goo blog サービス終了のお知らせ 

Music Mania

No Music No Life

シカゴ・トランジット・オーソリティ

2021年05月22日 | 音楽
もう何年前だったか忘れたけど、CD格安ボックスセットでシカゴの10枚組セットというのがあった。
たしか3,000円くらいだったと思う。
初期のシカゴはLP時代は2枚組が多いので、10枚組とはいっても実際には15枚組くらいに相当する超お買い得商品だった。
初期10枚組と後期10枚組があって、ずっと気になってたんだけど買わなかった理由は、あまりにたくさんのCDを買っちゃうと精神的に圧倒されてしまうというか、買っただけで満足してしまうというか、きちんと聴けない気がしたからだ。

そして今。
そういう悩みもサブスクでは全く無用となった。
ようやくボチボチとマイペースでシカゴを楽しんでいこうと思う。

シカゴはわりと好きなバンドだけど、2枚組ベストの他アルバム2枚しか聴いていない。
ライブも行くつもりでけっこういい席を取ったんだけど、直前になって来日キャンセルとなり行けなかった。
後日振替公演が発表されたけど、何故か名古屋公演がなかった。
チケットがあまり売れてなかったのかもしれない。

と前置きが長くなったけど、衝撃のデビューアルバムにして大名盤との誉高い「シカゴの軌跡」である。
デビューアルバムなのにLP2枚組という強気の設定で発売されたようだけど、当時の若者がこれを買うのはかなり勇気がいったのではないだろうか。
まだなんの定評もないバンドのレコードを高価格の2枚組LP、おそらく今の金額に換算すると1万円以上になるんだろうけど、とくにティーンエイジャーには厳しい値段だ。
でも勇気を出して清水の舞台から飛び降りた人は、きっと買ってよかったと思ったに違いない。

1969年に発表されたこのアルバムは、いかにも1969年のロックという感じで、LP片面3曲づつ合計12曲、つまり1曲が長いのである。
短い曲もあるんだけど、その分他の曲はもっと長い。
分厚いホーンセクション、長い長いギターソロ、インプロ曲など、当時のニューロック好きが満足出来る内容だと思う。
メンバーの演奏スキルは非常に高く、複雑なアンサンブルを難なくこなしてるところは流石だ。
そして、歌メロはポップな曲が多い。
この辺は同時代のハードロックやプログレより親しみやすいと思う。
よくシカゴは80年代にポップ化したみたいに言われるけど、デビューから現在まで一貫してポップさを持ち合わせているのだ。
とくに旧LP1枚目に相当する前半は、このままベストアルバムとして通用するくらいポップで完成度が高い。

Introduction (2002 Remaster)


フィアレス

2021年05月09日 | 音楽
テイラー・スイフト「フィアレス」



昨年くらいからテイラーは自分の曲の権利についてもめていた。
ときどきこういうトラブルをきく。
有名なのはビートルズの楽曲権利で、莫大なお金が動いていて、つい最近までポール・マッカートニーでさえなんともならなかったようだ。
で、テイラーだけど、なんと過去の作品を全て録音し直して新たに自分の権利にするという、一見暴挙のようにみえることに踏み切った。
その第一弾がセカンドアルバムの『フィアレス」だ。
僕はテイラーの初期アルバムは聴いていないので、これから新録バージョンが続々発売されるだろうから、順に聴いていこうと思う。
元を聴いてないので比較は出来ないけど、よく知ってる人に言わせると、アレンジその他、全て完コピらしい。
作品としては、すでにこの頃からテイラー節が見られること、カントリー色が強いこと、昨年の2枚と違いバラエティ豊かな楽曲群であることが感じられた。
曲そのものはどれもハズレなしなので、いいアルバムだと思う。

Fearless (Taylor’s Version)



ラナ・デル・レイ「ケムトレイルズ・オーバー・ザ・カントリー・クラブ」



ラナの新作が3月に発表されてすぐにDLしたのはいいけど、内容がとても地味で、どれも似たような曲で、なかなか感想を書くことが出来なかった。
ゴールデンウィークは家にいることが多かったので、ゆっくり身を任せるように聴いて、ようやく全体像がつかめてきたかな、というところだ。
似たような曲とはいっても1曲目のインパクトは強く、無理やり高い声を振り絞るように歌うのが印象的だ。
この曲に限らず、どれも必要最小限の楽器しか使っておらず、そのシンプルさが歌メロを引き立てている。
静かな朝などにコーヒーを飲みながら聴くとはまるアルバムだ。

Lana Del Rey - White Dress (Official Music Video)



マイケル・シェンカー・グループ「イモータル」



マイケル・シェンカーのプロジェクトはいろいろあって、その違いがイマイチよくわかってないんだけど、とりあえずマイケルが今回もオール新曲のアルバムを作った。
ボーカルは誰なのかもわからないけど(というか調べればわかるんだろうけど)、ゲイリー・バーデンとかグラハム・ボネットじゃなければ誰でもいい。
今回のアルバムを聴いての第一印象は、70年代後半から80年代前半くらいの感じが戻ってきたように感じることだ。
キャッチーな歌メロのポップなハードロックで、コード進行とかリフの雰囲気に、往年のマイケル節の味わいがある。
ギターソロも、例えば1曲目なんてUFOライブ「ライツアウト」を彷彿させる瞬間がある。
ただし音色は、あの音ではない。
ディーンギターは、ライブで聴く分にはいいんだけど、レコーディング作品となると、何か違う感が拭えない。
もうギブソンを使うことはないんだろうけど、あの音色にKOされた世代としては、せめてもう少しセッティングをそれっぽく調整してもらいたいと感じる。

The Queen of Thorns and Roses


ディスカバークイーン その2

2021年05月08日 | 音楽


毎週聞き逃し配信の「らしるらじる」でディスカバークイーンを聴いている。
昨年度のディスカバービートルズとはまた違った進行で、いちおう月の一週目はコレ、二週目はコレといった計画性に基づいて進むようだ。

とりあえず、一週目と二週目はクイーンクロニクルということで、クイーンの楽曲紹介と分析。
三週目はギタリストのパッパラー河合をむかえてリスナーからの疑問や相談に答えるもの。
四週目はゲストにクイーン愛を語ってもらう企画。

この中で、三週目のパッパラーさんの解説で興味深かったのは、ブライアンのピックについてだ。
普通のピックで弾く音とコインで弾く音の違いを説明していて、コインの方がザクザクとしたサウンドが得られて、よりクイーンっぽい音になる。
ただし慣れないとかなり弾きにくい。

四週目のゲストはローリーで、どちらかというとツェッペリンファンのイメージが強い彼だけど、クイーンも大ファンであることが伝わった。
とくに彼が高校生のときに聴いたアルバム「クイーンII」を聴いたときの衝撃、彼女との思い出は面白かった。
ローリー独特の大げさな表現は賛否あると思うけど。

5月2日の放送は一枚目「戦慄の王女」からA面の紹介で、一曲づつとても丁寧に解説されていて、とても良かった。
この中で、「炎のロックンロール」が普通ありえないくらい転調だらけだったことは知らなかった。
何度か転調してるとは思ってたけど、目まぐるしくポピュラーミュージックの常識を超えるくらい頻繁に行われていて、クイーンの凄さ、あるいは遊び心を知ることができた。

この番組を一年聴けばかなりクイーンについて知ることが出来ると思う。
まだまだ楽しみは続くのだ。

ディスカバークイーン

2021年04月10日 | 音楽


ディスカバービートルズが終了して、今週からちょっと寂しいなと思ってたら、同じ曜日同じ時間に、今度はディスカバークイーンという新たな番組がスタートした。
ディスカバービートルズと同じく1年間にわたってクイーンの楽曲を流し、その魅力を紐解いていくというものだ。
僕の場合、ラジオをリアルで聴くのではなく、前回と同じくネット配信でのリスニングになる。

さて、このディスカバークイーン、案内役はサンプラザ中野くん。
今後どういう感じで番組が進行していくのかわからないけど、とりあえず今回オンエアされた曲は、70年代のクイーンのシングル曲だった。

・ナウアイムヒアー
・キラークイーン
・ボヘミアンラプソディー
・手を取り合って
・伝説のチャンピオン
・バイシクルレース
・永遠の翼

前回のビートルズのときは毎週オンエアされた内容や感想をここに書いていたけど、今回は毎週書くのはやめとこうかと思ってる。
聴くのは毎週聴くので、月一くらいで何か書ければいいかなと。
とにかく、ビートルズと違ってクイーンは知らないことだらけなので、今後が楽しみだ。

ジゼル・スミス

2021年04月04日 | 音楽
先日のグラミー賞でデュア・リパの「フューチャー・ノスタルジア」がポップアルバム賞を受賞してたけど、最近はこういう過去回帰的なアルバムが人気なのだろうか?
カイリー・ミノーグの「ディスコ」なんてモロだし、BTSの「ダイナマイト」もそうだ。
もしかすると世の中ヒップホップばかりだという現実の中、再びこういうメロディアスな音楽が求められているのだろうか。

今回紹介するのは、70年代後半リバイバルよりもっと過去までバック・トゥ・ザ・フューチャーしちゃったアーティストから、ソウル/ファンク系だ。

ジゼル・スミス・アンド・ザ・マイティ・モカンボス「ジゼル・スミス・アンド・ザ・マイティ・モカンボス」

イギリスのソウルシンガーであるジゼル・スミスとドイツのファンク・ユニットであるマイティ・モカンボスのコラボ作品。
平たくいうと、ジゼル・スミスのバックをマイティ・モカンボスが演奏しているということ。
内容はとびっきりファンキーなR&Bで、完全アナログサウンドだ。
70年代初頭に発売されたアルバムだと言われても通じるくらい、古き良きブラックサウンドである。
なんといっても打ち込みじゃない、人力リズムが心地いい。

Gizelle Smith & The Mighty Mocambos - Working Woman



ランダ・アンド・ザ・ソウル・キングダム「ホワット・ユー・ニード」

こちらもジゼル・スミスと同じく、完全アナログサウンドによるR&Bアルバムで、同じくらいファンキーなリズムである。
感触としては、こちらの方がよりソウルフルで音楽の幅が広いように思う。
この手の音楽ってどれくらいの需要があるのか知らないが、少なくとも日本ではお世辞にも人気があるとは言い難い。
僕個人としては、いわゆるヒップホップやラップよりこういうの方が好きだけど。

Randa & The Soul Kingdom - Power In Me [Freestyle Records]