和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

古文書への一歩。

2015-09-30 | 道しるべ
古文書を読めれば、たのしいでしょうね。
という思いをかなえてくれそうな水先案内者の一冊。

油井宏子著「古文書はじめの一冊」(柏書房)

「くずし字が一瞬にして読めるようになる方法や、
何の努力もなしに解読できる魔法があったらいいのですが、
なかなかそうはいきません。やはり、積み重ねが大切です。
むしろ、その積み重ね自体が楽しいと言えるかもしれません。
読めない字が読めるようになっていく過程は、
新しい発見の連続です。
『南組夜番帳』を読みながらも、わくわくなさった
のではないでしょうか。くずし字が読め、文意が取れ、
文書の中から村の生活が浮かび上がる。関連して、
江戸時代の時刻のしくみがわかったり、
江戸時代の人の名前も読めるようになる。
これは、大きな喜びですね。・・・」(p202)
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古本注文。

2015-09-29 | 古典
最近、雑誌のみ。
なので本が買いたくなる。
新刊書に触手が動く。
でも、金額で比較すると古本全集の安さ。
というので、
今回視野にあった、
小泉信三全集を買うことにする。

うん。本を読まないと
本を買いたくなる。
読まない癖して、
癖ですね(笑)。
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お気軽な書き振り。

2015-09-28 | 書評欄拝見
新潮45の10月号に
新潮ドキュメント賞が発表されております。
永栄潔著「ブンヤ暮らし三十六年」(草思社)が受賞。
その選評は到着順になっており、
その最初の選評は櫻井よしこ氏。
櫻井氏の選評の前半を引用することに(笑)。

「候補五作の内、永栄潔氏の
『ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞』から
読み始めた。『朝日』は一連の慰安婦問題歪曲報道で、
修復不可能と思われる程、国際社会における日本人と
日本国の名誉を傷つけた新聞である。
識者に依頼して自社記事を検証し、大いに反省している
かのような詭弁を弄したが、実のところ少しも反省して
いないと思われるその朝日新聞の元記者の作品である。
三十六年も在籍した末に何を書いたか、朝日報道の偏りと
歪曲を具体例を通して実感する者として、永栄氏の作品を
一番に手にとったのは自然な反応であろう。」

そして、櫻井氏が読むと

「・・・・一貫して楽な姿勢を印象づける。
『少々お気楽な書き手』かと思いつつ読む内に、
少しずつ、氏が朝日の記者らしくない朝日の記者で
あることが鮮明になる。朝日新聞とは全く異なる
論調で報じた『週刊朝日』の記事やテーマが、
同誌にかかわっていた氏の文章に重なり始めたとき、
『お気軽な書き振り』の意味がわかってきた。
これはメッセージを届けるためのしつらえなのであろう、
と。正面から斬り込むかわりに、伝えつつ、
朝日で生き残るために設けたさまざまな仕掛けが見えてくる。」

以下は本の具体例をあげておられます。
興味がある方は、一読を。
他の人の選評は、カットします(笑)。

そして、永栄潔氏による受賞記念エッセイ
「朝日新聞の日々、記者であること」(p201~203)。
そこに、櫻井よしこ氏が語られている箇所がありました。

「以前、船橋市立西図書館が西部邁氏や福田和也氏らの
本を、碌に棚に出さぬまま百七冊廃棄していたことを
産経や読売が本紙や千葉版で取り上げていたおり、
そのことにさして触れない朝日が私には不可解だった。
上野千鶴子さんの山梨での講演に反対の声があがり、
講演会が流れかけた際、朝日を先頭に各社が
『言論の自由』を楯に市を批判し、
中止が撤回されたのを喜びつつも、
上坂冬子さんや櫻井よしこさんの同様のケースで、
朝日が半ばスルーしたのも解せなかった。
Sさんとのやりとりの後、朝日にとっては
言論の自由が問題ではなく、本の著者や
講演者の問題だったのかと初めて意識した。」


