goo blog サービス終了のお知らせ 

Music Mania

No Music No Life

ラッシュ!

2023年02月19日 | 音楽
マネスキン「ラッシュ!」

イタリア発のロックバンド、マネスキンの最新アルバムである。
彼らの3作目にして、いよいよ世界的なバンドになったようで、アメリカでも大好評のようだ。
それもそのはず、歌詞を英語中心にしてきたのである。
さらに前作よりポップさが増して、だいぶ親しみやすくなった。
曲もコンパクトで、リフ作りやコード進行も気をてらうことなく教科書通り的な予定調和感がある。
では、どこで彼ららしさが出ているかといえば、歌メロだと思う。
モダンで、意外性もあるし、しっかりロックしていて彼らの個性はしっかり残されているところがいい。
1曲だけベタな80年代風バラードがあるけど、普通にいい曲だし、メロディメーカーとしても秀逸の出来栄えだ。
そしてアクの強いボーカルの声質、好き嫌いが分かれるくらいでちょうどいい。
このバンドの強みは、前世紀的なロックスピリットと、現代的なモダンさの絶妙なバランスだろう。
80年代のLAメタルや90年代のオルタナやグランジの焼き直しではなく、ヒップホップなどのエッセンスが感じられ、しかし決してそれらが主張されることはないのである。

ルイ・トムリンソン

2023年01月28日 | 音楽
ルイ・トムリンソン「フェイス・イン・ザ・フューチャー」

ルイ・トムリンソンはハリー・スタイルス同様元ワンダイレクションで、同じくソロでも大活躍中だ。
そんな彼の昨年秋に発表されたニューアルバムがとてもいい。
ハリー・スタイルスのようなポップスではなく、哀愁のギターロックである。
それもオアシスやビートルズに通じる王道英国ロックで、憂いのあるボーカルが渋さをも感じさせる。
なんといってもメロディラインが素晴らしい。
この展開だとサビはこうなってくれるとカッコいいのだが、という期待を裏切らない取っ付きやすさがある。
最近の洋楽はちょっとという人にもおすすめだ。

Louis Tomlinson - Bigger Than Me (Official Video)


ルイ・トムリンソン「ウォールズ」

ルイ・トムリンソンの2020年に発表されたファーストソロアルバム。
新作が良かったので大ヒットしたらしい1枚目も聴いてみたのだが、やはり捨て曲なしの傑作だった。
同じくブリティッシュロック風味で、元々こういうのを聴いて育ったのだろうか、とてもしっくり来ているように感じる。
僕はワンダイレクションを聴いたことがないのでその頃のスタイルは知らないのだが、今の路線は大正解だろう。
個人的にはハリーよりこっちが好きだ。

Louis Tomlinson - Don't Let It Break Your Heart (Official Video)

ジェフ・ベックのファンではないけれど

2023年01月19日 | 音楽
ジェフ・ベックが亡くなった。
ご冥福をお祈りします。

僕はジェフ・ベックのファンではないけれど、彼のアルバムはだいたい聴いている。
とくにフラッシュまでの作品はハズレがない。
3枚選ぶとすれば、「ベック・オラ」「ジェフ・ベック・グループ」「ブロウ・バイ・ブロウ」になるだろう。
ブルースロック、ソウル、フュージョンと3枚それぞれ全くカラーが異なるのがすごいが、それだけ彼の音楽性の広さがよくわかる。
そして、どのアルバムでのプレイもエモーショナルな彼の個性が発揮されていて、毎回名だたる凄腕ミュージシャンをバックにしながら、堂々たるプレイを聴かせてくれた。

僕はジェフ・ベックのように弾きたいと思ったことは一瞬たりとも無いが、彼は自分のスタイルを確立していて、それは常に進化していた。
表現の幅を広げるためにピックを捨てて指弾きに転じたのもそうだし、トーキングモジュレーターを使ったのもそうだ。
そしてデジタル化にも対応し、時には前衛的とも言える斬新な音楽にもチャレンジしていた。
昨年のジョニー・デップとの共演アルバムでは、再び従来のロックサウンドに帰ってきたようなプレイも聴くことが出来た。

YouTubeなどでジェフ・ベックの映像を見ることはほとんどないが、ライブは行ったことがある。
ボーカリストのいないインストロックだったが、それはそれは素晴らしいものだった。
実際それを目の当たりにすると、もはやボーカリストは不要で、ジェフのギターの存在感が際立っていた。
非常にシンプルなバンド編成でありながら、いやそうであったからこそ、ジェフのギターがより一層際立っていて聞き応え満点なライブだった。

僕のギタープレイの中にジェフ・ベックの影響は1ミリもないけど、何曲かコピーしたことはある。
前バンドでは練習の合間に「スキャッターブレイン」や「レッドブーツ」をセッションしたこともあった。
最近では、昨年夏に「悲しみの恋人たち」をコピーした(中間ソロのみ)。
歌うように弾く、というのがよくわかり、だけどジェフの表現力の足元にも及ばない。
チョーキングの速さやビッチ、ビブラートの幅など、人間味あふれる絶妙なさじ加減でそれらを駆使し、ここまでボーカリストのように弾けるのはジェフしかいない。

僕はジェフ・ベックを決してギターの神様のようには崇拝しないけれど、今後も彼の出した曲は聴き続けるだろうし、コピーもしていくだろう。

クリスマスソングの聴きすぎに注意

2022年12月24日 | 音楽
今朝ネットで見かけた投稿で、クリスマスソングが大好きで一年中聴いてるという人を見かけた。
クリスマスソングはいい曲が多いし独特の雰囲気があるので気持ちはわからんでもないけど、さすがに一年中も聴きたいとは思わない。
きっとその人は毎年ハッピーなクリスマスを迎えていて幸せなんだろう。
いいことではある。

