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Music Mania

No Music No Life

ディスカバークイーン その8

2021年11月06日 | 音楽


クイーンズクロニクル
西脇さんによる楽曲解説。
今回は1977年のアルバム「世界に捧ぐ」から。
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」
イントロの足踏みリズムは、メンバーとロードクルー全員をスタジオに呼んでみんなで足踏みをした。
「伝説のチャンピオン」
フレディにしては珍しく短いメロディラインを模倣しながら展開していくというパターン。
エンディングは中途半端な終わり方で、ライブではきちんとビッグエンディングで終わってるのになぜか?
それは3曲目が派手な曲なのに、ここで派手な終わり方をしてしまうと、次の曲のインパクトが薄れてしまうから。
「シアー・ハート・アタック」
パンクっぽく聴こえるけどロジャーは関係ないと言う。
実はこの曲は全力でふざけていて、遊び心が満載になっている。
ポリリズムを駆使したり、ロートタムの叩きながらチューニング変えるなどしている。
「オール・デッド」
ブライアン作でボーカルもピアノもブライアン。
子供の頃に死んだネコへの愛情が感じられる曲になっている。
「永遠の翼」
ジョン作のシングル曲。
フレディのボーカルは喉に負担をかけて荒々しい表現をしている。
ライブでは無理のないよう少しメロディを変えて歌っているように、喉の管理をしながら歌っている。
「秘めたる炎」
ロジャー作。
クイーンにファンクを持ち込んだはじめての曲。
ロジャーのドラムはフィルインを入れていない。
「ゲットダウンメイクラブ」
実験的な作品で、短いフレーズを模倣しながら展開していく。
サビは3拍を使ったポリリズムを使っている。
またハーモナイザーを遊び感覚で効果的に使っている。
「うつろな人生」
ブライアンの曲、歌もブライアン。
変則的なブルース進行で、おそらく一発録音している。
「恋のゆくえ」
ジョンの曲。
ジョンは作曲のセオリーから大きく外れない曲作りが上手い。
あえて外した曲を作るフレディと対象的になっている。
「イッツレイト」
従来のクイーンファンを裏切らないクイーンらしい曲。
この曲でも3拍フレーズのポリリズムが聴かれる。
「マイメランコリーブルース」
聴きどころはジョンのベースで、ジョンの素敵なところが凝縮されている。
スタジオなどでベースプレイヤーに「ジョンディーコンみたいなプレイでお願いします」と頼むことがある。
本来それは失礼なことかもしれないが、ジョンにかぎりそんなことにならないらしい。
歌もののベースプレイの模範的なプレイになる。

パッパラー川合のよろず相談室

IT最先端で走り続けてきたけど、先行き不安だ(56歳男性)
フレディも死ぬ直前まで力を振り絞った、あなたはまだまだ先が長い、頑張れ、ということで「ショー・マスト・ゴー・オン」

洋楽歌詞解説家の朝日順子さんによるクイーン解説

フレディはミュージックホールの世界観が大好きで、それがオペラ座の夜アルバム、ボヘミアンラプソディーに反映されている。

「ロング・アウェイ」
ブライアンにとって特別な曲
華麗なるレースは前作の双子的なアルバム
ロングアウェイの意味はツアーで長く家族と離れて辛い
アメリカを意識していて、アメリカでのヒットを目指している

「マイ・メランコリー・ブルース」
フレディが歯医者へ行くため活動を少し休止している間にセックスピストルズがデビューする。
ピストルズをはじめとしたパンク勢はクイーンを叩き始める。
メディアもそれに乗って、クイーンをこき下ろす記事を書くようになる。
そのため、あえてロック的ではない曲をレコーディングし、時代に逆光する姿勢をみせる。
ただし、アルバム的にはロック的でパンク的な部分も見せる。

クイーンズコミュニティ
ゲストは佐藤竹善さん
クイーンとの出会いは9歳のとき、近所のお兄さんが聞いていたキラークイーンを聴いてハマる。
その後一旦熱は冷めるが、中学生になって友人がアルバム「オペラ座の夜」を持ってきて聴くようになる。
それからクイーンのアルバムを聴きあさるようになる。
好きなメンバーはジョン・ディーコンで、自分もベースを弾くようになる。
ステージ上で、ほかのメンバーは暴れてるのに、一人もくもくと弾いてる様子にひかれたという。
とはいえ、カシオペアのテクニカルなベースを聴いてベース道を諦め、ボーカリストを目指すことになる。
初めてベースを弾きながら歌った曲は「永遠の翼」だった。
フレディの死後ジョンがクイーンに参加していない理由については、おそらくジョンはフレディが大好きで、自分の曲はフレディが歌うことによって完成すると考えてるからではないか、とのこと。