うん。この受賞記念エッセイで、
永栄潔氏という「お気楽な書き手」は、
選評の櫻井よしこ氏の文を読まなければ、
『お気楽な書き振り』にまぎらして、
櫻井氏への言及などせず、
おそらくスルーした可能性がある。
などと思ってみたりします。
うん。そんな意味でも、
貴重な選評と受賞記念エッセイです。
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軍事パレード。

2015-09-27 | 短文紹介
雑誌「WILL」11月号に
遠藤誉氏が書いておりました。
そこから少し引用することに。


「パレードでは20種類以上の軍用機と
五百ほどの兵器が披露されたが、なかでも
核弾頭が搭載可能な弾道ミサイルの東風シリーズに
人民は圧倒された。
太平洋にいる米空母を狙うことのできる
射程一千五百キロの中距離弾道ミサイル『東風21D』や
大陸間弾道ミサイル『東風5B』に対して、
北京大学や精華大学に通う反日などに関心のない若者たちも、
さすがに胸をときめかせた、と筆者に語っている。
他方・・・・
インターネット上には、以下のように驚くほど
率直な書き込みが目立つ。

『中国が反ファシスト戦争勝利を祝うのなら、
最も来なくてはならないのはアメリカだろう!
中華民国の最大の盟友はアメリカだったんだぜ。
だというのに、その肝心のアメリカが来てなくて、
来たのは国際刑事裁判所で戦争犯罪人および
反人類罪で逮捕状が出ているスーダンのバジル大統領だ!
反人類罪の容疑者と、少数民族の種族を根絶やしに
しようという国際犯罪者が並んでいる
これが反ファシスト戦争勝利祝典なのかい?』

『パンギムンって国連事務総長だろう?
国連って、バジルの逮捕状を執行することに
決めたんじゃないの?
このメンバーの団結って、なんだい?』

『安倍はたしかに来なかった。
でも安倍の代理で、キャノンとソニーとコニカが
参加しているよ。閲兵式で使ったカメラはすべて
日本製。CCTVのテレビ中継は日本のソニーの
カメラ、閲兵式のマイクはソニー、
記念撮影に使ったカメラは三台がキャノン、
二台がニコン。だって性能がいいだもん』

『もし反ファシスト戦争勝利なんて謳わなければ、
ファシストって何のことか知らなくってすんだのに、
ファシスト、ファシストってうるさいから、
ネットでファシストの意味を調べてみたら、
なんと、わが中共体制とおんなじじゃない?』
(p60)


興味をお持ちの方は
遠藤誉氏の全文を是非お読みください。
とくに、
朝日新聞の購読者には、知れされることのない、
目からウロコの内容で満たされております。
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ダイジェスト。

2015-09-26 | 書評欄拝見
「週刊図書館40年 ベッドでも本!」
そこにある
「『週刊図書館』40周年記念鼎談」で

扇谷正造氏は

「書評ジャーナリズムが、戦後なぜ伸びたかというと、
ダイジェストの効果じゃないですかね。
笠信太郎氏によると、書評というのは、
『先に読んだ者がまだ読まない人に向かって
話して聞かせることである』と言うんです。
話して聞かせるには、

第一に分かりやすくなくちゃいけませんね。
第二に内容を要約しなくちゃいけない。
第三に評価を間違ってはいけない。

その点、戦前の書評というのは、読者抜きの、
評者と著者との私的な対話でしたよ。
ある種のエッセイで、書評を読んだだけでは、
肝心の本に何が書いてあるのか分からない。
戦後の書評が受けたのは、やっぱり西洋流の
ダイジェスト的な要素をいれたからでしょうね。

・・・・ですから、『週刊図書館』の開館の辞には
『いちいち買わなくても済むような忠実なダイジェスト
を行う』との一項を入れて、めざす方向をはっきり
させたわけですね。

