元町の商店街でミニコンサートに足とめる。神戸フィルからの二人組で、ボーイッシュで少し緊張気味の笑顔が特徴のチェロの佐野さん(勝手に推測)と、ふくよかな、きっと良いお母さんになるだろうバイオリンの山本さん(これも勝手に推測)。ふたりともまだ若い。きっと神戸フィルの中でも新人の部類に入るのだろう。そのチェロとバイオリンで、有名な曲を順番にやっていく。老人たちが足をとめる。家族連れも少し。僕もつまりおっさんもその中に混じる。
曲が終わるごとに佐野さん(仮名)がマイクを持って、次の曲の説明をする。「サティのジュトゥヴ、誰もが聞いたことある曲だと思います。楽しい曲です。身体を揺らしながら聞いてください」そしてマイクを置き、息を整えてからアンサンブルが始まる。
そしてまた曲が終わるとふたりは軽くはにかんで、そして佐野さんがマイクを持つ。
その一連の中に、安らぎと言うほどのことではないが、何とも言えないほんわかした心持ちがあって、ついつい遠くに飛ばされてしまった。演奏技術やPAや環境とか、そういう二次的要素は一切言及しない。ただ先人の良い曲を、丁寧に(もしくは大事そうに)演奏するだけで、コンサートというのはココロを打つ。そこがたとえシャッターのおりたタバコ屋の前でも。
それにしても「エンターテイナー」という曲は特別に僕の琴線に触れるなあ。「スティング」のせいかそれとも「大列車強盗」のせいか。
曲が終わるごとに佐野さん(仮名)がマイクを持って、次の曲の説明をする。「サティのジュトゥヴ、誰もが聞いたことある曲だと思います。楽しい曲です。身体を揺らしながら聞いてください」そしてマイクを置き、息を整えてからアンサンブルが始まる。
そしてまた曲が終わるとふたりは軽くはにかんで、そして佐野さんがマイクを持つ。
その一連の中に、安らぎと言うほどのことではないが、何とも言えないほんわかした心持ちがあって、ついつい遠くに飛ばされてしまった。演奏技術やPAや環境とか、そういう二次的要素は一切言及しない。ただ先人の良い曲を、丁寧に(もしくは大事そうに)演奏するだけで、コンサートというのはココロを打つ。そこがたとえシャッターのおりたタバコ屋の前でも。
それにしても「エンターテイナー」という曲は特別に僕の琴線に触れるなあ。「スティング」のせいかそれとも「大列車強盗」のせいか。