思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

いつかきっとお世話になるだろうから、チベットには

2008-05-31 10:00:25 | 自分の旅話(非日常)

本ブログで出し忘れたが、今月6日午後、中国・胡錦濤国家主席の来日に合わせて行なわれた、チベットを支援する団体による中国政府のチベット自治区への弾圧に対して抗議する意味のデモ行進を見てきた。当然、起点の東京都新宿区・日本青年館から終点の同渋谷区・代々木公園までの全行程を。
中国政府のチベット自治区での地元民の行動の抑圧に抗議し、この問題の平和的な解決を求める日本にいるチベット支持者の熱をこの目でたしかめたかったのだ。
上の写真は、国道246号(青山通り)沿いの青山ベルコモンズ前の行進の様子。

ただ、この列に加わってもよかったのだが僕があえてこの列に加わらなかったのは、たしかに近年の中国政府の政策に疑問はおおいにあるが、まだ実際にはチベット自治区内に一度も足を踏み入れていないために思い入れも比較的浅く、まずはもっと中国国内の情勢をしっかり見ないといけないよな、という思いがあったから。

最近、チベット旅の経験があるために先月26日に長野県長野市で行なわれた聖火リレーの様子を見に行き、この日のデモ行進にも加わったある知人の、(単に世界各地で起こっているのと同様の人権侵害に抗議するという意味合い以外に)彼の地を旅したときに地元の方々にお世話になった恩返しの意味でこのような活動に参加している、という言い分を聴いて、そのくらい深い思い入れがないと参加すべきではないかも、と思ったため、このデモ行進は見るだけにとどまった。

もちろん、標高4000m超という世界でも特殊な地勢のチベット高原への旅には憧れるし、というか10年近く前にチベットに行こうかと一時期、自治区西部のチベット仏教の聖地であるカイラス山(カン・リンポチェ)の巡礼の事情や、土地土地の外国人に開放されているか否かの地域差も含めて、本気で情報収集したこともあった。移動手段は当然、僕が突き詰めている徒歩か自転車による人力で。
でもまあ結局は2001年にちょっとしたきっかけでネパールに行くことになり、こちらや国内の旅を優先したためにチベット行きは頓挫して現在もずっと棚上げ状態のままだけど。でも今でも、チベット関連の旅本や写真展を随時観ては刺激を受けまくって、そんなに遠くないうちに一度は行くことになるだろう、とは常々思っている。

ちなみに、最近のチベット関連の写真展で特に良かったのは、今月に東京都・品川で開催された作家・渡辺一枝氏の「聖山カイラス」かな。夫の椎名誠氏とともに、特にこのふたりのチベット関連の表現はいつも注視している。
また、僕が最近よくかかわっている旅関連の友人知人にもチベット経験者は多く、とりあえず顔が思い浮かぶ15人のうち6人が経験者で(これから行こうとしている人も含めるとさらに増える)、さらにそのなかの2人がカイラスへの巡礼というか到達も経験していたりもする。そういった身近な旅人たちからも影響はいくらか受けているために今回、デモ行進を見に行ったということもある。

で、僕の近年のチベットとの接点は、そういった出版物や写真の数々と、チベット自治区とその周辺での登山記録と(山名を挙げると、チョモランマ、チョーオユー、シシャパンマ、クーラカンリ、チョムカンリ、ニンチンカンサ、ナムナニなど。比較的有名な梅里雪山はチベットというよりは雲南省寄りか)、7年前にネパール・カトマンズに行ったときに世界のチベット仏教の中心地とされるボダナート(巨大仏塔)を見に行ったことがあるくらいで(「五体投地」もここで初めて見た)、やはりまだ最近のチベット弾圧の問題にやたらと口を挟むべき立場ではないかな、とは思う。そろそろ実際に行っておかないと。

いつかはチベットにはお世話になるときが来るだろうから、今後も引き続き世界の紛争や民族問題の起こっている土地のなかでも特に、この地域の情勢には注視し続けていくことにする。


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