思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

映画『縄文号とパクール号の航海』

2015-04-29 23:59:59 | 他人の旅話

東京都・東中野のポレポレ東中野での劇場公開からちょうど1か月経った長編ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』をようやく昨日観た。やはり面白かった。

これは関野吉晴氏の09年から11年にかけての(というか、台風の通過時期を避ける影響により結果的に3年がかりになってしまった)「新グレートジャーニー」の海上ルート編の全行程に密着した話で、5年前に同じ東中野で公開の『僕らのカヌーができるまで』の続編のような内容で、だからこの作品のラストに完成した完全に手造りの舟「縄文号」で(「パクール号」のほうは08年春から始まった舟造りと航海に使う道具類の創作から人力にこだわった「縄文号」とは別に、やや人力以外の力も加わっている)、実際にインドネシア・スラウェシ島のスタートから日本・石垣島のゴールまでの航海の模様を、「グレートジャーニー」のあとに「新グレートジャーニー」も追ったフジテレビの番組よりも詳細に見せている。

この航海については、そのテレビ番組の録画をすでに数回観ているし、地平線会議などで関野氏たちクルーの航海後の話も聴いているし、ゴールから約2か月後の11年8月にはこの計画の関係者の多い武蔵野美術大学で「縄文号」と「パクール号」を展示したときに観に行っているし、ということで予備知識は充分にあるつもりだったが、主役の関野氏の描写が中心だった番組とは違ってこの作品では航海に参加したすべてのクルーをほぼ均等に見せていて(というふうに編集した意図はわかる)、特にスラウェシ島で舟に使う木を選ぶところから参加している者もいる計7人のマンダール人クルーの航海にまつわる言動・行動、特にこの航海に徐々にのめり込んで必ずゴールまで辿り着きたいと誇りを持てるようになった過程をつぶさに観ることができて、旅の完結からもうすぐ4年が経つという今頃に観ても新鮮な画ばかりだった。

まあ僕の周りではすでに観ている人は関係者も含めて多いが、一般的な映画の興行としてはまだまだか。
公開前の試写のコメント取りは、北野武、糸井重里、田口ランディ、林家たい平、高野秀行、服部文祥、会田誠、という豪華メンバーで(このうちプログラムへの寄稿は田口・服部のみ)、『僕らのカヌー~』の頃の数倍は宣伝に力を入れている。ツイッターにも関連の情報は多いので、ここも要チェックでしょう。

公開1週目と2週目の東中野での上映後のトークイベントも日替わりゲストがまたもや野外業界的には豪華で盛りだくさんだったが(この黄金週間中も上映後の水本博之監督の挨拶や軽めのトークは続けている模様)、でもポレポレ東中野での公開は来月15日(金)までで、大阪府・十三のシアターセブンで来月8日(金)までで、このほかにも他地域での公開の話もあるらしく。
今後はそれ以外にも自主上映でも積極的に動くようなので、もっと全国的に公開されるとよいけどなあ。

そういえば、『僕らのカヌー~』のDVDソフトは未確認なので、今取り組んでいる大きな仕事の報酬で買おうかしら。『縄文号~』の今後のソフト化も楽しみである。


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