ウォーキングの途中、道路脇のフェンスの内側に「ヒトリシズカ(一人静)」が咲いているのを偶然にも見つけてしまいました。
昔は春になると雑木林などのちょっと湿った場所でひっそりと群れて咲いていたものだったんですよね。
でも、最近ではほとんど見ることもできなくなってしまったので、こうして栽培されているものであっても見つけられたのは嬉しいものですね。
日本に古くからあった固有種です。
万葉集に詠われている花が集められている、「市川万葉植物園」にも植えられていました。
そこでは「ヒトリシズカ」の歌として、次の長歌が紹介されていました。
『つぎねふ山城道(やましろじ)を 他夫(ひとづま)の馬より行(ゆ)くに 己夫(おのづま)し徒歩(かち)より行けば 見るごとに 哭(ね)のみし泣かゆ 其思(そこも)ふに 心し痛し』
和歌の中の「ヒトリシズカ」は『つぎね』という古名になっていました。
ここでは「フタリシズカ」も同じ長歌になっていて、『つぎね』とはヒトリシズカとフタリシズカの両方の古名だということでした。
[フタリシズカ]
「ヒトリシズカ」は、茎の先に光沢のある輪生状の葉を4枚付け、茎は赤紫色。
長さ2~3cmほどのブラシのような形の白い花が咲きます。
その花には花弁もガクもなく、ブラシの毛のようなものが雄しべで、雌しべはその根元にあります。
学名:Chloranthus japonicus
英名:Chloranthus japonicus
別名:マユハキソウ(眉掃草)、ヨシノシズカ(吉野静)
科名・属名:センリョウ科 チャラン属
原産地 :日本