・・・ダイジェストは難しいやね。
『きちんとダイジェストできる人は上手な読み手』と
言うんです。あれほど書き手の能力を示すものもないよね。」
(p579)

うん。そういえば、ダイエットはよく見聞きしますが、
最近はダイジェストというのは、とんと聞きませんよね。

それをうけて河盛好蔵氏は

「鴎外先生はダイジェストがお好きでした。
自分でも随分、書いておられます。
梗概博士と言われたくらいダイジェストを大事にされた。
僕は大学の試験なんて、難しい論文を書かせるよりも
ダイジェストを書かせたほうがよっぽどいいと思う。
文科の学生の実力を測るには、ダイジェストさせるのが
一番じゃないですか。」

う~ん。大学の試験といえば、
わたしなら、どんな問題を出すか?

安保法案の経緯を、
引用箇所をきちんと明記ながら、
個人的意見と他人的意見とを
はっきりと区別して書いてもらう、
その点がアイマイにならないよう
文章を点検して、
ダイジェストで答えよ。


事件そのものをダイジェストする場合、
新聞社による違いへの言及があると
実力があると見なされ高得点が望めます。
くれぐれも他人の意見と
自分の意見とを混同しないように、
この領域がアイマイだと、大きい減点となります。

くれぐれも、
評価を間違ってはいけない。
その間違いはインプットの間違いなのか。
アウトプットの間違いなのか。
そこいらも、審査対象となります(笑)。

う~ん。最後は自分が審査委員となったつもりで、
間違った答案でも、決して消したりしないこと。
今後の参考となり、再考とすることが肝心。
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かくして、龍馬は勝を斬る。

2015-09-25 | 短文紹介
雑誌「WILL」11月号が今日届く。
蒟蒻問答を読む。

それはそうと、
安保法案の若者デモに賛同を寄せる言葉を
読んでいると、思い浮かんできたのは、
その賛同に背中を押されて、増長し問答無用で、
勝海舟を、叩き斬ってしまう若き坂本竜馬の姿。

そういうわけで、
今回は、WILL巻頭随筆のなかの
門田隆将氏の文を引用することに。

「過激な尊王攘夷で知られる『土佐勤王党』
の最初の加盟者だった龍馬には、
有名なエピソードがある。
開国論者の勝海舟を斬るべく勝邸を訪問したが、
現実の世界情勢と日本に迫っている危機を
諄々と説かれた龍馬は、不明を恥じて、
逆に開国論者となり、その場で勝の弟子となった。
勝自身が明治になってから語った
『追賛一話』に出ているこの龍馬の
逸話を思い出したのである。
一体なぜ、龍馬は、斬りにいった当の勝に会って、
それまでの意見を変えたのだろうか。
私は、龍馬が気づいたのは、現実を見ない
『観念論』の危うさではなかったか、と思う。
・・・・・・・
鎖国を長くつづけてきた日本が
『産業革命』を経た西洋列強に、
とても太刀打ちできるはずがないという
『現実』を龍馬は、瞬間的に悟ったに違いない。
しかし、観念論にどっぷり浸かった人間には、
彼我の力の差さえ冷静に分析することができない。
『独善』こそ、彼らの特徴だからだ。
私は、国会前で『戦争法案をつぶせ』
『徴兵拒否』『憲法違反を許すな』と叫んだ人々を
見て、そして国会で重箱の隅をつつく枝葉末節の
議論を仕掛け、呆れるような観念論をぶっていた
政治家たちを見て、『この人たちは、
本当に日本人の命をどう考えているのだろうか』
と思った。・・・・」


