遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

竜天に登る

2022-03-21 16:23:02 | 日記

令和4年3月21日(月)

竜天に登る

へー、、こんな季語が在るの?それも「春の季語」

「竜」は(りょう)が漢音で、(りゅう)は慣用音、和名

では「龍」(たつ)という。

中国の「説文解字」に、「竜ハ鱗虫ノ長、能(ヨ)ク幽、

能ク明、能ク細、能ク巨、能ク短、能ク長、春分ニシテ

登リ、秋分ニシテ淵ニ潜ム、」とある。

北斎の天井画(長野、小布施記念館)

竜は想像上の動物だが、神聖かつめでたい動物として天子に

なぞらえ、また水をつかさどるものとして民衆にあがめられ

た。 時至れば雲を巻いて天に登る勢いに、活力がある春の

季語感が結び付いた季語である。(新日本大歳時記)

「竜」は想像上の動物で、春分の頃に天に登り雲を起こして

雨を降らせる、中国の古代伝説から季語となった。

俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「龍天

に登る」という季語の記述が在った。(初めて知った季語)

【中国の「説文解字」に「龍」は、、、(、、、、、中略)

春分ニシテ天ニ登リ、秋分ニシテ淵ニ潜ム」とある。

龍は想像上の動物だが、神聖かつめでたい動物として天子に

なぞらえ、また水をつかさどるものとして民衆にあがめられ

た」と大歳時記に書いてある。

私の第一句集「伊月繍」には「龍」と名付けた章がある。

賛否両論の試みではあったが、「龍」という文字を使った句

だけを二十六句並べてある。深い考えがあっっての実験的試

みであるかに受け止められたフシがあり、こそばゆい思いを

したが、実はほんの小さなきっかけから生まれた作品群だっ

た。松山に転勤してきたサラリーマン達が集まっていた「さ

のじ会」は、月に一度馴染の飲み屋で開かれる句会だった。

毎回、その夜のトップを獲得した者が翌月の兼題を出せる事

になっていた。 ちょうどその夜は心境著しい若手メンバー

悠里こと、篠原俊博がトップをとった。 他のメンバー達に

「早く題を決めろ、来月こそ見ておれ、もう俺は今から考え

始めるんだから、サッサと題を言え、」との罵声の祝福を受

けた彼は、とっさに壁にかかっていた小さな風飾りを指さし

ながらこう答えた。「じゃあ、ここに書いてある「龍」にし

ときます」。 その夜別に彼のトップ阻止に燃えたわけでも

ないのだが、「龍」という語に誘発され、俳句がぽろぽろぽ

ろぽろ生れてきた。  

春夏秋冬の季節の中にどうやったら「龍」を詠み込めるんだ

ろうと考えるだけで楽しくて楽しくてたまらなかった。

(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典・仲春より引用した。)

 

そう言えば、アメリカの大地に次々起きる「大竜巻」発生の

そのスケールの大きさに驚いているが、最近では日本の至る

でも竜巻が頻繁に発生している。

これは、正に「竜」がこの世の勝手気儘な有様に怒り狂って

雨を降らせ、大竜巻となって天に登る様ではないだろうか?

追伸、我が地元の中日ドラゴンズ(竜)、毎年低迷を続け、

最下位争いで淵に潜りっぱなし、今年こそ「昇竜」を、、、

中日の昇竜ユニホーム

 

今日の1句(俳人の名句)

竜天に登るはなしを二度三度   宇田 喜代子



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