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Music Mania

No Music No Life

ロン・ウッドとローリング・ストーンズ

2021年09月05日 | 音楽
ロン・ウッドの1974年のソロアルバム「俺と仲間」を聴いている。
同じ年に発表されたエリック・クラプトンの「461オーシャンブールバード」にも通じるレイドバックした緩さが心地よいアルバムだ。
これを聴くと、ロンがローリングストーンズの3代目ギタリストに抜擢された理由がなんとなくわかる気がする。


世界一のロックバンドのギタリストだからといって、その人自信が世界一のロックギタリストとは限らない。
世界一なんていっちゃうと、じゃあ誰が2位で誰が3位なんだとかいう話になってしまうので、世界トップクラスとしておこう。
まずはキース・リチャーズ、この人は世界トップクラスで間違いない。
ストーンズの成功への貢献度といい、名リフメーカーであることといい、知名度や人気も含めて世界トップクラスだ。
じゃあ、もう一人のギタリストであるロン・ウッドは?
ロン・ウッドのギタープレイの特徴は?
これってロンのファン以外、パッと答えられる人って少ないのではないかな。


ストーンズ加入前はフェイセズにいた。
ボーカルはロッド・スチュワートで、ストーンズほどではないけど、人気バンドの一つだった。
その前はやはりロッドと共にジェフ・ベック・グループにいた。
これはなかなかの経歴である。
王道といっていい。
ロック街道ど真ん中を歩いてきた人物である。
そのロック街道ど真ん中っぷりがよくわかるのが、ロンのファースト・ソロ・アルバム「俺と仲間」だ。


まずゲストがすごい。
時期的にはフェイセズとストーンズの間になり、そのせいかフェイセズとストーンズのメンバーが参加している。
1曲目なんて、ミック・ジャガーとロッド・スチュワートのダブルボーカルである。
ちょっとソロアルバム作るから手伝ってくれないか、といってミックとロッドが来てくれる人なんて、世界中探してもそんなにはいないはずだ。
その他、キース、ミック・テイラー、イアン・マクレガンといったストーンズ、フェイセズ人脈に、スライ・ファミリーストーンからアンディ・ニューマークなどが参加している。
さらい楽曲提供としてジョージ・ハリスンの名前も入っている。
これらの一流ミュージシャン勢揃い状態だけど、なんとなくロンが頼んで来てもらったのではなく、向こうから来てくれたんじゃないかなという気がする。


このあとストーンズからミック・テイラーが抜けたので次のギタリスト探しが始まる。
いわゆる「グレート・ギタリスト・ハント」が始まるのだ。
誰もが知ってる有名ギタリストから無名の人まで、かなりのギタリストがオーディションに参加したけど、まったくダメだったらしい。
そうこうしてるうちにフェイセズが解散したので、ストーンズ側からロンにオーディションの誘いがくる。
するとロンがスタジオに入ったその瞬間に「お前しかいないよ」と即決されたのだった。

このエピソードから察するに、ロンがストーンズに選ばれた理由は、ギタープレイではなくメンバー、とくにキースとの相性だったのだろう。
以降46年、ずっとストーンズのメンバーとして仲良くギターを弾いているのを見ると、この選択は完全に正しかったことがわかる。
ロンのルックスやステージでのパフォーマンスを見ると、キースやミックと同じ、ヤンチャでちょいワルのロックオヤジに見える。
でも案外、細かい気遣いが出来る大人な人なのだろう。
そういう人物だからこそ、彼のソロアルバムには豪華なゲストが自然と集まったのではないだろうか。

