店舗
を展開するチェーンが、近年じわじわ
とシェアアップを進めてきた。裏を返
せば、地元の中小スーパーや商店街の
食品店が徐々に姿を消していることを
意味する。クルマ社会の地方なら、近
所の店がなくなっても少し遠出すれば
済む。しかし、移動手段が限られる大
都市住民にとって遠出はハードルが高
く、特に高齢者にとっては深刻だ。実
際、経済センサス(経済産業省)によ
ると、東京都の飲食料品店は2016年か
ら2021年にかけて店舗数が8%減少し、
1店舗あたりの販売額は増加した。ま
さに小規模店の淘汰が進んでいる。近
くの店が減っている上に、遠くに買い
物に行けない首都圏住民にとって、ま
いばすは待望の店だったのである。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 7
近い店が選ばれる
内ではクルマを持つ人が減っており、
首都圏居住者の機動力は小さくなりつ
つある。高齢者の増加もクルマ利用率
の低下要因だ。働く女性が増え、共働
き世帯が主流となった現在、仕事帰り
にしか買い物できない現役世帯は平日
にクルマを使わない。これらの要因に
より、首都圏では買い物時の移動距離
が大幅に短縮された。つまり近い店が
選ばれるようになり、これがまいばす
にとって追い風となった。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 6
23区内ではクルマ利用のシェアが低い
パーソントリップ調査による首都圏の主
要移動手段を示している。23区内ではク
ルマ利用のシェアが低いこと、東京から
離れるほどクルマへの依存度が高くなっ
ていることが見て取れるだろう。

ーソントリップ調査 人の動きから見た東京都市圏」)
重要なのは、中心部で近年クルマ離れ
が加速していることだ。その背景は、
①クルマ保有のコスパが悪い、②少子
高齢化、③女性就労率の上昇、などが
挙げられる。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 5
首都圏は特異なマーケット
まいばす以外に、これほど小型店舗で
成功した企業は存在しない。これは首
都圏という世界最大級の大都市圏が世
界屈指の鉄道網で結ばれ、さらに急速
な少子高齢化が進んだことで生まれた
特異なマーケットだと理解する必要が
ある。

日本では高度成長期以降、クルマが生
活に浸透し、全国的には一家に一台ク
ルマを持っているというのが一般的に
なっている。しかし、公共交通網が稠
密に発達している首都圏では、平日の
生活にはクルマを使うのは少数派であ
る。通勤はもちろん、近場の買い物で
も駐車場の問題があるため、公共交通
を使うほうが便利だ。首都圏でもクル
マを持っている家は多いのだが、使う
のは休日ぐらいという人は多い。つま
り首都圏は全国的に見て、個人の移動
範囲が狭い地域だということだ。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 4
まいばすけっと店舗配置図
マーケット情報ウェブサイトより)
そもそも、スーパーはコンビニの何倍
もの広さが必要であり、品揃えの充実
が顧客の支持に影響するため、大型店
のほうが強いというのが定説である。
大手の大型店が出店すれば、地域の中
小スーパーや商店が競争に敗れて消え
ていく。これが業界の常識だった。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 3
物価高の時代、「実は近所で一番安い」
首都圏の人口密集地では「バス停ごと
に店がある」と言えるほど高密度に展
開している。24時間営業ではないが、
朝7時から夜11時頃まで営業しており、
コンビニにはない生鮮があるので、帰
宅途中に必要なものをさっと買うのに
便利な存在だ。そのうえ、イオングル
ープなので、トップバリュ商品を中心
にイオン価格で売っているため、最近
の物価高の時代では、「実は近所で一
番安い」とも噂されている。品揃えは
必ずしも十分ではないが、なぜこれほ
ど支持されているのか。その背景を詳
しく見ていこう。
(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 連載 2
「まいばすけっと」が支持
されている背景
首都圏以外の方々はご存じな
いと思うので簡単に説明して
おくと、基本はコンビニサイ
ズ(実際に多くがコンビニの
跡地の居抜き)の小さい店に
いわゆる食品スーパーの品揃
えをギュッと詰め込んだ店で、
生鮮なども一通り買うことが
できる最低限の品揃えがされ
ている。

