和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

インドの『ゴンド画』の祈り。

2020-09-17 | 安房
クリシュナ智子さんが、直接いらして、
手渡してくれた、絵の本をひらく。

その本の「あとがき」のはじまりを引用。

「1987年に日本を出てから、随分と長い歳月が流れた。
2018年、やり場のない未消化な感情をたっぷりかかえて、
米国コネチカットから故郷の南房総へ戻って来た。
祖国だと思っていた日本は異国で、日々右往左往している私を
見かねた友人が、『猫の絵を一枚描いてみない?』と
グループ展に誘ってくれた。その時に描いた絵が、
私の第一作目のゴンド画『なかよし』である。

ゴンド画は、インド中央部のマディヤ・ブラディーシュ州の
先住民族(ゴンド族)によって描かれる絵画である。モチーフを
自在に分割し、点、線、青海波等でひたすら埋めてゆく描法は、
ある意味祈りのようでも、まじないのようでもある。

一作描き終える頃には、そのひたすらさ、繊細さ、大らかさ、
あり得なさにすっかり心捉えられ、明けても暮れても絵を描き続け、
現在に至っている。気がつけば雨は上がり、
遠くに青空がのぞいている。
 ・・・・・・       」

9月18日~9月23日(11時~19時・最終日は17時まで)
OPA gallery (http://opagallerey.net)で、個展開催。
クリシュナ智子個展「雨上がりの動物園」。

頂いた本の題名は、「雨あがりの動物園」。
本のはじまりには、俵万智さんが短文「いつまでも」を寄せていて、
そのさいごを引用。

「短歌と写真や、短歌と絵画のコラボレーションは珍しくない。
けれど同一の作者によるものは稀だ。
言葉と色彩との両面からカタチ=命を
与えれらた動物たちの、なんと幸せそうなこと。
いつまでも心を遊ばせていたい動物園である。」
コメント
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