Ron Wood - I Can Feel The Fire

ディスカバークイーン その6

2021年09月04日 | 音楽


西脇さんのクイーンズクロニクル
アルバム「オペラ座の夜」の解説

一曲目、転調が多くてとても難しい曲。
レコーディングも非常に凝っている。
二曲目、ボーカルを古いラジオみたいな音質にするため、工夫を凝らしている。
三曲目、ロジャーの曲
ボーカルとフィルインのタイミングが被っていないので、ライブで歌いやすい。
B面1曲目、フレディはディレイマシンで遊んでいて、ライブごと違う歌詞で歌ってたりする。
2曲目、ブライアンがハープを弾いている。
コードごとに別々にレコーディングしてたのではないか?
3曲目、いろいろな音が聴こえてくるが、全てギターで出してデキシーランド風のサウンドを出している。
ボヘミアンラプソディー、効果音にシンバルの音を加工して使ってることが多い。

・4時間スペシャル
盆to Love You 馬胡瓜 2021夏

・リスナーが選ぶ「あがるクイーンナンバー」

1.ボーン・トゥ・ラブ・ユー  
2.ハマー・トゥ・フォール  
3.タイ・ユア・マザー・ダウン  
4.ムスターファ
5.キラー・クイーン
6.アンダー・プレッシャー
7.オウガ・バトル
8.ウィー・ウィル・ロック・ユー
9デス・オン・トゥ・レッグス
10.フラッシュのテーマ

・インタビュー、東郷かおる子さん

クイーンを日本に広めた人
初めてクイーンの白盤(宣伝用のレコード)を聞いて衝撃を受ける。
写真を見て、ロジャーがボーカルだと思った。
ブライアンはギターだとすぐわかった。
フレディは何してる人かわからなかった。
当時、イギリスのバンドは下手くそが多い。
対してアメリカのバンドはデビュー前にライブで鍛えてるので上手かったので、イギリスのバンドであるクイーンは不安だった。
モットザフープルの前座で、クイーンを初めて見る。
これはカッコいい
日本の女の子に絶対うけると確信する。
ロック少女と言われる人たちが日本に登場する。
男子の影響ではなく、女の子が自分で自分の好きなロックを聴く時代。
レッドツェッペリンやディープバーブルみたいなムキムキでマッチョな感じではなく、クイーンはヒラヒラして宝塚みたいで受け入れやすかった。
取材は大変だった。
とくにフレディはわがままで振り回された。

短髪ヒゲにイメージチェンジしてからのフレディは、変だけど面白いおじさん
年齢と時代の変化に対応していた。

80年代ようやくアメリカでも成功をおさめる。
85年、最後の日本公演。
そのあとライフエイド、絶賛されて自信を取り戻しヨーロッパツアーに出る。
そのあとお忍びでフレディ来日、日本の土産、焼き物などをたくさん買う。
最後のアルバム、イニュエンドウは最後の力振り絞った作品だった。

・リスナーが選ぶジョン・ディーコン・ナンバー

1.永遠の翼
2. マイ・ベスト・フレンド
3. 地獄へ道連れ
4. ブレイク・フリー
5. 恋の行方
6. ユー・アンド・アイ
7. 夜の天使
8. バック・チャット
9. 愛ある日々
10. セブン・デイズ

・シン女王様物語スタジオライブ
パッパラー川合(G、VO)
西脇達也(KEY)
サンプラザ中野くん(VO)
による直訳クイーンの生ライブ

・リスナーが選ぶあなたの好きなクイーンバラード

1.レット・ミー・リヴ
2.ラブ・オブ・マイ・ライフ
3.ネバー・モア
4.セイブ・ミー
5.ジェラシー
6.悲しい世界
7.テイク・マイ・ブレス・アウェイ
8.オール・デッド
9.リプ・フォーエバー
10.ライフ・イズ・リアル

雅楽士の東儀秀樹
幼少時は海外で過ごし、ビートルズなどのロックに触れる
帰国してクイーンに出会い、中学生のとき初来日ライブを見る
サードアルバム「シアーハートアタック」を買ったとき、1曲目の高い声に戸惑うものの大好きになる
息子が14の時、ブライアンのレッドスペシャルのエピソードに影響受けてオリジナルギターを作って息子にあげる。
名前はトウギスペシャル
それがとても出来が良かったので、自分用にもう一本作ってしまう。