巻頭随筆で門田氏の次は、西村幸祐氏でした。
そちらも引用。

「国会周辺のデモでは、民主党のイデオローグで
朝日に重用される山口二郎法政大学教授がこう叫んだ。

『安倍首相は安保法制、国民の生命と安全のためと
言っているが、こんなものは本当に嘘っぱち。
まさに生来の詐欺師が誠実をかたるようなものだ。
安倍政権は国民の生命、安全なんで、これっぽっちも
考えていない(略)。
昔、時代劇で萬屋錦之介が悪者を退治するとき、
『たたき斬ってやる』と叫んだ。私も同じ気持ち。
もちろん、暴力を使うわけにはいかないが、
安倍に言いたい。お前は人間じゃない!
たたき斬ってやる!
民主主義の仕組みを使ってたたき斬ろう』
まさに反知性主義そのものではないか。
朝日の反知性主義は、反対派の増長を許す。
16日には、反対派女性議員が『怒れる女性議員の会』
を名乗り、ピンクの鉢巻きを巻いてスクラムを組み、
鴻池委員長の入室を阻む。・・・
韓国の国会では、この手の女性議員を排除するための
女性警察官が多数動員されるという。
日本でも女性衛視を動員すると、その女性議員たちは
『女性を利用するな、卑怯者』と叫んだのである。
反知性どころか倫理観、道徳観の欠落が著しい。」

うん。途中をカットせずに、最後まで引用したいの
ですが、ここまでにして
最後は「蒟蒻問答」から堤氏の、この言葉。

「それにしても、中国の軍事パレードを報じる
朝日の記事はどうだい。あれを見れば、
誰だって日本が受ける脅威を感じる。
感じないほうがおかしい。なのに、
朝日の記事にはその気配がこれっぽっちもない。
中国総局長のコラムは、軍事パレードで
様々な規制がされる、ために迷惑している
という街の声を記し、
『強大な中国を見せつけるパレードのすごさ
よりも、病院で会った人々の困った顔の方が、
はるかに心に残った』と結んでいる。
一体、何を見ているんだい。
NHKも、今回の式典には
反日的要素は薄いと『解説』している。
朝日もNHKも、中国の脅威を伝えれば
安保法制の論議に響くからあえて伝えないんだね。
アメリカにしてからが、パレードに
新兵器の『空母殺しのミサイル』を確認して
懸念を示しているのに、だ。」(p245)
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扇谷正造の教え。

2015-09-24 | 道しるべ
新潮45の10月号。
そこに掲載された
「新潮ドキュメント賞」の櫻井よしこ氏の選評
がよかった。それに永栄潔氏の受賞記念エッセイ。
どちらも気になったのが、扇谷正造のこと。

永栄潔著「ブンヤ暮らし三十六年」(草思社)
が2015年の新潮ドキュメント賞。
その最後の文が、
「週刊朝日」の「週刊図書館」を描いておりました。

「週刊図書館40年 ベッドでも本!」(朝日新聞社)
の最後には「『週刊図書館』40周年記念鼎談」
河盛好蔵・扇谷正造・丸谷才一。

今日届いた古本は
「新聞亡国論」(自由選書・昭和47年)。
この本は、新潮45に掲載されていた、
永栄潔氏の受賞記念エッセイに出てくる。
それで注文。そこに扇谷正造氏の文。


う~ん。魅力があり、引用したいのですが、
とりあえず4冊を並べて、今日はここまで。
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よき友人。

2015-09-23 | 短文紹介
加藤秀俊著「独学のすすめ」の
「情報時代の自己教育」に
こんな言葉があったのでした。

「いや、そうした、情報選択について
しっかりした意見をもっている人間たちこそが
よき友人なのである。・・・
だんだん、人間は、情報についての批判的な
ものの見方を身につけてゆくことができる。
批判的な見方ができるということは、批評ができる、
ということだ。その批評能力こそ、
情報選択の能力の基本なのである。」

さてっと、
産経新聞の各コラムに
私は「よき友人」を見つけているのでした(笑)。

そういえば、最近は
加藤秀俊氏は、あまり産経に登場していない。
うん。加藤氏の言葉は短いコラムでは
味わえないような気がします。

それはそうと、
曽野綾子氏の産経連載「透明な歳月の光」。
今日のそのコラムから引用。


「最近の若者の中には、民主主義というのは、
全員の意見が一致することだ、と思っている人がいる。
民主主義は51%の人が賛成したら、
残りの49%は泣くことなのだというと、
びっくりしたような顔をする。」


