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東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 8
山ノ内大勝軒の繁盛は救世主となる
直営店として山ノ内大勝軒を再オー
プンさせた田内川さん。コロナ禍で
都内の店が営業時間の短縮を余儀な
くされたタイミングでもあり、スキ
ー場にある山ノ内大勝軒の繁盛は救
世主となった。

あるそうです。夏場は麓に場所を移して営業しています
(写真提供:田内川さん)
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 7
山之内大勝軒休業
この長野旅で田内川さんは山岸さんの
出身地である山ノ内町も訪れ、なんと
翌年の暮れに山ノ内町のある志賀高原
のスキー場内にフランチャイズ店を出
した。しかし、経験の浅い人に店を任
せてしまい、半月も経たないうちに休
業に追い込まれる。「田内川くんはし
ばらくふさぎ込んでいたけれど、コロ
ナ禍だった2020年の夏に電話があった。
『トロさん、僕はこのままでは終われ
ないです!』と。山ノ内大勝軒のこと
だとピンと来たね。スキー場として有
名なのに飲食店が少ない志賀高原は儲
かるという経営者としての確信もあっ
たと思うけど、それ以上に『このまま
では山岸さんとその故郷に恥をかかせ
ることになるのでリベンジしたい』と
いう強い気持ちを感じた。いよいよ面
白いヤツだと思ったね。ピンチのとき
にどう動くのかで人柄が見えるから」
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 6
長野県で美味しい味噌ラーメンを
探した
当時の北尾さんは長野県松本市に
住んでいたことが田内川さんとの
縁が深めた。山岸さんの味噌ラー
メンの復刻に取り組んでいた田内
川さんは長野県内で美味しい味噌
ラーメンを探しており、北尾さん
は案内役を買って出たのだ。
「狩猟の師匠が長野市で『八珍』
というラーメン店をやっていて、
味噌ラーメンが3種類もあって旨
い。田内川くんを連れて行きたい
と思った。結局、1日付き合って、
最後は露天風呂に一緒に入った。
裸の付き合いだね。熱いけれどさ
っぱりしている田内川くんはいい
ヤツだな、と思った」
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 5
オリジナルは2つだけ
「田内川くんの大勝軒には餃子やカレー
もあるから町中華だよ、と仲間に言われ
て食べに行ったのが2018年。つけ麺では
なく冷やし中華を食べた記憶がある。美
味しかったから、それからは普通に客と
して通うようになった」

さんの味を忠実に再現しているそうです。鰹だしと甘酸っ
ぱさと辛みを同時に感じるスープは唯一無二。普通盛りで
もこの麵の量でお腹いっぱいになりました(筆者撮影)

「復刻版カツライスカレー」(1400円)。普通のカレー
ライスを注文してしまったところ、厨房のベテランス
タッフが臨機応変にカツを追加で揚げてくれました。

大勝軒」には田内川さんのオリジナルメニューは2つし
かありません。1つは、神田カレーグランプリでマイス
ター賞を受賞した「スパイシードライキーマ」。もう1
つはこの「大勝軒のまかない飯」(500円)。チャーシュ
ーが炒めてあって香ばしく、財布にも優しいのでご飯
党の筆者はリピート必須。追加200円で中盛り、250円
で大盛りにしてもらえます(筆者撮影)
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 4
丸長のれん会
「もともと僕はそれほどラーメン好き
じゃない。だから、ラーメンやつけ
麺への興味が理由ではないよ。田内
川くんとは『丸長のれん会』で会っ
たけれど、店には何年も行かなかっ
た。大勝軒はラーメン屋で町中華で
はない、と思っていたからね」東京
・神保町にある喫茶店で、電子タバ
コを吸いながらいつものようにくだ
けた口調で北尾さんは話し始めた。
丸長のれん会とは、1948年に東京・
荻窪で開業した「丸長」の流れをく
む飲食店のゆるやかなネットワーク。
なお、町中華界の一大勢力だという
丸長の「長」は、創業者の青木勝治
さんが長野県出身であることに由来
する。
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 3
一冊の本にしたい
一方の北尾さんは「町中華探検隊」
を2014年に結成し、同志たちと手
分けをして個人経営の大衆中華料
理店を訪問し続けている。大がか
りな遊びとも言えるが、『夕陽に赤
い町中華』(集英社インターナショ
ナル)などを発表しているので書
き手としての仕事にもなっている。
古本や狩猟など、個人的な興味を
執筆テーマへと育てることが北尾
さんのスタイルなので、町中華探
検隊の流れで大勝軒と田内川さん
と出会ったのはわかる。でも、山
岸さんと彼を主人公にして一冊の
本にしたいとまで思ったのはなぜ
だろうか。
(次回に続く)
東池袋「大勝軒の味を守る男」new
の凄さ 連載 2
忠実に再現している唯一の店舗
ラーメンブームを牽引する存在とし
て「ラーメンの神様」と呼ばれた山
岸さんの弟子は数百人もいて、大勝
軒を名乗るラーメン店は全国各地に
ある。しかし、東池袋大勝軒の代名
詞だったつけ麺の「特製もりそば」
や「中華そば」の味を、材料をまっ
たく変えずに忠実に再現しているの
は田内川さんの「お茶の水、大勝軒
」(2006年開業)のみ。餃子やシュ
ウマイ、カレー中華などかつて東池
袋大勝軒で提供していたメニューも
復刻して提供している。さらに、田
内川さんは「いつか故郷の人たちに
も俺のラーメンを食べてもらえたら」
という山岸さんの遺志を継いで、師
匠の故郷である長野県山ノ内町にも
「山ノ内大勝軒」を2019年に開業し
た。ここまでくると師事を通り越し
て信仰とも言える。
(次回に続く)
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