第二回コピーバンド選手権
ゲストはローリー、前回と同じく正統派バンドではなく個性派ばかりが選ばれる。
ソロでの参加が多く、インコに歌わせてるものから、瓶笛とか、子供の参加とか。
誰もが気軽に参加出来るように敷居が低くなっている。

チャーリー・ワッツ

2021年08月28日 | 音楽
ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツさんが亡くなった。
現役ロッカーとしては最も高齢なミュージシャンの一人だったけど、いざ訃報が届くとやはり驚いてしまう。
ストーンズサウンドになくてはならない人だったので、今後バンドはどうなるのだろう?


チャーリー曰く「俺はジャズドラマーである。ジャズドラマーがたまたま世界一のロックバンドにいるだけさ」とのこと。
たしかに、彼のドラムセットはジャズセットのように見えるし、スティックの持ち方もジャズドラマーに多いレギュラーグリップである。
ただ、ストーンズの音楽は典型的なロックサウンドなので、チャーリーのドラムもとくにジャズっぽいとは感じない。
プレイスタイルとしては、ジョン・ボーナムやキース・ムーンのような自己主張の強いタイプではなく、リンゴ。スターのようなバンドのボトムを支えるタイプだ。
この手のドラマーは過小評価され勝ちで、おそらくチャーリーも過小評価されてる一人だと思う。

THE ROLLING STONES - Honky Tonk Women


チャーリーのプレイスタイルでとくに印象的なのは、スネアを叩くときハイハットを止めるやり方だ。
ライブ映画「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」で初めてそういう叩き方をしてるのを知った。
こうすることにより、スネアの音をよりいっそう響かせることが出来るという。
これは賛否両論があり、例えば山下達郎なんかは「絶対ダメ」と否定している。
理由は、ハイハットを止めるとそこでグルーブが途切れるからとのこと。
しかしストーンズを聞いてノリが悪いと感じる人は皆無だろう。
これはチャーリーだからこそ、あるいはストーンズのメンバーにしか出来ない奇跡的なリズム感なのかもしれない。
(チャーリーのこのスタイルはデビュー当時からのものでなく、途中で彼自身が作り上げたものである。60年代の映像を見ると、スティックはマッチドグリップだし、ハイハットも止めていないのがわかる)

The Rolling Stones - The Last Time - Live


最後にチャーリーのジャズドラマーとしての活躍を見てみよう。
90年代からストーンズとは別にジャズドラマーとしても活躍していて、ライブ活動も行なっている。
元々シンプルなプレイスタイルだけど、ジャズをやってもそのシンプルさは変わらない。
あくまでも縁の下の力持ちな人だったのだ。

Charlie Watts - (Satis)Faction

ヴァシュティ・バニヤン

2021年07月31日 | 音楽
レコードジャンキー富和というウェブ漫画がある。
主人公は重度のレコードコレクターで、マニアによるマニアのためのマニアしか面白くない漫画だ。
僕はレコードコレクターではないけど、古いロックの話なのでアップされるのを楽しみにしている。
今日は最近アップされた第6話から。

富和(クマ?)は朝のテレビで最近はレコードの人気が上がってると知る。
ついにこの時が来たか!と早速学校でレコード部を作ろうと部員を募集するが、誰も興味を持たない。
そこへ一人の少女が入部を希望してくる。
一枚だけおばあちゃんにもらったレコードを持ってるという。
そのレコードはなんとブリティッシュ・フォーク・シーンが誇る大名盤、ヴァシュティ・バニヤンの1970年デビュー・アルバム『Just Another Diamond Day』だったのだ。