イエスとラナの新作

2021年10月31日 | 音楽
イエス「ザ・クエスト」

英国プログレッシブロックを代表するバンド、イエスのニューアルバムが出た。
22枚目とのことなので、なかなかすごいキャリアだ。
ジョン・アンダーソンが抜けクリス・スクワイヤが亡くなった今のイエスは、果たしてそれはイエスと言えるのか、という疑問も無きにしも非ずだが、想像以上にイエスらしいアルバムに感じた。
どうしてもジェフ・ダウンズのキーボードとスティーブ・ハウのギターが合わさると、ドラマ期や初期エイジアを彷彿させるけど、今回はそこへ海洋地形学のテイストも加わってるように感じた。
現ボーカルのジョン・デイヴィソンは、全く違和感なくイエスサウンドに同化してるし、ビリー・シャーウッドのベースに文句を言う人もいないはずだ。
ドラムは一時期戦線離脱していたアラン・ホワイトが復帰している。
作品を聴く限りでは問題なく演奏出来てるようだけど、もう身体の方は大丈夫なのだろうか。
曲についていえば、1曲目がとてもかっこよくイエスらしさに満ちたいい曲だ。
しかし2曲目以降はちょっと刺激に欠けるように思う。
メロディセンスはとてもいいので、もう少しスリリングで斬新なアレンジが欲しいところだ。

YES - The Ice Bridge (Official Video)


ラナ・デル・レイ「ブルー・バニスターズ」

今年3月に新作が出たばかりなのに、わずか半年で新作がリリースされた。
それも当初の予定では7月リリース予定だったというから恐ろしくハイペースである。
今回もラナ・デル・レイの世界観に満たされた、ときに異様でときに優しくそして全体的には美しいアルバムである。
個人的には気を衒ったようなアレンジの曲より、ピアノとボーカル中心のシンプルな曲の方が、彼女の秀逸なソングライティングが生かされていていいように思う。

Lana Del Rey - Text Book (Official Audio)

ディスカバークイーン その7

2021年10月02日 | 音楽


ディスカバークイーン、9月度まとめ

フレディの誕生日ということで、クイーンコピーバンド、グイーンのボーカルであるフレディ波多江さんをゲストに迎えて話を聞く。たまたま声が似てたということでバンドを結成し、テレビ番組「イカすバンド天国」に出演、審査員特別賞を受賞する。
クイーン本家はレコードとライブではサウンドがかなり違う。
レコードではオーバーダビングが多く、かなり凝った音作りがされているが、ライブではシンプルなバンド演奏で歌メロもコーラスも違っている。
しかしグイーンでは、サポートミュージシャンをたくさん入れて、レコードのサウンドをステージで再現するようにしている。
ビジュアル的には、昔のミュージックライフの世界を再現するようにしている。
グイーンはライブの収益を、ブライアンとロジャーが運営するエイズ患者支援団体に寄附している。
そのため、ブライアンとロジャーから感謝状をもらっている。
また、ポールマッカートニーの前でもライブしたことがあり、とても高評価をいただく。

クイーンズクロニクル
西脇さんによるマニアックな解説、今回は5枚目「華麗なるレース」から。
セルフプロデュースで自分たちの好きなようにレコーディングし始めたアルバム。
このアルバムからロジャーのドラムがよりパワフルに聞こえるようになっている。
理由はアンビエンス(臨場感のあるマイク)の使い方を変えてきたから。
1曲目「タイ・ユア・マザー・ダウン」。
イントロのフレーズは「ホワイトマン」や「手を取り合って」の伏線が貼られている。
「テイク・マイ・ブレス・アウェイ」
8分音符のピアノのアルペジオはフレディが得意とするパターン。
エンディングは、一旦録音したコーラス音源を逆回転してディレイ処理をしたあと、再び正回転に戻している。
「ロング・アウェイ」
クイーンにしては珍しく12弦ギターを使用している。
「ミリオネア・ワルツ」
ジョンのベース、最初の2分間くらい、とても暴れていて発想力が面白い。
ロジャーのドラムが入ると裏方に徹してボトムを支える。
「ユー・アンド・アイ」
みんなのバンド愛が結実している。
「愛にすべてを」
アレサフランクリンに憧れたフレディがゴスペルを意識して作った曲。
掛け合いコーラスや、ペンタトニックスケールの下降フレーズなどにそれが現れている。
「ホワイト・マン」
ブライアン作のヘヴィな作品。
3拍フレーズを上手く使っていて、次作に繋がっている。
「懐かしのラバーボーイ」
この曲以降ミュージックホール風の曲を作らなくなるが、最後だけあって完成度が高い。
「さまよい」
ロジャー作には珍しくアンニュイな雰囲気。
夢の中のような世界を表現している。
「手を取り合って」
ブライアンがピアノとギターとハーモニウムを演奏。
コーラス部分は大人数で歌ってるように様々な工夫がされている。

