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Music Mania

No Music No Life

平和の祈りをこめて

2023年08月15日 | 音楽
平和の祈りをこめて(その1)

ザ・プラスチック・オノ・バンドが1969年に発表したライブアルバム「Live Peace in Toronto 1969」.邦題「平和の祈りをこめて」は、即席バンドによるふっつけ本番ライブだったとして知られている。
かなり強引にメンバーを集めて、飛行機の中で打ち合わせをして、そのまま本番という計画性のなさだけど、普通に聴けるレベルで演奏しているのはさすがだと思う。

このライブはあの伝説のフェス「ウッドストック」の4週間後にカナダで行われたロックフェスで、テーマはロックンロールリバイバル。
出演はロックレジェンドである、チャック:ベリー、リトル・リチャードなどの他、当時の若者バンドであるシカゴやドアーズら、そしてトリにジョンとヨーコらのプラスチック・オノ・バンドだった。
ウッドストックや悲劇のオルタモントフリーコンサートに比べると知名度に欠けるフェスだけど、ロック史における最重要なフェスの一つと言われる。

で、このフェスのドキュメント映画が10月に上映されるという。
ちょっと見てみたい映画だ。

john lennon and the plastic ono band sweet toronto 1969


平和の祈りをこめて(その2)

終戦記念日になると、あちこちで平和の祈りをこめた催しが開かれる。
戦争体験者は決まって「戦争は絶対にしてはならない」という。
僕もそう思う。
しかし、「戦争をしない」という決断は、「戦争します」と同じくらい覚悟のいることである。
果たして、そこまでの覚悟をもっているのだろうか?

よく「話し合いで解決など出来ない」という人がいる。
もし、本気で「絶対に戦争はしない」と強い意志を持ってたら、回避できるのでは、と僕は思う。
例えば、国境付近の小さな島を巡ってもめているとする。
そんななか、相手国の軍隊が島を占領したらどうなるか。
絶対に戦争はしないと硬い決意のもと、遺憾の意を伝え、それでも自衛隊は出動しない。
最悪、戦争を回避するためなら、その島は相手国にくれてやってもいいと思う。
国民に出来ることは、島を譲る決断をした政府を「戦争を避けてくれた素晴らしい政府」と評価することである。
こんなことを書くと「お前は売国奴か」と非難する人もいるだろう。
しかし、最も国民の命、財産を守る方法は、なんとしても、どんな手段を用いても、戦争を避けることなのだ。
ウクライナはそうしなかった。
だから多くの国民が死んだ。
これからもっと死ぬだろう。

そうならないために、日本の防衛費を増やして自衛隊の軍備を増強しろ、という意見もある。
中には核武装しろという意見もある。
もし、日本の予算が有り余るほどあるのなら、武装強化はある程度の抑止力にはなるだろうけど、核武装は世界が許さないだろう。
日本は唯一の被爆国として、核廃絶を叫んでいかなければならない立場なので、核武装なんてしたら、世界から孤立する恐れがある。
核廃絶はこの先100年から200年くらいかけて、核のない世の中を希望し続けて訴え続けなければならない。
そうすると、200年後くらいには核保有国がなくなってる可能性がゼロではないだろう。

たまに、相手国が突然軍事攻撃してきたらどうするんだ、みたいなことを言う人がいる。
その可能性は限りなく低いのは歴史が証明している。
鎌倉時代の元寇だって、いきなりモンゴル軍が攻めてきたのではなく、その前になんどか使者がやってきてるし、豊臣秀吉だっていきなり朝鮮半島に攻め込んではいない。
中世の時代でさえそうなのだ。

ミラー・トゥ・ザ・スカイ

2023年06月11日 | 音楽
イエスの新作が出た。
ジョンが抜け、クリスとアランが亡くなった今、ほとんどスティーブ・ハウ・バンドな状態なのだが、今回の新作、まごうことなきイエスサウンドになっている。
これを聴くと結局イエスというのは、イコールハウなのか?と思うほどイエスらしさに溢れているのだが、それは他のメンバーがかつてのメンバーに対するリスペクトがあるからだろう。
ジョン・ディビソンのボーカルはどこまでもアンダーソン的だし、ビリー・シャーウッドにはクリスが乗り移っているかのようだ。
そして、2023年に出す新作アルバムとしてあまりにも時代錯誤なプログレッシブロックが繰り広げられる。
往年のイエスサウンドや昔のプログレが聴きたい人にだけアピール出来たらいい、若いファンの習得は諦めた、という潔さすら感じられるのだ。

最近では、ギターソロ不要とか、イントロすら飛ばしてしまうという人がいるなか、そんなことどこ吹く風とばかり、曲は長く、そして複雑である。
じっくり腰を据えて聴きたいアルバムといえよう。
ロックに芸術性を持たせたり、クラシック的な手法を積極的に取り入れていた70年代初期のようだ。

今回の新作は、どことなく海洋地形学の物語を彷彿させる。
とくに表題曲は14分くらいある長い曲だが、すこしオリエンタルな雰囲気やアコギのフレーズなどに「古代文明」っぽさを感じる。
こういうのは、いわゆる「ながら聴き」ではなく、しっなり集中して聴いた方がいい。
イントロだけで3分、ハウのギターがかっこいい。
この人、見た目はとっくに枯れ果ててるのに、音楽の才能は枯れるどころか、まだまだ溢れ出てくるようだ。

Mirror to the Sky

本当に聴かれてるアルバム

2023年03月25日 | 音楽
すごく売れた曲がすごくいい曲であるとは限らないし、ほとんど売れてなくてもすごくいい曲もある。
ただし、すごく売れた100曲とほとんど売れなかった100曲を比べたら、売れた曲の方がいい曲率は高いのは間違いない。
なので、いい音楽を探そうとするなら、売れた曲から探すのが近道だと思う。
中には、すごく売れて入るけれど、いわゆる
ジャニーズ商法とかAKB商法みたいなやり方で、あまり聴かれていない曲もたくさん存在する。
ということで、沢田太陽さんの企画、「ストリーム時代に世界で本当に聴かれているアルバム」を見ると面白い。
これは、Spotifyのストリーム回数からみると、売り上げではなく本当に聴かれているアルバムはなんなのかがわかるというもので、それをアルバム単位で集計してあるのだ。
とくに20世紀に発表された作品はもうすでに20年以上前ということで、今の若者が生まれる前の作品がほとんどになる。
それでもなお、今も聞かれ続けてるアルバムはなんなのか?

集計のやり方や、細かい考察はリンク先を読んでいただくとして、ここからは僕の感想になる。
まず、ここで選ばれたアルバムをアーティスト別に枚数を調べてみた。

ビートルズ 11枚
レッドツェッペリン 6枚
ブラックサバス 2枚
ローリングストーンズ 2枚
ピンク・フロイド 5枚
クイーン 2枚
アバ 3枚
フリートウッドマック 2枚
AC/DC 2枚
マイケルジャクソン 4枚
ダイアーストレイツ 3枚
メタリカ 5枚
ザ・スミス 3枚
ガンズ 2枚
ニルバーナ 3枚
U2 2枚
オアシス 4枚

まず、予想通りとはいえ、ビートルズ最強である。
もう別格の存在である。
ビートルズ以外だと、ツェッペリン、フロイドがやはり強い。
今もこれらのアルバムを聴いてる人がいかに多いかがわかる。
そして、60年代70年代はブリティッシュロックの時代だったことがわかる。
70年枚後半からアメリカの時代になってくる。
80年代以降はマイケル・ジャクソン、メタリカ、オアシスが強い。
ちょうどレコードからCDに変わってきたのもこの時期だ。
で、結局のところ、アルバム単位で聴かれてるのはロックが多いということだった。
ポップスはシングルは強いけど、アルバムとしてはあまり聴かれてないようだ。

これが21世紀以降になると、ポップス、ヒップホップが強くなってくる。
そして今の若者のリアル世代になってくるので、ストリーム回数も億超えが出てくる。

話を最初に戻すと、売れてる音楽ではなく、聴かれてる音楽、多くの人が聴いてる音楽は、ほとんど聴かれていない音楽より当たりは多いだろう。
これから、なにかまだ聴いたことのないいい音楽はないかな、と探す人はストリーム回数から探すというのが現代的なのだ。

パラモア

2023年03月12日 | 音楽
パラモアというバンド、僕はぜんぜん知らなかったけど、ニューアルバムが初登場2位で入っていたので聴いてみた。
基本的にはロックンロールバンドだと思うけど、アレンジや歌メロに個性があり、これはなかなかいいぞ、と早速DLして聴いている。
ボーカルは女性で、線は細いものの魅力的だし、またしてもイキのいいバンドか出てきたと思ったら、それは間違いだった。
デビューは2005年というベテランで、グラミー賞をとったこともある大物バンドだった。
日本でも大人気で5回も来日ツアーをやってるという、洋楽好きなら知ってて当たり前の存在のようだ。
最近は意識して今の音楽を聴くようにしてるけど、まだまだ知らないことだらけである。

パラモアのメンバーはボーカルのヘイリー・ウィリアムスが中心のようだけど、あとはよくわからない。
いや、わかろうと思えばわかるのだが、コロコロとチェンジしてるようなので、別に覚えとく必要もないだろう。
エモ系のロックンロールだけど、ギターの音は限りなくクリアに近い。
カッティングのキレがよくファンキーで、リズムの激しさがかっこいい。

で、このバンドのライブはYouTubeでいくつも見ることが出来る。
わりとおとなしめのスタジオ作に対し、ライブはかなり熱いようだ。
とくにボーカル、ヘイリーがメチャクチャかっこいい。
デビューから18年になるので、もう若くはないはずだが、キレッキレのパフォーマンスで思い切りシャウトしている。
今はライブをスマホで撮ってくれる人がいるおかげで、手軽にライブ動画を楽しむことが出来る。
ありがたいことです。


Paramore - This is Why, C'est comme ca - Phoenix, Arizona - February 9, 2023

2023 グラミー賞

2023年02月19日 | 音楽
グラミー賞の結果発表があった。

主要4部門から最優秀アルバム賞を取ったのはハリー・スタイルズの「ハリーズ・ハウス」だった。
このアルバムは僕も昨年夏くらいからよく聴いてるけど、たしかにいいアルバムだと思う。
1曲目の「スシレストラン」はAppleのCMでよく流れていたので知ってる人も多いだろうし、大ヒットナンバー「アズ・イット・ワズ」もキャッチーでいい曲だ。
2022年を代表するアルバムとして相応しいだろう。
最優秀ポップボーカルアルバム部門でもこのアルバムが受賞している。

ポップソロ賞をとったのはアデル「イージー・オン・ミー」。
アルバム「30」の2曲目に入ってる曲で、少しレトロ調なのがいい。
アデルはほとんど捨て曲がない人で、他にもいい曲たくさんあるのに、と思ったけど。

ロックアルバム賞はオジー・オズボーン「ペイシャント・ナンバー9」がとった。
このアルバムからもう1曲、オジー・オズボーンftトニー・アイオミ名義で「デグラデーション・ツール」がメタル演奏歌唱賞をとっている。
知っての通りオジーは4年前に大ケガをして、その治療はあまり進んでおらず、ライブツアーからの引退を表明した。
レコーディングはこの先も続けるかもしれないけど、年齢も年齢なので先はわからない。
そんな中のグラミー賞受賞は彼を勇気づけて、元気の源になるといいのだが。

そして宅見将典である。
最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞」に宅見将典のアルバム『SAKURA』が選ばれた。
なぜか日本でほとんど話題になってないけど、すごく和を感じる作品なので是非聴いてみてほしい。
これぞ日本の音楽、という趣が感じられる。

Sakura - Masa Takumi feat. Ron Korb & Nadeem Majdalany (65th Grammy Winning song )