和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「夏は去らねばならない」

2020-09-18 | 詩歌
『庭』のことを思っていたら、
そういえば、伊東静雄の詩に庭が登場していた。
というので、伊東静雄の詩を引用するのことに。

    廃園 

 身を野性に放たうとする
 お前の努力は
 生ひ茂る雑草や濁つた糸藻でこそ
 消し難く その古い物語を甦らす
 廃園の様だ

詩集をひらくと、この『廃園』の前に『秋』があった。

   秋
 
 事物が 事物の素朴を失ふ日
 夏は去らねばならない
 そして澄み渡つたその空虚に
 衆人の悔恨で
 目に見えぬ伽藍は建ち始める



詩集をひらくと、
『庭の蝉』とか『庭をみると』とか
「庭」と題する詩はあるのですが、
それから、『夏の終り』とかあるのですが、
うん。二つの詩を引用して私は満腹。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする