思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

明治大学出身の「冒険家」の、30年後の催しで再確認したこと

2014-03-17 00:00:00 | 他人の旅話

15日(土)の午後、東京都・御茶ノ水の明治大学の教室のひとつで、明治大学体育会山岳部の炉辺会(ろばたかい=山岳部のOB会)が主催の、登山・冒険フォーラム「マッキンリーから30年 植村直己を語り継ぐ」があり、聴きに行った。
聴衆は教室が8割以上は埋まっていたくらいで120人以上はいたと思うが、僕のような学外からの部外者というか一般の者は紙媒体のみの告知だったようで思ったよりも少なく(「炉辺会」による手弁当で無料の催しで、出席の申し込みも往復ハガキのみ受付というアナログな手法だったこともあるか)、聴きに来ていた人の大半は明大関係者だったようで。しかも(もし今年も生きていたら73歳の)植村氏やウチの親と同世代だから70歳以上の方が多かった印象。

で、これは植村氏が冬のマッキンリーで遭難してから先月で30年が経ち、この節目の年を機に昭和時代の不世出の「冒険家」の偉大さを再確認しよう、という体の催しだった。3時間半、僕は居眠りすることなくしっかり聴いた(いやあ、僕よりも前のほうの席で、若干は知り合いの方の動きが一時止まっていたのが気になったもので……。たしかに室内は適度な空調だったけど……)。
でも会場が教室だったので、特に前半にあった基調講演で登壇した(植村直己冒険賞受賞者の)関野吉晴さんの出番のときは、(植村氏の足跡を検証した)スライドの内容がそのまま大学の講義のような雰囲気で(まあ関野さんは武蔵野美術大学で本職だから)、学生時代に戻った気分で聴いていた。

ほかにも後半のトークセッションの登壇者は事前の触れ込みよりも多く、そのほとんどが学生時代の体育会系とは違って今は丸くなった? 登山業界の大ベテランの方々だったが、その「垂直」の関係者ばかりのなかで、関野さんと、冒険賞の受賞者としてもうひとり招かれた(僕は著作やテレビ番組ではよく見聞きしてきたが今回が初見だった)大場満郎さん、のふたりは「水平」のほうが目立つ行動者で、その視点の話はもうちょい欲しかったな、と心残りも多少あった。が、全体的には面白かった。

それで、いろいろな話が出たなかで最も印象深いことは、最近の現役の明大生でも植村氏を知らない子が結構増えてきた、ということで。
しかしまあ植村氏の出身学部の農学部では比較的知られているそうだが、さすがに30年以上、自分が産まれたときよりも前の「偉人」のような人物のこととなると、興味が薄れてゆくのは時代の流れもあって致し方ないのかも。
それに、「知っている」といっても、明大山岳部出身、アマゾン川、エヴェレスト、五大陸最高峰登頂、北極点、犬ぞり、南極は断念、北海道・帯広の野外学校の構想、冬季マッキンリー遭難、国民栄誉賞、とどこまで知っているかの認知の程度もまちまちだろうし。
となると、兵庫県豊岡市の「植村直己冒険館」や東京都板橋区の「植村冒険館」という施設もあることすら知らない学生も多いのだろうが、昭和時代の偉大な「冒険家」のおおまかな足跡くらいは後輩として知っておいてほしいものだなー。

それで終盤に、催しのタイトルどおりに学内で学生に向けてもっと植村氏について語り継いでゆくべきではないか、という結論になんとなく達したが、このような催しにホントは(正直に言うと、先はそんなに長くはない……)年配の関係者や仲間内ばかりが揃って思い出話に花を咲かせるだけにとどまらず、学生のような若い世代がこういう話を聴きに来やすい環境というか雰囲気を作るようにもっと努めるべきじゃないのかなー、と他所者ながら聴いていて思った。なんか、せっかくの好機なのにもったいない気が。
後半のトークセッションの進行役だった、(僕よりもやや若い)山岳部の植村氏の後輩である(登山を書くフリーライターの)谷山宏典さんのような直系の若手が、植村氏関連の今後の催しの旗振り役になるべきなのかなあ。そのへんを期待したい。

そういえば近年は理系の学部も有名になってきたらしい明治大学の農学部というと、近年はほかの学部と同様にここで学ぶ芸能人も散見されるが、なかでも特に目立つのは向井理か(彼は卒業後のデビューだけど)。
向井くんの場合は一昨年に夏山診療所を扱った(端役で能年玲奈も出演していた)テレビドラマ『サマーレスキュー』で登山モノに触れた経験はあるので、学部の大先輩のことも知っているとは思うがどうなんだろう。ちなみに、昨夜に終了したそれと同じ放送枠で今クールにこれまた主演だった『S -最後の警官-』も全話観ていたが、明大としても最近では向井くんは(インテル・ミラノの長友佑都とともに)かなりの出世頭なので誇らしいのではー。

ほかにも芸能面で若手では、(明大的には快挙の?)来年のNHK大河ドラマ主演でさらに伸びそうな井上真央とか、若い世代をどんどん絡めてゆけばよいのに。ウチの母校よりも人材はすべての学部で豊富なのだから、じゃんじゃん使ってほしい。年配の方は向井・井上の両名のような若手は知らないかもしれないが(一応、ふたりともNHKの朝ドラ主演も経験済みで全国区なのだが……)、学生の世代では効果絶大のはずだから。ほかには山下智久や北川景子もよいか。僕個人的には(ウチの地元出身の)川島海荷がおすすめ。
学内の学生への訴求力というか触れやすさを考えると、こういった著名な卒業生と絡める企画等も語り継いでゆくうえでのひとつの有効な方法だと思う。今や早稲田大学をも凌ぐ? らしい明大ブランドを、積極的に活用すべきじゃないですかー。


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