そして、コラムの最後も引用。

「今回の安保法案が参院の特別委員会で可決された
ことに関する意見を、テレビで道行く人に聞いていたが、
私も大体同じようなものだった。
一部の日本人のように、武装しなければ平和が続く
と思うのは全く甘い考え方で、敵はいつでもどこにでもいて、
おそらく国会の審議にかけていたら手遅れになるほどの
速さと意外さで、隙があれば侵入してきて、
民族の自主権を脅かすだろう。
ここ数日の間に、たった1人の金がない
ペルー人が立て続けに6人も殺したかもしれない
事件も起きているのだ。
民主主義の支持者は、49%の泣く人たちが、
次回の選挙でその答えを出すことに信をおく。」
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新潮ドキュメント賞。

2015-09-22 | 書評欄拝見
「新潮45」10月号(2015年)には、
第14回新潮ドキュメント賞の受賞記事。
永栄潔著「ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞」
(草思社)が受賞しておりました。
その選評が興味深い。
選評と受賞記念エッセイとで8頁。
うん。この選評を読むと、
永栄潔氏の本を、読んでみたくなります(笑)。
選評の最初が櫻井よしこ氏で、
公平で読みごたえがありました。

以下はあとで、ていねいに引用します。
しばらく、お待ちください(笑)。
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戦後最大の局面に逢着して。

2015-09-21 | 産経新聞
朗読したくなる文が
今日の産経新聞にありました。
田久保忠衛氏の「正論」の文。

「国会審議における野党の質問、
『暴力』、一部の新聞、テレビには、
世界とりわけアジアで軍事力を背景に
現状を変更して憚らない中国と、それを
阻止できる実力を蓄えている唯一の国、
米国の指導力低下という地殻変動が生じており、
その間にある日本がいかに生き延びていくか、
という戦後最大の局面に逢着している
という意識はない。
国際情勢に関する知識が皆無なのが分かって
しまうにもかかわらず、『憲法違反は許さぬ』
など謙虚さに欠ける発言を公にした憲法学者、
最高裁元長官・判事、内閣法制局元長官、
防衛省元高官らの発言は思い出すにおぞましい。」

「安全保障関連法成立までにどれだけの空理空論が
全国的に繰り返されたか、出るのはため息だけだ。
反対デモに参加した学生たちの前で著名な
元国立大学教授は『安倍(晋三首相)に言いたい!
お前は人間じゃない!たたき斬ってやる』と
述べたそうだ(産経新聞9月11日付、中宮崇のコラム
・・)。知識人としての枠をはみ出している。
・・・・・
安倍首相に悪罵を公然と投げた先生は、
日本の積極的平和主義と安保法制に50ヵ国以上が
賛成を表明した事実を知っているのだろうか。
中国と関係が深いカンボジア、ラオスを含めて
アジアの主要国はすべて含まれている。
安保法案が衆議院を通った段階ですぐに祝意を
伝えてきたのはフィリピン、ベトナム、オーストラリア
などだが、法案反対者はこれらの国の指導者を
『人間でなく、たたき斬る』相手だとでも思っている
のだろうか。平壌や北京で最高指導者を
同じ表現で批判したら、どのような事態が起こるかも
悟ってほしい。
・・・・」

うん。全文を読んでいただきたいのですが、
私はここまで(笑)。

こういう文を読めるしあわせ。
読めない人がいるのだ、今も。
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対案なきポエム。

2015-09-20 | 短文紹介
「新潮45」10月号を今日手にする。

ぱらりとひらいて、
特集「愚者の大行進」から
古谷経衡(ふるやつねひら)氏の
「民主党にだけは言われたくない」を読む。
うん。民主党とあったので
それで気になりました(笑)。