というお話だけど、そのヴァシュティ・バニヤン「Just Another Diamond Day」は現在市場価格で30万円から50万円で取り引きされてるという。
というのも、発売当時ぜんぜん売れなかったのだ。
なので元々出回ってる枚数がとても少ないのである。
しかし実際にこのアルバムを聴いた人は、これヤバくね?と称賛していて、年々評価が高まっていく。
おかげで中古レコード市場では需要と供給のバランスが崩れ、プレミア化したのだ。
最近ではブリティッシュフォークの最高傑作の一つに数えられるほど高い評価を得ていて、もちろんCDで買うことも出来る。

希少価値の高いアナログレコードは数十万円という高額だけど、CDなら普通に1500円〜2500円くらいで買えるし、サブスクならタダ同然で聴くことも出来る。
YouTubeにもあるので、スマホかPCさえあれば勝手に全曲聴ける。

僕はこれをDLして聴いてみた。
か細いボソっとしたボーカルとアコースティック楽器だけの音楽で、電気楽器やリズム隊はなし。
フォークとは言っても日本の四畳半フォークみたいなのとはぜんぜん違う。
古いイギリスの民謡(フォーク)ってこんな感じなんだろうなと思わせるシンプルで優しい音だ。
田舎町で村人が集まって長閑に音楽を楽しんでる、そんな風景が目に浮かぶ。
不思議な中毒性があって、4周も連続して聴いてしまった。

Vashti Bunyan - Just Another Diamond Day, FULL ALBUM 1970 (Proto-freakfolk)

ディスカバークイーン その5

2021年07月31日 | 音楽


7月度のディスカバークイーンまとめ。

西脇さんのクイーンズクロニクル

シアーハートアタックから。
ブライアンのギターとディレイマシン。
ディレイ(やまびこ効果)を使いこなすには、しっかり計算されたアレンジを作らなければならない。
ロジャーのドラムプレイの特徴に2拍目と4拍目でハイハットを開けるというのがある。
こういうプレイはロジャー以外のドラマーではほとんどいない。
また、クラッシュシンバルを叩いた直後に手でミュートする方法も多様する。
この奏法は他にスティーブポーカロも多用している。
神々の業、冒頭のフレディのボーカルはテープの回転を落としてキーを下げている。
ストーンコールドクレイジーはスピードメタルの元祖?
メタリカもカバーしている。
この曲のロジャーのドラムはリズムが跳ねているけど、ギターベースは跳ねていない。

パッパラー川合の萬相談室

英語の曲を聴かない友人に勧める洋楽。
まずは親しみやすい日本語のサビの曲はどうか?
ということでオススメ曲は「手を取り合って」

朝日順子の歌詞解説

クイーンの歌詞、とくに70年代後半以降の歌詞はとてもわかりやすい。
その歌詞の分かりやすさが世界的な人気に繋がっている。
ボヘミアンラプソディーの歌詞。
古いイギリスの音楽文化であるミュージックホールを意識している。
昔のミュージックホールは、バラエティショーみたいなもので、例えばビートルズのサージェントペパーなんかもミュージックホールを意識した作品である。
ボヘミアンラプソディーはクイーン版サージェントペパーのようなもので、バラエティ豊かな作品に仕上がっている。

クイーンズコミュニティ

今回のゲストは戦場カメラマンの渡辺洋一氏。
出会いはグレイテスト・ヒッツの「バイシクルレース」。
この曲にはまって自転車趣味になり、今も自転車、とくに坂道を登る「坂バカ」になる。
また紛争地帯にいると心が折れそうになることがあるが、そんなときに聴くのは「アンダープレッシャー」。
紛争地帯にはいろいろな人がいて、現地の人だけでなく取材関係の人やスタッフもいる。
みんな休憩のときは音楽を聴いている。
映画ボヘミアンラプソディーの中で印象的だったのは、クイーンがまだ駆け出しの頃に暴走気味でやってた曲『ドゥーイング・オールライト」(渡辺洋一氏は炎のロックンロールと勘違いしてる?)
最後に選ぶ曲は「ラブ・オブ・マイ・ライフ」、フレディ自身がいろいろな人と出会い、向き合う曲。