(次回に続く)
首都圏で「まいばすけっと」が new
爆増の訳 新連載 1

イオンのミニスーパーまいばすけっと
(以下、まいばす)の増殖が止まらな
い。2025年2月期には売上高2903億円、
店舗数1204店に達しており、2005年の
初出店から約20年で、新たな大手スー
パーが首都圏に誕生したということだ。
東京23区、川崎市、横浜市を中心に店
舗を増やしてきた。最近では出店エリ
アも拡大し、北はさいたま市宮原、東
は千葉市、南は横浜市磯子区、西は相
模原市橋本や座間市あたりまで出始め
ており、郊外エリアでもその看板を見
かけるようになってきた。
中井彰人 流通アナリスト
(今回新連載です)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 最終回 16
今後の展開
1号店はロードサイドに出店となった
が、今後はさまざまな立地でこの業
態の展開も多いにありえるはずだ。
例えば都心の小さな物件であれば、
野田店のカウンター部分だけを切り
出してコンパクトな店としてやるの
もアリだと思う。ビジネス街、繁華
街、郊外、幅広い立地に対応できそ
う。インバウンドにもウケそうだし、
海外に持っていってもよさそうだ。
ここまでは天ぷらのおいしさに感動
して手ばなしでほめてしまったが、
実はこの「天ぷら定食 あおぞら」に
は先行するブランドがある。この業
態は丸亀製麺のトリドールが展開す
る「天ぷら定食まきの」や、福岡の
ローカルチェーン「天麩羅処ひらお」
にそっくりなのである。
(今回最終回です)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 15
和食の原点
この業態の何よりの価値は、揚げた
ての天ぷらを一つ一つスタッフが置
いてくれることだと思う。そもそも
これは高級和食店のスタイルであり、
高級なカウンターのすし店や天ぷら
店に行くと、大将が握ったすしや揚
げたての天ぷらができ次第どんどん
目の前に置かれていく。「できたて
が目の前に提供される」は高級店の
一つの体験価値。その体験価値を庶
民的なかたちにデフォルメしたのが
「天ぷら定食 あおぞら」だ。もとも
と握り立てを目の前に置いていくす
しを作り置きしてレーンで回してい
るのが回転ずし。その回転ずしチェ
ーンが、逆にオールドスタイルの提
供方法に回帰しているというわけだ。
天丼では「揚げたてを一つひとつ置
いていく」という体験価値を提供で
きない。だからこそ「天ぷら定食」
というスタイルに落ち着いたのだろ
う。
(次回最終回です)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 14
あえて手間かかる天ぷら 何故
昨今、外食では揚げ物の需要が高
まっている。共働き家庭が増える
など家事にかける時間が減る中で
面倒な揚げ物は敬遠される。から
あげやトンカツがブームになり、
それらの専門店が賑わったのも無
関係ではないだろう。また、スシ
ローは海鮮の仕入れに強みがある。
揚げ物と海鮮、その両方を生かす
天ぷらに行きついたのだろう。
同様に天ぷらでチェーン展開する
ブランドと言えばロイヤルグルー
プの「てんや」があるが、こちら
は天丼というスタイルを取ってい
る。チェーン展開するには一つの
ボウルに盛り付ける天丼のほうが
やりやすそうだが、スシローがあ
えてひと手間かかる「天ぷら定食」
にしたのはなぜだろうか。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 13
さまざまな新業態に挑戦してきた
「スシロー」が主力業態のFOOD &
LIFE COMPANIESだが、これまでも
さまざまな新業態に挑戦してきた。
2017年にサブマリン戦略から始め
たすし居酒屋の「杉玉」は現在全
国に約90店舗。ほかM&Aで傘下
に収めた「京樽」「回転寿司みさ
き」も展開中だ。今はないが、か
つては「ツマミグイ」や「七海の
幸 鮨陽」といった業態を手掛けて
いたこともあった。今後も同社が
永続的に成長するためには、スシ
ローブランドのみに頼らずシナジ
ーがある新業態の開発は必須だが、
今回は同社が「天ぷら定食」とい
うアイテムに目を付けた理由を考
察したい。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 12
また食べたい
定食の価格は1100~2000円。1000
円を超えておりお手頃とは言えない
かもしれないが、こうしたクオリテ
ィの天ぷら定食がこの値段で食べら
れると思うと大満足だ。筆者の個人
的意見になるが、本当においしい食
事とは後からじわじわ思い出すもの
だと思う。テレビ番組の食レポでレ
ポーターが食べた瞬間に目を見開き
「おいしい!」と大げさに騒ぐアレ
ではなく、食べた翌日ふとした瞬間
に「昨日食べたあれ、おいしかった
なぁ」と思うようなもの。「天ぷら
定食 あおぞら」の食事はまさに翌
日に「また食べたい」と思い出すも
のだった。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 11
計算されたかき揚げ
あえてかき揚げ定番のタマネギを
使っていないのは「水分量が多い
から」とのことで、確かにサクサ
クの食感の中にやわらかいタマネ
ギが入ると食感が不揃いになりか
ねない。かなり計算されたかき揚
げだった。揚げ油が果たす役割も
大きい。キャノーラ油をベースに
「太香胡麻油」をブレンドしたと
いう揚げ油は油切れもよく、余計
な油が垂れていない。嫌な油っこ
さは皆無、もたれずにいくらでも
食べられそうな軽い食べ心地だっ
た。店内を見渡すと60代や70代以
上と思われる高齢者も一定数いた
が、この軽さであれば彼ら彼女ら
も抵抗なく食べられる仕上がりだ
と思った。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 10
天ぷらは軽い食べ心地
同店の天ぷらは、概して軽い食べ
心地が特徴だ。ネタに衣がぴった
りと付いているが、それでいて衣
付きが薄いのが素晴らしい。この
薄い衣の食感は「サクサク」とい
うより「シャリシャリ」というべ
きか。確かに噛んだ瞬間はクリス
ピーな感じがあるものの、口の中
ではかなく溶けていく感じ。たま
に食べているうちにネタから衣が
はがれてしまう天ぷらがあるが、
そうしたことは一切なかった。ネ
タと衣の一体感が生み出すおいし
さをしっかり堪能できる。特にそ
れがよく表現されているのが「謹
製かき揚げ」だ。具材はゴボウ、
ニンジン、サクラエビ。ゴボウと
ニンジンは細切りにされており衣
をまとう面積が大きくなるが、衣
は薄いので口に入れたときのバラ
ンスが絶妙だ。かき揚げにありが
ちなダマはない。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 9
海鮮素材の質の高さとこだわり
海鮮は素材の質の高さにこだわりを
感じた。例えば同店イチオシの「生
アジ」。巷ではアジフライがちょっ
としたブームになっているが、「アジ
フライを超えたい」と開発された品
だそう。一度も冷凍されずに店舗に
届いた生のアジを揚げているとのこ
と。大量の食材を安定的に供給しな
ければならないチェーン店では、こ
の商品の実現は物流や管理で大変な
はずだ。食べてみると、パサつきが
ちな冷凍モノとは一線を画すふんわ
りとした食感に驚いた。さすがスシ
ローの仕入れ力だ。それ以外のネタ
も、下ごしらえに手がかかっている
ものが多い印象。例えばサツマイモ
は揚げる前に火を通しているのか、
ペーストのようなやわらかさになっ
ておりサクッとした衣との食感のコ
ントラストが際立つ。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 8
チェーン店らしからぬサービス
提供時、スタッフが「トウモロコシの天
ぷらはとても甘いので、私の個人的なお
すすめは、まずは天つゆをつけずそのま
ま食べることです」と声をかけてくれた。
チェーン店らしからぬサービスだが、マ
ニュアルっぽくないことを言うべしとい
うマニュアルがあるのかもしれない。