その反面「クリスマスソングの聴きすぎはメンタルに悪影響」という記事もあったので読んでみた。
それは小売店などで12月に入ると好むと好まざる関係なく一日中クリスマスソングが流れる環境になり、そこで働いている人はメンタルがやられることがあるということ。
誰もがクリスマスをハッピーな日だと思ってるわけではないし、リア充に過ごさねば、という焦りだったり、元々そういうのか苦手だったり、いろいろあるんだろうけど、そういう環境にいる人は選択の余地なくクリスマスソングを延々と聞かされることになるのだ。
そのせいで心が病むことがあるという。

ところで今週の全米シングルチャートを見ると、上位にクリスマスソングがズラリと並んでいるのがわかる。
とくに1位がマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」なのは驚きだ。
さらに9位にはワム!の「ラストクリスマス」まで入っている。
こういうのって、日本でいえば山下達郎がクリスマス時期になると毎年上位に入ってくるみたいなものだろう。
この手の定番曲は、これを聞かなきゃクリスマスな感じがしないような気がするからだろう。

1.All I Want For Christmas Is You/Mariah Carey
2.Rockin Around The Christmas Tree/Brenda Lee
3.Jingle Bell Rock/Bobby Helms
4.Unholy/Sam Smith & Kim Petras
5.Creepin/Metro Boomin,The Weeknd,21 Savage
6.Anti-Hero/Taylor Swift
7.A Holly Jolly Christmas/Burl Ives
8.Superhero(Heroes&Villains)/Metro Boomin,Future,Chris Brown
9.Last Christmas/Wham!
10.Rich Flex/Drake & 21 Savage

40周年

2022年12月17日 | 音楽
マイケル・ジャクソンの歴史的名盤スリラーが発売されて今年で40年だという。
40年前といえば1982年だが、僕の記憶では1983年のイメージだ。
発表されたのが82年で、大ヒットして話題になったのが83年なのだろう。
というわけで40周年記念アルバムが発表されたので早速DLした。

今更説明不要の前代未聞アルバムは、今も世界一売れたアルバムの記録を保持し、今後抜かれることはないだろう。
そして、全9曲中7曲がシングルカットされ全て全米トップテンヒットというバケモノアルバムである。
おそらく本人もここまでの大ヒットになるとは予想していなかっただろう。
今あらためてこれを聴くと、80年代というものを象徴するようなサウンドで、次作バッドほどゴージャス感がないのがいい。
適度に華やかで、適度にポップで、多くの人に受け入れられやすい親しみやすさに溢れている。
よくこのアルバムは黒人音楽からの脱却とか、RアンドBを超えたみたいにいわれるけど、僕の感覚としては白人の一般的なポップ作品よりかなりブラック要素が強いと思う。
たしかにボール・マッカートニーとの共演や、スティーブ・ルカサーやエディ・ヴァン・ヘイレンといったロック畑のギタリストを使うなど、かなり意識してるのはわかるけど、出てくるサウンドはやはりソウルフルでファンキーな色が出ている。

さて、この40周年版の目玉となるのは10曲目からの未発表曲や未発表デモで、「スリラー」の原曲である「スターライト」以外はこのアルバム用に準備されたけど収録されなかった曲である。
どの曲もクオリティは高く、なぜ収録されなかったのだろうと思うほどだが、この中の1曲でも入れ替わってたら記録的セールスに繋がっていなかったかも知れず、判断は非常に難しい。
かなり異色に感じるのはYMOのカバーである「ビハインド・ザ・マスク」で、後にアルバム「マイケル」に収められたバージョンよりYMO色が濃い。
それ以外のアルバム制作時に採用されなかった曲の特徴としては、ファンク、ソウルなど黒人要素の強い曲が多いことだ。
それだけこのアルバムは、人種の壁を越えたものにしたかったということで、見事それは成し遂げられたのだった。

もう一つ40周年アルバム。
こちらはキッスの「暗黒の神話」の40周年記念アルバムで、もちろんスーパーデラックス版はたくさんのオマケ付きなのは言うまでもない。
内容は暗黒の神話本編リマスター音源と、同時期のベスト盤である「キラーズ」の新曲4つ、未発表曲3曲、そしてそれらのデモ音源、さらに82年ツアーのライブ音源だ。
リマスターについては音質オンチの僕はよくわからないが、低音域がしっかり出ていて現代的なサウンドとなっている。
未発表曲となるのは「デッドリー・ウェポン」「フィール・ライク・ヘブン」「ベドレイト」で、とくにジーンの歌う「フィール・ライク・ヘブン」がいい。

「アライブ2」で世間の人気は頂点を迎えるものの、メンバー間の亀裂が浮き上がり、空中分解していくことになる。
AORにディスコ、ポップロック、コンセプトアルバムなど試行錯誤した結果、キッスが出した答えがこの「暗黒の神話」のハードでメタリックなサウンドだ。
今思えばこれは大正解で、70年代と比較すると人気や話題度は落ちたかもしれないが、見事に80年代を生き残ることが出来たのは、このハード路線に舵をきったおかげだと思う。

82年のライブ音源は、高音質でこの時期のライブが楽しめるのはいいのだが、なぜかヴィニーのギターがイマイチである。
後の「リック・イット・アップ」ツアーのような弾きまくりではなく、また有名なブラジル公演よりもだいぶ控えめに弾いているのがよくわかる。
腕もセンスもあるギタリストなので、もっと全面に出すべきだったと思う。
最後にツアーSEというのが入っていて、この頃のステージセットである戦車をイメージした、キャタピラ音や走行音などがいくつか入っている。
激レアではあるものの、超マニア向けなものだ。