思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

2015日本冒険フォーラム

2015-11-25 23:59:59 | 他人の旅話

22日(日)午後、東京都千代田区の明治大学で開催の「2015日本冒険フォーラム」を聴きに行った。
4年前の第1回に続いて、2回目の開催。

今回は地平線会議の今月の報告会と兼ねたカタチだったが(ということを知る人は少ないか)、今回限定の特設サイトを創ったりもしたくらいに力を入れていたので(当日の会場運営でも、受付からその関係者というか知り合いが多かった)、僕としてはフォーラムの内容も普段から聴き慣れていることばかりかと思っていたが、今回のテーマの「極地」に関する4人のパネラーのうち僕は(南極観測隊参加経験もある元朝日新聞記者の)武田剛氏のみ初見だったので、その目線からの話と写真に触れたのは有意義であった。
もうひとつ面白かったのは、僕と同世代の岩野祥子「博士」の出番で北極のオゾンホールのスライドなど見せられるとなんだか環境問題のシンポジウムのような体にも見えてしまったが、まあそのようなお堅い話も僕は結構好きなのでたまには(地平線会議でも)あっても良いと思う。

ただ、普段から地平線会議に大なり小なりかかわっている者としては幸いなことに? 比較的聴き慣れている話なので、それよりもこのような催しは初体験に近い一般の人々への広報がもっとあってもよいと思う。他媒体ではとある山雑誌に小さな事前告知があったのも見かけたが、会場の規模が決まっているからある程度は仕方ないものの、もっと老若男女問わずの来場があればなあ、特に(植村直己を知らない)若い世代がもっと、とは率直に思った。それに、植村直己信奉者や冒険・探検みたいな真っ当な生活を踏み外した? 行為の好き者というかマニアックな面々ばかりが毎回集まるというのも……。
同じ明治大学であった昨年3月のもうちょい小規模のフォーラムでも挙がったことで、「植村直己」というビッグネームによる訴求力というか影響力が年々弱まっていることもあるかもしれないとも今回も感じたが、平成の時代の新たな英雄というか植村並みの行動者が現れにくい昨今、それでも、ないものねだり? するしかないのだろうか、というようなことも聴きながら考えていた。今回のパネラーのひとりで数年前からこっそり応援している荻田泰永氏は、その最有力候補だとは思うけどなあ。

そういえば今夏、植村直己冒険賞受賞者のひとりで普段から懇意の安東浩正氏と一緒に野宿しながら最近の日本人の冒険・探検界隈の情報交換をする機会もあったが(というか、いつも会うたびに結局はそういう話になる。それで、安東氏としてはやはり最近の行動者に不満というか物足りなさがあるようで……)、何が足りなくてこれから何を補いながらどの方向へ進めばよいのかを、今回のフォーラムのような場も借りながら常に考え続けてゆかなければならない気はする。
まあ僕個人的には(主に「出版」の面で)そのような大風呂敷を広げる行動者を、それがほつれたら補修して折り目がついたら平らに伸ばす作業に勤しむ支援者のような役割で、今後も在り続けるとは思うけど。

それで、前回と同様に冊子によるフォーラムの報告書が来年? に発行されるらしく、それにまた4年後あたりに第3回を開催したいという意欲もあるようなので、併せて楽しみにしたい。


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