クイーンズコミュニティ
今回のゲストはデーモン閣下。
元々デーモン閣下は大学時代、サンプラザ中野くんのいたバンド、スーパースランプに中野くんの後釜ボーカルとして加入していた。
中野くんが脱退する最後のライブを見に行って衝撃をうけた。
クイーンを聴くきっかけはラジオで流れていたのを聴いて好きになったこと。
邦楽も洋楽もなんでも聴いていて、歌謡曲もよく聴いていた。
軽音部に入ったのは大学時代。
初めてカバーしたクイーンは「セイブ・ミー」。
映画「ボヘミアンラプソディー」でもあったが、バンド内での作詞作曲の名義でもめることがある。
そのため、バンドメンバー全員のクレジットにすることがある。実際に爆風スランプでもこういうことがあった。聖飢魔IIではなかったらしい。
名曲「ボヘミアンラプソディー」の中間部、こういう奇想天外な楽曲展開を聖飢魔IIでもやろうとしたけど、できなかった。
どうしてこんなことが出来るのか、メンバーは全員容認してたのか?
ぜひメンバーに聞いてみたい。


モーネスキン

2021年09月25日 | 音楽
先日みのミュージックで紹介されたイタリアのモーネスキンというバンド、これなかなかいいです。
詳細はこれを見ていただくとして、感想を少しを書いてみる。

アルバムは2枚出ていて、みの氏は1枚目をお勧めしてるけど、僕は今年発表された2枚目から聴いてみた。
1曲目のギターリフが鳴った途端「あっ、コレいいかも」とロック脳が疼く。
ギター小僧が思わずコピーしたくなるカッコよさがあり、僕のようなオールドなリスナーにも受け入れやすい往年のロックサウンドだ。
歌詞はイタリア語なので、最初は気になったけど、曲の良さが勝っているので問題なし。
面白いのは3曲目と4曲目で、もろロックなリフで始まるんだけど、歌はヒップホップみたいなラップ調になってる。
こういうのって、例えばジョン・レノンの「平和を我らに」みたいに昔からあるのはあるんだけど、ヒップホップ世代の若者がこういうアプローチをするっていうのがポイントだと思う。

曲によっては、なかなかエモーショナルなギターソロもあり、昔ながらのロックファンをも唸らせるセンスがある。
付け焼き刃的なロックセンスではなく、ロックが骨の髄まで染み渡った中高年層がなるほどと思わせるレベルにあり、こういうのは一朝一夕に身につくものではないはずだ。
イタリア語とアクの強いボーカルが受け入れられる人にはオススメのバンドだ。


Måneskin - I WANNA BE YOUR SLAVE (Official Video)

ハピアー・ザン・エバー

2021年09月18日 | 音楽
ビリー・アイリッシュ「ハピアー・ザン・エバー」

ビリー・アイリッシュの新作アルバム「ハピアー・ザン・エバー」が出たので早速聴いてみた。
大ヒットした前作より聴きやすい曲が多いように思う。
全体的にダークさが薄れてポップさが増している。
それでもビリーの個性はしっかり残っていていいアルバムだ。
相変わらずボソボソしたボーカルだけど、完全に彼女の世界観として確立している。
どうしても奇抜な印象のある人だけど、メロディメーカーとしての才能は一級のものを感じる。

Getting Older



アイアン・メイデン「センジュツ」

アイアン・メイデンの何作目かわからないけど、新作が出たようなので聴いてみた。
ジャケは、エディが日本の甲冑を着て日本刀を構えている。
タイトルの「センジュツ」とは「戦術」のことか?
聴いた感じ、2000年以降の作品に顕著なミディアム路線で、80年代のような疾走感あるナンバーはない。
相変わらずアレンジは凝りに凝っていて、プログレメタルな長い曲もある。
しっかり聴き込めは好きになれそうな曲はいくつかあるけど、全体的にはもう少し刺激が欲しいのが正直なところだ。
僕としてはジャケが日本風なので、もう少し和的なものを期待したけど、残念ながらそういう世界観はなかった。

Iron Maiden – The Writing On The Wall (Official Video)


ライオネル・リッチー「ライオネル・リッチー」「オール・ナイト・ロング」「セイ・ユー、セイ・ミー」

ライオネル・リッチーの80年代に出した初期3作である。
当時はマイケル・ジャクソンやプリンスと並ぶ人気があったと思うし、楽曲のクオリティーも高かったけど、大きく差がついてしまったように思う。
それは大ヒット連発してたのに突如として表舞台から退いたことと、曲調がポップすぎて、あまりファンクやR&Bを感じないからだろう。
ソロ1枚目ではまだコモドアーズ時代を髣髴させるファンクっぽさが残ってるものの、2枚目からは黒さが落ちてAOR色が濃くなっている。
また、この時代のヒットに欠かせないバラード曲の出来がすこぶる良い。

Love Will Find A Way


Lionel Richie - Truly