忘れてしまいたい民主党の記録
を思い出すヨスガとして引用することに。

はじまりは、こうでした。

「『自民党感じ悪いよね』
『アベ政治を許さない』『強行採決反対!!』。
こんなプラカードを手に手に掲げ、
カメラに向かって何事かを叫ぶ民主党議員らの
国会内での狂騒を映像で見る・・・・
『~感じ悪い』『アベ政治を~』には目的はない。
対案なきポエムが印刷された紙を両手で掲げて
叫ぶ議員の群れを俯瞰した風景・・・
・・・・・・
安保法制反対を絶叫した、その中心的存在であった
民主党の支持率が、10・9%と自民党の4分の1程度の
微弱な値で推移(NHK政治意識月例調査=8月)して
いるのも奇観だ。衆議院における安保法案採決の際、
『お願いだからやめて』と涙声で懇願した辻元清美を
筆頭に浜田靖一安保法制委員長をぐるり取り囲んだ
民主党議員らの狂騒は、結果パフォーマンスとしてしか
認知されていなかったことを世論調査の数字は冷徹に
物語っている。
思い起こせば2009年9月から2012年12月までの約3年間
存在した民主党政権は、圧倒的な支持率で麻生政権(当時)
と交代しておきながら、最初の段階から失速して終わった。
・・・・・・
民主党の中で唯一明確な輪郭を帯びるのは、
『反自民』の狼煙(のろし)だけであろう。
冒頭の辻元を始め、蓮舫、小西ひろゆき、有田芳生など
民主党の中でも最近特にメディア露出の多い議員は、
痛烈な反自民・反安倍の言葉を連呼する。
辻元は旧社民、蓮舫は野田グループ、
小西は官僚、有田はジャーナリストなどと
その出自はてんでバラバラだし・・・・
14年の総選挙でも振るわなかった民主党が
斜陽ながらまだ持ちこたえているのは、
ひとえに強大な自民党の存在が故だ。
『反自民』のスローガンによってかろうじて
結束している民主党からすれば、
激しい呪詛の対象たる安倍総理や自民党こそ、
党団結のために無くてはならない『敵』という
ジレンマに陥っている。敵を呪詛しながら、
その敵のお蔭で生きながらえているという屈辱。
・・・・」(p37~38)

はい。私はここだけを読めただけでも満足。
竹村公太郎氏の連載は、10月号はナシ。
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支那・シナ・CHINA。

2015-09-19 | 短文紹介
竹山道雄著「まぼろしと眞實」(新潮社)に
「台湾から見た中共」と題した文が掲載されております。

そのはじまりは

「安倍先生のお伴をして台湾に旅行して、
昭和32年12月13日から翌年1月5日まで滞在した。」


支那についての記述があります。

「かねてから私は、どうして『支那』がいけないのかと
ふしぎに思つていた。・・・・
それからは『シナ』と書くことにしていた。
私にとっては、支那という字の中には周漢唐宋いらいの
文化の重々しいゆたかな感じがこもっている。
『中國』というと、革命いらいの新しいもので、
われわれがいだいている伝統的な敬意があらわせない。
それで、支那すくなくともシナを改める気にはならなかった。」
(p243)

石井桃子訳の絵本
「シナの五にんきょうだい」(福音館書店)。
私が持っている絵本の最後をひらくと
1961年1月1日発行
1968年4月10日第20刷。
裏には、小さく
全国学校図書館協議会選定『必読図書』
全国学校図書館協議会選定『基本図書』
厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
NHK読書委員会推薦図書
日本図書館協会選定図書
と文字が並んでおりました。

それが絶版になって、
もう石井桃子訳は、
古本でしか手に入らない。

2003年読売新聞夕刊(3月15日)に
武田雅哉(北大教授・中国文学)氏が
この「シナの五にんきょうだい」を
マイ・ロングセラーというコーナーで
紹介しておりました。

そこから引用。

「・・・福音館版には、かなりのニッポンジンが
お世話になったことでしょう。ぼくが大学で
中国語や中国文学の授業をするようになった
ころには、邦訳は絶版になっていたので、
英語版を教室にかかえていき、
このステキにヘンテコな物語を読まずに育った
かわいそうな学生たちに、絵解きをして
聞かせたものでした。
この絵本には、中国文化の特徴が、
たいへんうまく書きこまれています。
死刑執行を楽しげに見物する群衆。
死刑を言い渡されてもニコニコ笑顔を
絶やさない五人兄弟。それでいいのか?
とつっこみたくなるようなハッピーエンド
・・・。
中国の物語に親しんでいる人ならば、
これらはいずれも、どこかで見たことのある
風景ではないでしょうか。
この作品は、そういう意味でも、
なかなかに『いいセンいってる』のでした。
ステレオタイプといわれる部分も含めて、
異文化を考えるときの、かっこうの
教科書であるといえるでしょう。・・・」


のちに、この絵本は瑞雲舎から1995年発行。
けれども、川本三郎訳となっておりました。
川本三郎訳では石井桃子訳には
なかった見開きの言葉が載っておりました。
それは
「 シナへのあいを
  おしえてくれた
    ちち と
  おはなしをかたるのが
   じょうずだった
    はは へ     」

と献辞がありました。
本題は
「THE FIVE CHINESE BROTHERS 」
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戦争反対。

2015-09-18 | 道しるべ
以前、お世話になった
学校の先生がおりまして、
もう退職なさっているのですが、その方は、
昔からかわらず「朝日新聞」購読者。

う~ん。朝日の購読者の裾野は予想外に広い。
このブログでは、読売や産経の記事を
紹介したい。一紙だけでは間違える。
朝日と毎日だけでも間違える。
右寄りと指摘する方は、自分が左にいると
御存じなく、中立だと思っているかもしれない。

9月18日読売新聞の社会面。
見出しが「若者的には『ぼかし言葉』」。
小見出しが「『微妙』『~とか』幅広く浸透」。

「断定を避ける『ぼかし言葉』が、
若者を中心に幅広い世代に浸透していることが17日、
文化庁が発表した2014年度『国語に関する世論調査』
でわかった。同庁は『はっきりした物言いを避け、
相手と距離感を保つ傾向が広がっている』と
分析している。・・・」

思い出すのは、大学紛争に触れた養老孟司氏の
あの文。

「私の親は『朝日新聞』をとっていたが、
大学紛争以降、私自身は『朝日新聞』をとらないし、
読まないのである。それは朝日の人にも申し上げた。
紛争のときには、朝日が記事にするたびに、
紛争が深刻化したという思いがあるからである。
つまり新聞記者はある意味で紛争の当事者だったのだが、
その後始末はほとんど私たちがしたという思いがある。
・・そのとき以来の癖で読まない。」
(養老孟司著「こまった人」中公新書・p156)

うん。新聞が「ぼかし言葉」の元凶かもしれない。
という意識を若者にもっていただきたい。

ということで、
今日の読売新聞の『編集手帳』を引用。
そこに『小欄』という立場表明
がでてくる(拍手)。
以下にほとんどコラムの半分を引用。
はじまりは

「戦争に触れた文章をつづるたび、
その少年に読んで聞かせる。
感想が返ってくることはないが、
いつしか身についた習わしである。
少年は13歳のとき、広島で被爆した。
枕もとの父親に二つの問いかけを残して
息を引き取ったという。・・・」

途中を省いて、つぎにいきます

「少年に読んで聞かせるのは、
彼の目に触れても後ろめたくない記事である
のを確かめたいからで・・・
安全保障関連法案を取り上げるときも
そうしている。・・・『戦争反対』は
廃案を望む人々の専売特許ではなく、
小欄を含めて法案に理解を寄せる人々だって
バリバリの戦争反対派である。
日米同盟をより緊密にすることで
戦争の芽を遠ざけようとする法案に
『戦争法案』の汚名を着せ、
実りある議論に水を差したのは誰だろう。
天国の少年よ。日本の明日を悲観するなかれ。」

うん。
これだけでもいいのでしょうが、
今日の産経抄からもすこし引用。

「『戦争法案』と感情的に訴える手口も、
国会外のデモを背に『民意』の代弁者を気取る劇場型の手口も、
法律の『条』を論じる姿勢として慎みを欠いていた。
人垣をなす女性議員が、そばを通る与党議員に
『触るな』『セクハラ』となじる参院特別委員会の一こまに至っては、
品格のかけらもない冗句であろう。
国民の命と暮らしを守る法案を低い次元におとしめている。」

今日の朝日新聞「天声人語」は
どのような言葉の力がならぶのか。
どのような人がそれを読むのか。
もし、受験のため「天声人語」を
やっとこさ読んでいる若者がいたならば、
ここに、「編集手帳」の言葉があります。
そう伝えて、若者に読み比べることを
覚えていただきたい。
9月18日は、「小欄」の立場を語る「編集手帳」。
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シナの五にんきょうだい。

2015-09-17 | 短文紹介
クレール・H・ビショップ文で石井桃子訳の
「シナの五にんきょうだい」(福音館書店)は、
いまだに手に入らないようです。

竹山道雄著「まぼろしと眞實」(新潮社・昭和27年発行)
その「あとがき」で竹山氏は

「中共については・・・ただ宣伝に心酔するのではなく、
もっと事実を正視し探究する心がまえをもちたいものである。
私は、多くの他国理解がいかに主観的な欲求に
色づけられているかに、おどろくのである。
人々は世界を主観の投影の下に見る。
人間は世界を幻のように見る。
美学で内方集中ということをいう。
われわれは認識する際には、
ひたすら外の対象に集中して、
その中にひそむ本質的な形相を看破すべきであるのに、
多くの場合にはむしろあべこべに、
その対象になつて触発された自分の内の情感に陶酔してしまう。
外に実在するものとははなれて、自分の内に集中して、
むしろ自分の感情を享受する。
安易なセンチメンタリズムとはこれをいう。
多くの場合、あるいまだ証明されない独断が前提としてあつて、
欲求がそれに都合のいい材料だけをとりあげる。
かくて人々はついには事実よりも
演繹と幻覚を信じて、
そこに生れる内心の感情に惑溺する。
そして、後になつてそれがあやまりであったことが分つたときにも、
そのあやまりについての反省はされない。」


石井桃子訳「シナの五にんきょうだい」は、かくして、
絶版の憂き目をみてのち、
反省もされないで、いまだ、復刻されないでおります。
絶好の中国理解の入門絵本。
うん。ここから始まります。
今では、男性による他の方の訳で出ておりますが、
内容は同じでも、
やはり、石井桃子訳とは言葉が違うのでした。


以下に
竹山道雄著「まぼろしと眞實」から
具体的な箇所を引用してみたいのですが、
それは、この次にします(笑)。
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総合検診日。

2015-09-16 | 地域
今日は水曜日で休日。

市の総合健診へと出かける。
レントゲンでの結核・肺がん検診。
バリウムを飲む、胃がん検診。
バリウム飲みがイヤだったので、
今まで胃がん検診はパスしておりました。
それを、今年は受けることに。

午後は、歯医者へ出かける。
入れ歯が合わなくなったので、
伝えると、支えの歯がズレてきたので、
新しい入れ歯にします。とのこと。
その入れ歯がはいる箇所の
歯茎に膿もたまっています。
というオマケも発見される。

ということで明日も歯医者へ。

hontoのポイントがたまっていたので、
新刊を注文してあったのですが、
それが今日届く。

小川榮太郎著「一気に読める『戦争』の昭和史1937~1945」
(KKベストセラーズ)
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