TanteOLのキドアイラク

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ベヒシュタインとWinterreise(冬の旅)

2008-11-26 09:34:52 | Music

先週のことになりますが、
前の会社勤務時代、大変お世話になった
バリトンのF先生のリサイタルに伺ってきました。
ピアニストは奥様です。
毎年のように、意欲的にリサイタルを開いていらっしゃいます。



今回は、先生のお宅にある年代もののベヒシュタインピアノを
持ち込んでのリサイタル。
「冬の旅」を中心とした
全てシューベルトのプログラムでした。

まず、奥様のS子先生によるImpromptus D.899-1 c-moll
この曲は、シューベルト晩年の作品。
暗い影をおとしたような音楽は、葬送行進曲にも聴こえます。
S子先生の演奏が始まった途端、
会場内は、冬の雰囲気に包まれました。
こんなにも音楽とピアノの音が調和している演奏に接したのは
初めてでした。

続いて、F先生の「冬の旅」。
木枯らしの吹きすさぶ中を、
恋に破れ、「死」を求めながらさすらいの旅を続ける若者の姿が
はっきり見えるようでした。
木枯らしの音も聴こえてきそうでした。

実は、私は「冬の旅」が大きらいでした。
24曲全曲を通して何しろ絶望感に満ちているし、
1時間以上休憩もなしの演奏だし、
なぜこの曲集が人気があるのか理解できなかったのです。
しかし、この日のF先生ご夫妻の演奏で、
考えが変わりました。
この絶望感に浸るということが、人気の要因ではないかと・・・
それとも自分が年をとったのかな・・・

とにかく、素晴しい演奏でした・・・!



さて、すばらしい演奏の一助となったベヒシュタインピアノ。
このピアノは1920年代のものだそうです。
今から80年以上前に作られたのですよ。
ダルマ足と透かし彫りの譜面台が、とっても素敵でしょ。

調整は、
今年2月のアンサンブルコンサートでも調律をしてくださった、
ピアノマイスターの渾身の作品・・・でした。

ピアノ&調律&演奏・・・
全てが溶け合った、素晴しい演奏会でした。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うわ~ (MK)
2008-11-26 22:16:05
書いて下さったんですね。。

一緒にサントリーで仕事をさせていただいた事を、同じ場所でお会いして思い出しました。お話ししたように、その時は大ホールがマゼールでした。
半年程前にハンマーを交換し、コンサートに挑んだのですが、いい感じまで持って行くのになかなか苦労しました。
フォルテピアノの延長線上にあるようなピアノです。
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Unknown (ソナ)
2008-11-26 23:41:21
きれいなピアノだあ。
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素晴しかったです (MKさま)
2008-11-27 08:52:17
フォルテピアノの延長・・・まさにそんな感じですね。冬の音がする素敵なピアノでした。
Winterreiseは、Steinwayで聴いちゃダメだと心から思いました。
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美しいだけじゃなく (ソナさま)
2008-11-27 08:54:51
古いピアノって、ていねいに作られていて、とても美しいですよね。
フォルムが美しいだけでなく、音色も演奏もホントに素敵でした。
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