エビ、生アジ、イカ、半熟たまご、ナス、サツマイモ、
トウモロコシの天ぷらにごはんと味噌汁が付く(筆者撮影)
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 7
最初に野菜系次に海鮮系を提供
客席にはあらかじめ天ぷらを置くため
のバットが置かれていた。しばらくす
るとスタッフが再度やってきて、揚げ
たての天ぷらをトングでこちらのバッ
トに一つずつ移してくれた。最初に野
菜の天ぷら数品が提供され、さらにも
う一度、時間差で海鮮系がやってきた。
計 2 回のサーブで注文内容のすべてが
出揃った。

(筆者撮影)

(筆者撮影)
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 6
天ぷらは揚げたてを後から
同店の最大の特徴は、天ぷらの提供方
法だ。注文するとほどなくしてごはん
と味噌汁、天つゆ、大根おろしがのっ
たおぼんが提供された。天ぷらの皿に
は、肝心の天ぷらがのってない! 心
の清い人にしか見えない天ぷらなのか
…!?と一瞬焦ったが、スタッフによ
ると天ぷらは後から揚げたてを持って
くるとのことだ。


(筆者撮影)
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 5
海鮮がメインは必然
メニューは天ぷら定食6種類に、追加で
頼める単品とドリンクがあるのみ。1号
店ということもあってか余計なサイド
メニューはなく絞られたラインナップ
だ。天ぷらのネタは海鮮が中心であと
は野菜が少々。鶏天のような肉の天ぷ
らはないのも潔い。そもそもこの業態
はスシローで培った仕入れ力を生かす
ためのものなので、海鮮がメインにな
るのは必然と言えるだろう。

(筆者撮影)
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 4
天ぷらの提供方法にこだわりアリ


(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 3
店内カウンター席がメイン

30分ほどで案内された。店内はカウ
ンター席がメインで、カウンター内
に揚げ場がある。スタッフが天ぷら
を揚げている様子が見えるオープン
な造りでロードサイドにしてはちょ
っと珍しい構造だ。もちろん広めの
テーブル席もあり、子どものいる家
族連れなどはそちらに案内されてい
た。
(次回に続く)
スシロー「天ぷら定食店」 new
その深い狙い 連載 2
野田市の国道16号のロードサイド店
場所は千葉県野田市の国道16号線沿
い。同じ通りには多くのチェーン店
が並ぶ。Googleマップで確認すると
以前は「天下一品」だったようだ。
最寄り駅は東武鉄道野田線の梅郷駅
になるが、そこから徒歩で向かうの
はあまり現実的ではない。車で行く
ことが前提となっている、いわゆる
「ロードサイド」だ。筆者が訪れた
のはオープンから3日目の12時半ご
ろ。土曜とあってか店内は賑わって
おり、ウェイティングができていた。
客層は小さな子ども連れの家族から
中高年まで老若男女、幅広い。

(次回に続く)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます