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Music Mania

No Music No Life

ミッドナイツ

2022年12月04日 | 音楽
テイラー・スイフト「ミッドナイツ」

コロナ禍のなか、驚くほど多作なテイラーによる新作アルバムである。
前2作がアコースティックでおとなしい内容だったのに対し、今回はエレクトロニクス路線だ。
そして非常にクオリティが高い。
最高傑作といっていいレベルである。
曲作りは前作や前々作に近いものの、より親しみやすさが増しており、キャッチーなメロディラインで気負うことなく聴くことが出来る。
それはチャートにもしっかり現れていて、1位から10位までをこのアルバムからの曲で独占するという異常事態といっていい状況になっている。
ちなみにこのアルバム、13曲入り、14曲入り、20曲入りとあるけど、おすすめは20曲入りのほうだ。
理由は最後まで捨て曲なしだから。


シカゴ「ボーン・フォー・ディス・モーメント」

シカゴの新作が出た。
ブラスロックのパイオニアの一つであるベテランバンドが今も現役で新作を出してくれるなんて、これはスゴいことである。
そして今回の内容は、まさにシカゴによるとてもシカゴらしいものだ。
前作「ナウ」で健在ぶりをアピールした彼らだが、今回は自らのシカゴらしさにこだわって作ったように思える。
なかでも4曲目「Someone Needed Me The Most」なんて80年代シカゴそのもので、このまま「シカゴ16」に収録されていても違和感ないくらいだ。
メンバーチェンジは激しいものの、ボーカリストは前任者のイメージを崩さないような人選のおかげで、ほとんど違和感はない。
どの曲もポップで親しみやすく、それはとてもシカゴらしいものである。
もちろん。シカゴらしさの最たるものであるホーン隊も健在で、しっかり活躍している。

アジア勢の躍進

2022年10月08日 | 音楽
BTSがアメリカ市場を開拓した今、それに続いているのがBLACK PINKだ。
今週のビルボードのアルバムチャートで「Born Pink」が4位にランキングされている。
イギリスでは1位だ。
内容はかなり攻めていて、1曲目「ピンク・ヴェノム」や2曲目「ショット・ダウン」なんてアジア、中東センスの楽曲である。
欧米のポップスやヒップホップに擦り寄るのではなく、あえて欧米とは違う価値観で押し出しているのが凄い。
これは大きな賭けだと思うけど、しっかり結果を出している。
今こそ日本勢も本気でアメリカ進出を狙うべきだ。

BLACKPINK - ‘Shut Down’ M/V


と思ったらイギリスではしっかり活躍して結果を出してる人がいました。
前にも取り上げたことがあるけど、リナ・サワヤマである。
最新作「ホールド・ザ・ガール」がアルバムチャートで3位だ。
なぜか日本でほとんど話題になってないけど、日本人初の快挙である。
これはもう立派に、普通のイギリスの若者が普通に聴いてるレベルと言っていい。
内容は、以前のような過激さ奇抜さは影を顰め、上手く現代風ポップスとJ-POPが融合したように思える。
1曲目「ミラー・フィーリングス」はラナ・デル・レイ風な感じ。
2曲目、3曲目はJ-POP風で、他はダンスポップや弾き語り風、三味線(?)を使った曲など、バラエティ豊かな楽曲が並ぶ。
なんといっても曲がいいので、聴きやすい。
この人日本生まれだけど幼い頃に渡英していて、来年アーティストとしては初来日するらしいです。

Rina Sawayama - To Be Alive (Official Visualiser)

ハリー・スタイルズ

2022年09月03日 | 音楽
ハリー・スタイルズ「ハリーズ・ハウス」

少し前、テレビCMでよく流れていた古いファンク調の曲が気になっていたので調べてみたら、ハリー・スタイルズの新しい曲だった。
その曲を含む最新アルバムをDLして聴いてるけど、これがなかなか良い。
70年代ファンク調の曲はCMに使われた1曲目だけだが、そのほか80年代ディスコ調だったり、現代的ポップスだったりバラエティ豊かな内容で出来もすこぶる良い。
ハリー・スタイルズといえば2年ほど前に「ウォーター・メロン・シュガー」という曲が大ヒットしていてここでも取り上げたことがある。
アルバムの1曲目に入っているのはCMで流れていた「ミュージック・フォー・スシ・レストラン」という曲だ。
自宅に彼女を招き入れ、チャーハンやアイスクリームや卵焼きやスシでもてなす。
まるでスシレストランのように。
そして自分の気持ちを打ち明けるのだ。
そこにはスシレストランのための音楽が流れている、という内容。
楽しげでハッピーな曲だ。
日本人がイメージする寿司屋とはだいぶ違うけど。

Harry Styles - Music For a Sushi Restaurant (Official Video)



ジェフ・ベック&ジョニーデップ「18」

ジェフ・ベックの新作はジョニー・デップとの共作で、古いロック、ポップスのカバーが中心となっている。
2曲だけジョニーのオリジナル新曲が入ってるけど、あとはビーチボーイズ、マービン・ゲイ、ジョン・レノンなどのカバーということだ。
すべての原曲を知ってるわけではないけど、ビーチボーイズ、マービン・ゲイ、ジョン・レノンについては、元の良さをうまく活かしつつ、新たなアレンジを加えていて完成度が高い。
とくにマービン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイング・オン」は、新緑の木漏れ日の中を走るような心地よさはそのままに、ジェフの滑らかなギターが歌メロを奏でていて、このアルバム屈指の出来である。

What's Going On


コーディー・シンプソン「コーディー・シンプソン」

シンガーソングライターであり、競泳のアスリートでもあるコーディー・シンプソン。
そんな彼の最新作である。
自らの名前を名乗ったアルバムは、アコースティックな響きを大事にしたオールドスタイルのロックで、豊なメロディラインがとても優しい。
こういうアルバムはじっくりと心を無にして聴くと、サウンドが身体に染み入ってくるようで、とても心地よい。

Cody Simpson - Nice To Meet You (Official Music Video)

アデル30

2022年05月24日 | 音楽
昨年末に発表されたアデルの新作アルバム「アデル30」を聴いている。
一言で言ってこれは傑作である。
ややレトロ感のある大人びた内容で、まだ30代前半とは思えないほどアダルトタッチだ。
歌詞の内容はアデル自身の私的なもので、離婚した夫や幼い息子のことなどが歌われる。
なかでも3曲目「マイ・リトル・ラブ」という曲はこのアルバムを象徴するもので、夫や息子との心のすれ違い、孤独、寂しさに満ち溢れており、途中の語りのパートでは泣きながら心の内を打ち明けている。
サウンドとしてはアナログ色が強く、生ピアノの響きが美しい。
僕はこれを聴いていると、ジョン・レノンの1stソロアルバム「ジョンの魂」を思い出す。
「ジョンの魂」も無駄をいっさい省いたシンプルこの上ないサウンド構築だったが、その方がより生の心の叫びの表現にむいているからだ。
アデルの新作は、ジョンほどストイックではないけれど、シンプルでアナログなサウンドアプローチの方が表現者としてふさわしいと考えたのかもしれない。
その反面、わりとゴージャスに聴こえるアレンジの曲もある。
60年代のR &Bのように、あくまでもアナログで生楽器による(と思われる)演奏でぱーっと盛り上がる。
とくにラストの「ラブ・イズ・ア・ゲーム」なんて、知らずに聞いたら本当に60年代の曲に聴こえる。

【離婚で板挟みになっていた息子への歌】My Little Love / Adele【洋楽 和訳】


【愛なんて愚かものの遊戯よ】Love Is A Game / Adele【洋楽 和訳】

ジャスティン・ビーバーを聴こう

2022年05月23日 | 音楽
「ジャスティス」

ジャスティン・ビーバーというとどうしてもティーンズアイドルのイメージか強かったけど、純粋に音楽として優れてると思う。
正直言うと僕も食わず嫌いなところがあって、今まで向き合ってなかったのだけど、最新作となる「ジャスティス」を聴いたら、とても気に入ったのだ。
このアルバムから「ゴースト」という曲が全米トップテンヒットとなったけど、他の曲もなかなさの傑作揃いである。
なかでも「ホールド・オン」や「ディザーブ・ユー」といった曲は、親しみやすいメロディーとストレートでメリハリの効いたリズムがあり、つい引き込まれてしまう。
全体的には、ポップスとヒップホップがうまい具合にミックスされていて、ラップも多過ぎず少な過ぎずバランスよく挿入されている。

「チェンジズ」

ジャスティン・ビーバーの前作にあたるアルバムで2020年の作品である。
現アルバム「ジャスティス」と比べてR&B色が濃く地味な印象が感じられた。
全体のクオリティーは高く、上質なポップスとヒップホップだと思うけど、キラーチューンがないのが残念だ。
このアルバムも現行アルバムもそうだけど、ジャスティンは声は哀愁があっていい。

「パーパス」

こちらは2015年発表の前々作「パーパス」。
前作「チェンジズ」よりも現行アルバムの雰囲気に近い印象を受けた。
ヒップホップ色が薄く、ティーンズアイドルによる王道ポップスで、さすがにどの曲も完成度が高い。
某携帯屋さんのCMに使われた「ホワット・ドゥー・ユー・ビーン?」も入っていることと、ちょうどサブスク人口が増え始める時期であることも相まって、ここからジャスティン・ビーバーを聴き始めた人も多いらしい。
その後、大規模なワールドツアーで来日公演も行なっており、二日間で10万人を動員するスタジアムライブを成功させた。
それらもこのアルバムの成功あってのことだと思われる。