江國香織さんは私より一回りも若い作家です。
小説、エッセイ、詩集と幅広い作品を出しています。
「すみれの花の砂糖づけ」は著者の初の詩集です。
江國香織 新潮文庫
だれのものでもなかったあたし
すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし
指でそっとつまんで食べるすみれの砂糖づけ。
作者は少女のころすみれの砂糖づけを食べたことがあるのでしょうか。
あるとすれば、きっと特別な食べ物だったに違いありません。
すみれという可憐でも負けず嫌い、地味でも人目を惹く、春そのものの花。
少女の頃の自分と、成熟した自分とを重ねた女の気持ちが短い詩の中に表わされています。
他に家族、恋愛など、ときにやわらかく、ときにストレートにと表現された詩は、女性ならではの感性があふれていました。
さて、私もすみれの砂糖づけを食べて、「だれのものでもなかったあたし」に思いを馳せてみましょうか。
小説、エッセイ、詩集と幅広い作品を出しています。
「すみれの花の砂糖づけ」は著者の初の詩集です。
江國香織 新潮文庫
だれのものでもなかったあたし
すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし
指でそっとつまんで食べるすみれの砂糖づけ。
作者は少女のころすみれの砂糖づけを食べたことがあるのでしょうか。
あるとすれば、きっと特別な食べ物だったに違いありません。
すみれという可憐でも負けず嫌い、地味でも人目を惹く、春そのものの花。
少女の頃の自分と、成熟した自分とを重ねた女の気持ちが短い詩の中に表わされています。
他に家族、恋愛など、ときにやわらかく、ときにストレートにと表現された詩は、女性ならではの感性があふれていました。
さて、私もすみれの砂糖づけを食べて、「だれのものでもなかったあたし」に思いを馳せてみましょうか。